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辻調グループ フランス校

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赤松 喜和子さん 研修先 PATISSERIE HAWECKER (パティスリー アベッカー)

研修生レポート

2022.10.25


私の研修先「Hawecker」は南仏のシャトールナールという小さな町にあります。仕事場はアトリエとラボの二か所あり、1か月ごとに持ち場を変わりながら研修しています。

ラボの一階にお店があり、2階と3階に作業場があります。水曜は製パン、その他の日は製菓の仕事をさせてもらえます。階段の上り下りとガトーの提供への責任感・緊張感でいつも息を切らせています。お客さんは耐えることがなく、朝早くからたくさんのお客様がいらっしゃいます。予約用の棚は毎日ぎゅうぎゅうです。

アトリエは村の少し外れにあり、工場のような見た目です。とても広く、ショコラティエ部門とガトー部門に分かれています。ショコラティエ部門のスペースにはショコラのピエスモンテが組み立てられていたり、イベント用のショコラの試作が飾ってあります。仕事中にシェフがピエスモンテを組み立て、飾っているのも間近で見ることができる貴重でぜいたくな時間です。


研修先店舗の内装

初めての仕事はガトーの飾りつけでした。徐々に様子を見てグラサージュのピストレ、トランぺ、絞りやパンの成形など多くのことに携わらせてもらえます。プラック10枚分のエクレールの中身詰めや大量のプティガトーの飾りの絞り、学校サイズの4倍くらいの大きさのフイユタージュの折り込みなど仕込みの量が学校よりとても多いです。1人で任された自分の仕事が製品の出来につながると思うと緊張半分嬉しさ半分で身が引き締まります。
土日にはアトリエの方で大きなピエスモンテを作成しているのですが、なんとそこにも少しだけ携わることができます!

ラボ内の様子

同僚の皆さん


「ピエスモンテの作成にも参加させていただきました」

アベッカーシェフはアトリエとラボを行ったり来たりしており、出来上がったガトーの最終確認をしたり、アトリエでピエスモンテの作成をしています。作業的な部分の指導はそれぞれスーシェフの方々にしていただけています。従業員の方々は皆さんとても親切でつたないフランス語を何とかくみ取って会話をしてくださいます。このフランス語は日本語で何て言うの?とよく聞かれ、日本の文化が好きな方もいらっしゃったりするのでとても居心地よく過ごさせていただいています。

日々の生活はアパートの一室を借りて暮らしています。外観、内装共にきれいで生活に必要なものは十分すぎるくらいそろっています。ご飯を作ったり映画を見たり仕事終わりにのんびりできる空間です。

 
お店のある町、シャトールナールには名前に入っているだけあってお城があります。仕事合間の休憩時間にはラボからそのお城が見えて気分があがります。ライトアップされると魔女が住んでいそうな雰囲気がします。

ライトアップされたシャトールナール

使用する交通手段はほとんどバスだけです。駅がある町は近くにアビニョンがあり、バスで20分くらいかかります。アビニョンから電車に乗って出かける場合は隣の駅のアルルによく行きます。休日は出かけることもありますが、今のところ家でのんびりと過ごしたり、町内を散歩したりすることが多いです。生活費は、作業中にたくさん味見させてもらえたり、時々休憩の時にヴィエノワズリ―や軽食が出るので一日一食になることが多いため、月一万円くらいあれば足ります。毎週日曜日に行われるマルシェを使いこなしたらもっと節約できるかも!


作業中、とにかく早く丁寧に、を目標にガトーに向き合っています。現場ではまだやったことのない仕事を振られることも多いのでシェフの方々の仕事を盗み見てついていくのに必死です。私自身主張することが苦手だったのですが、フランスに来て大切だなと感じたのは積極性でした。研修前は学生に任せてもらえる仕事は洗い物とかちょっとした切りものとかだと思っていたのですが、やりたいと言ったらなんでもさせてもらえるのでたくさん経験させてもらえるし、実習でする量とは比べ物にならない量の仕込み等現場ならではの空気を味わうことができます。ピエスモンテやイベントに合わせたショコラの作成など日々刺激をもらえるよい環境で研修できています。若いシェフでも自分のルセットを持っており、考案したガトーをお店に置いてもらえたりしていて成長の場という感じがします。私もここで多くのことを学び成長して将来誰かの幸せにつなげたいと思います。


赤松 喜和子 AKAMATSU Kiwako

2022年春コース レクレール校 製菓研究課程
出身校 くらしき作陽大学
辻調グループ出身校 エコール 辻 東京 辻製菓マスターカレッジ

研修先 PATISSERIE HAWECKER (パティスリー アベッカー)