OSAKA

辻調理師専門学校

ブログ

「今日は鯛の薄造りのテストです!」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ15~

日本料理クリエイティブ経営学科

2023.10.24

2021年4月に日本料理本科(1年制)、日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。


今日の日本料理クリエイティブ経営学科2年生の実習は鯛の薄造りのテストです!
鯛と言えば日本料理を代表する魚のひとつ。
1年生のときから学生全員が鯛の水洗いから卸す、刺身にする練習を数多くやってきました。
今日は薄造りを久々にやりますが、腕が落ちていないかテスト形式で評価しますよ。


授業担当は松島先生!
「薄造りは久しぶり!作り方忘れていないよね?」



テストのルールは1枚の皿を薄造りが一周ぐるりとまわること!
写真のようになれば決定
鯛は皮を引いた状態から引き始めます。制限時間は10分以内です。


では準備開始!全員が鯛を卸しますが、卸すことに関しては先生からの指導がなくても大丈夫!
全員自信を持っています。
常に「ポイント」をしっかり理解して練習してきました。
鯛を卸す際、難しいのはここだけ!腹骨と血合い骨をつなぐ関節があります。
その部分を写真のようにガリガリッと切れば後は簡単!


このように余分な身を中骨につけずに卸せますよ。


おなじく反対側の身も腹骨と血合い骨をつなぐ関節をガリガリッと切れば後は簡単!


鯛の身は弾力がありしっかりしているので手で持ち上げて腹骨をすくようにして取ればスムーズです。


2年生の学生全員が、このレベルで卸すことができますよ。


今日は刺身にするので背側と腹側の身に分けます。これを専門用語で「節取り」と言います。
中央の血合いと呼ばれる部分は、名前の通り血液成分の多い身の部分なため
刺身で食べると、生臭みを感じます。
そして小骨が集中しているためスパッと!切り取ります。


最後の工程は「皮を引く」ことです。
刺身の場合、皮を引くのを失敗すると商品価値が下がりますもうやだ〜(悲しい顔)
失敗とは皮に身が付き過ぎると魚の模様が皮側につき身の模様がなくなり、
何の魚か特徴がわからなくなります。
また皮を引く際、途中で皮が切れるとそのあと皮を完全に取り除くのに時間がかかります。


鯛の場合は皮を「外引き」で引きます。先生手(パー)外引きとは何ですか? 
では動画を観てください。


背側の身は赤い縞模様がくっきり残っています決定 
腹側の身は赤い模様と白く霧がかかったようになっています決定 
この白い霧はたくさん残っている方が良いとされます。
理由は刺身にしたとき白い模様となり、よりきれいに見えるのです。
はい、ここまでが薄造りのテスト開始までの下準備となります。
皮がキレイに引けていないとテストの採点にも影響するぞ!



テスト開始まで20分あります。その間、練習はできます。
そして疑問に思うことは松島先生に聞いて解決しておこう。
「聞いてや!なんでも教えるで~」と松島先生が言っております。


「では全員一斉にテストをはじめます!制限時間は10分、ではスタート!」


薄造りは他の刺身とちがって「刺身を引いては、すぐ器に盛り付ける」の繰り返しです。
説明がいまいちなので動画を観てください!



全集中して薄造りを作る学生の目がヤバッ! 
キレイに見せるコツは同じ厚さに切ることは勿論のこと、身を同じ間隔で重ねること!
そして常に皿の中心を意識して、盛り付けた薄造りがバランスよく皿の上に薄~く張り付いていることです!
こちらの学生の薄造りはとてもキレイですよ。



「は~い終了、10分たったよ!」
実際のところ6分ほどで学生は全員終了していました。 
意外と早い!
では1人ずつ採点していきますね。



松島先生手(パー)
ところで何を評価しているのですか?
「私が評価するのは5項目!1項目20点として5項目すべてクリアすれば100点満点やな」
「2年生なので厳しい評価をしますよ!この薄造りは80点やな」 
先生きびしいですもうやだ〜(悲しい顔)もうやだ〜(悲しい顔)



「なかなかよくできているよ!身の大きさ、厚みも完璧、器の中心に盛り付けられているし!」
ありがとうございます。嬉しいです! 
後で小さく写る学生もなぜだかスマイルわーい(嬉しい顔)



こちらの学生の評価はどうでしょうか?
「身の薄さ、形は統一されているけど、盛り付けた身が皿の中心からずれているね!」比較すればわかります。
向かって左側の薄造りは皿の中心にピッタリ収まっていてバランスよく見えます。
右側の薄造りは皿の上の部分の余白を見ると広い、狭い部分があるため
皿の中心に盛り付けられていないことがわかりますね。
●アドバイス → 皿の余白部分を統一することを意識すればいいんじゃないか!


久々の薄造りでしたが、ポイントはちゃんと覚えていたかな? 
反省点は個々で違います。
指摘された部分は改善できるよう松島先生に教えてもらおう! 
「先生教えてください!」
改めて薄造りをやってみましたが、今まで気づかなかった新たな発見があったようですね。
オッ!気が付けば授業終了時間です。お疲れ様でした。

~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。