OSAKA

辻調理師専門学校 (調理)

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クレープ・シュゼットをゲリドンサービスで!!

調理技術マネジメント学科
高度調理技術マネジメント学科

2021.10.12

こんにちは、レストランサービスの魅力をどうしても伝えたい!!
西洋料理担当の紫藤(しとう)いづみです。

今回皆さんに紹介するのは
レストランサービスの醍醐味!!
「クレープ・シュゼット」のゲリドンサービスです!!

シュゼット?ゲリドン?わからない単語が多いですよね・・・。
安心してください一つずつ説明していきます!!!

まず皆さん、
「クレープ・シュゼット」をご存じでしょうか?
キャラメルとオレンジ、そしてたっぷりのバターを使った濃厚なソースを
クレープ生地に含ませた温かいデザートのことです。

「クレープ・シュゼット」の由来は諸説ありますが、ここで一つご紹介しましょう!
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後にイギリスの国王となったエドワード7世と
その恋人シュゼットさんのために、
フランス料理人アンリ・シャルパンティエが、
このデザートを考案したと言われています。

デザートが美味しくて感動したエドワード7世はアンリ・シャルパンティエに
「このデザートの名前は何ですか?」
と尋ねたところ、
アンリ・シャルパンティエは
「皇太子殿下のために作ったデザートです」
と答えました。するとエドワード7世は
「シュゼットと名付けてはどうですか?」
と、恋人のシュゼットさんの名前をそのままこのデザートの名前に提案!!

この出来事がきっかけで「クレープ・シュゼット」という名前になったそうです。
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と、まあとてもロマンチックな出来事があったんです。
エドワード7世・・・
かなりカッコイイことしますね!

他にも、オーギュスト・エスコフィエなど諸説ありますが、
このロマンチックな物語が私は一番好きで心に残っています。

このクレープ・シュゼットというデザートには様々な応用がありますが、
今回は皆さんに「ゲリドンサービス」バージョンを紹介します。

まずゲリドンとは、
レストランでいうサイドテーブルのことです。

お客様が着席しているテーブルのそばにゲリドンを設置し、
目の前でサービスマンが料理の切り分けやデザートの仕上など
"見た目も楽しんで頂ける"サービスを
お客様の目の前で演出するのがゲリドンサービスです。

こんな感じ!

ちょっとワクワクしませんか?
この写真の内容を今から詳しくお伝えしますね!

まずはゲリドン(サイドテーブル)を設置します。

そしてそこに色んな機材をセッティングして・・・

機材や材料の準備ができたらどんな食材を使うのかをお客様に紹介します。

火をつけてフライパンを置いて、砂糖を溶かし、キャラメルを作ります。

ポイント1⃣
キャラメルの色づき具合はお客様にお好みを聞きましょう!
それによってソースの甘味、苦味が変わります。

大人な味がお好みのお客様には、
ビターなソースに仕上げると喜んでもらえます。
逆にお子様が召し上がる場合には、
あまり色付けずに甘い仕上がりの方がいいかもしれません。

その間に使用するオレンジを剥きます。

ただ剥くだけじゃつまらないので・・・
スパイラルに剥いてみました!!!

オレンジは他にも様々な剥き方があるので、
機会があれば紹介したいな~(独り言です・・・)

キャラメルがいい感じに色づいてきました!

レモン汁を絞ってキャラメルの色づきを止め、
バターをたっぷり加えます!

オレンジジュースを加えます。

次に、お酒を使って香りづけをします。
今回使うのはグラン・マルニエというオレンジリキュールです。

出来上がったソースの中にクレープを折りたたみながら加えていきます。

ポイント2⃣
美しく整列させるのが綺麗に見えるポイントです!

そしてメインイベント!
ブランデーというお酒を使ってフランベしたいと思います!

フランベというのは炎を上げること。
そうです、お客様の目の前でファイヤー!!!

これによりブランデーの風味も加わり、見た目も味も美味しくなります。
そのためにまずはブランデーを温めます。

電気を消して・・・

先ほどのスパイラルオレンジを使ってフランベ!!!

ポイント3⃣
突然炎があがるとお客様がびっくりするかもしれないのでアナウンスが必要です。
「では、只今より炎が上がりますのでお気をつけください。」というと
心の準備+スマホで動画の準備OKとなります。

お客様はおそらくここで拍手!(パチパチパチパチ!)

フランベに使ったオレンジの果肉を一緒に温めます。
クレープがオレンジソースをたっぷり含んだこの状態がベストです。


では盛り付けましょう。
①クレープ、②ソース、③オレンジの果肉、④バニラアイス
ビドンというアイスクリームケースに手作りのバニラアイスが入っています。

綺麗にアイスを抜くのもかなり難しい技なんです。

アイスが溶けないうちに、どうぞお召し上がりください。

お客様のすぐ横のゲリドンで仕上げるからこそ、
温かいクレープと冷たいアイスの組み合わせの一皿は完成します。

まさにゲリドンサービスの醍醐味です!
このようにサービスのひと手間によって料理の表現方法は無限に広がっていくのです!

皆さん、クレープ・シュゼットのゲリドンサービスはいかがでしたか?
調理技術マネジメント学科(2年制)、高度調理技術マネジメント学科(3年制)では、
調理の授業だけではなく、
レストランで行われている様々なサービスや演出も勉強します。

辻調理師専門学校といえば、"料理人"というイメージが強いと思いますが、
実は"サービスマン"の魅力に惹かれる在校生も沢山います。

2年制や3年制の学科は2年生になれば週に2回サービスの授業があり、
ワインやコーヒーの授業、
今回のクレープ・シュゼットのような、ゲリドンサービスの授業が沢山あります。

皆さんにレストランサービスの素晴らしさをもっともっと伝えたい、
そんな想いの職員が辻調には沢山います!
ぜひ、辻調でサービスのお仕事を一緒に勉強してみませんか?


~プロフィール~
辻調理師専門学校 西洋料理担当
紫藤いづみ
生まれも育ちも大阪府!
休日は娘とお菓子作りをするのが日課です。
今週末は何を作ろうかなぁ~