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辻調理師専門学校

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「日本料理クリエイティブ経営学科2年生の授業が始まりました!」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ1~

日本料理クリエイティブ経営学科

2022.04.19

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昨年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。

今日は4月、2年生に進級した日本料理クリエイティブ経営学科生の実習風景をご覧いただきます。

ちょうど一年前を振り返ると入学したての学生はまず「包丁研ぎ」から始まり
「野菜の切り方~桂むき」「魚の三枚おろし~さしみ」など基本を正確に学び、
焼く、煮る、蒸す、揚げるなど調理法を実践して数々の料理が正確に作れるようになりました!
そして3月の年度末には年間の学習目標としていた「松花堂弁当」が作れるようになりました。
それと並行して会席料理の献立が考案できるようになりました。

では2年生になった彼らは次に何ができることを目標にするのか?
「グループで考案した会席料理のオリジナル献立を再現できる」ことです!
目標達成に向けてグループ実習が本日新たにスタートしました。

今日の実習は昨年度、先生の指導を受けながら作ったことのある料理を
再度、先生の指導なしで学生だけで作る「反復実習」です!


9時10分授業スタート!まずはグループで今日使う食材を揃えます。


実習前にはグループでそれぞれの役割分担を決めています。
この学生は日本料理の命といえる昆布と削り節で引いただしを漉します。
ここでは鍋に削り節が残るように静かに漉すことがポイント!
勢いよく行くとだし汁の色が濁り雑味も残ります。
こちらの学生ポイントがわかっていますね。いいぞ!


昨年も数々の魚を卸してきましたが、一度おぼえた包丁技術は体が記憶しています。
今日は大型の「サワラ」を卸します。もう指導しなくても大丈夫です。


卸したサワラはふり塩をして余分な水分を抜くと同時に臭みを抜きます。この間30分!


次は一人前ずつに切り分け、焼き魚用として準備を進めていきます。身に光沢があり鮮度の良さがわかります。


串を打ち今日は「サワラの塩焼き」として仕上げます。
適度な焼き色と塩の粒子がしっかりとわかり美味しそうに焼き上がっていますよ。


こちらの学生は当たり鉢で「信田巻き」という煮物の準備中、水切りした豆腐をすりつぶして調味料を加えます。
ゴロゴロとすり混ぜる音がします。


ところで「信田巻き」とはなに?という声が聞こえてきそうなのでお答えしますね。 
伝説の神の使いとされる信田の森(現大阪府和泉市)に住むきつねは「油あげ」が大好物なため
油あげを開いて生地を巻いて煮た料理を信田巻きと呼ぶのです。
きつねうどんに油揚げが入っているのも、きつねが油あげを好むといったところからきていますよ。


開いた油あげに豆腐の生地を薄く広げていきます。


こんな感じになればOK


最後は筒状になるように巻けばよし!


巻きすに巻いたまま蒸し器で15分間、生地に火を通します。


蒸し上がれば甘辛い煮汁で10分間グツグツ煮ます。


ひと口で食べられる大きさに切りますが、プロは全て同じ幅で切ることを意識します。
幅が違えばきれいな盛り付けができないからです。


オッ!こちらでもあたり鉢の中でゴロゴロいっていますよ。中身は白身魚のすり身です。


すり身をしっかり、すりのばして柔らかい湯葉を混ぜて生地が完成。
これは湯葉しんじょといって、吸物の中に入る料理となります。


湯葉しんじょ生地はラップに1つずつ同じ大きさになるように包みます。最後は輪ゴムでギュッと縛れば完成。


コトコトの火加減で約10分間、火を通します。


時間は10時40分!スタートしてから1時間30分が経過。実習も後半戦となります。
ほうれん草を塩ゆでにしますが火通し加減はシャキシャキ感が残る程度に火を通すことが大事。
根っこを触って確認「よっしゃ!完璧」といった表情です(笑)


器に湯葉しんじょ、火通し完璧なほうれん草を盛り付け仕上げにかかります。


塩と薄口醤油で味付けした熱々のだしを張れば完成!
是非ともすぐに食べてもらいたい一品です。絶対に熱々が美味しい!


並行してこちらではサワラの塩焼きを盛り付けます!
プロの料理は美味しいだけではダメ、美しい盛り付けで客の目を喜ばせます。


すべてのテーブルで盛り付けが進みます。丁寧に早く!キレイに急げ!(笑)


一人が大根おろしを盛り付け、そのあともう一人がレモンを添える。
これは流れ作業と言って盛り付け時間を短縮するための手段です。




煮物の信田巻きも流れ作業で盛り付けていきます。並行してすべての料理を同時に仕上げていきます。


今日のごはんは土鍋で炊きます。ふっくらと美味しい仕上がりとなります。


料理も完成。コロナ渦の中まだまだ油断はできません。試食中は黙食のため会話はできません。シーン


試食はいつも真剣、サワラの塩焼きを照れるほどジーっと見つめます(笑)
試食の後はみんなで片付けして終了!お疲れ様でした。


~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエィティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。