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Le P'tit Polyte (ル・プティ・ポリート)

フランス校 食べ歩き日記

2014.05.07

今回はフランスの冬のリゾート地にある1つ星レストランLe P'tit Polyteのレポートをお届けします。
フランスは一般的に夏と冬に長期休暇(バカンス)があり、冬には多くの人がウインタースポーツをしに雪山へと向かい、
スキーバカンスとも呼ばれます。スキー場が込み過ぎないように地域ごとにバカンスの期間をずらす程ですので驚きです。


僕もスノーボード愛好家でして、フランス滞在中に壮大なアルプスを滑らない訳にはいかないと、行ってまいりました。
アルプス山脈はイタリアやスイスなど数々の国境にまたがる為、僕はフランス校から3時間ほどで行けるサヴォワ地方の
スキー場、Les 2 Alpes(レ・ドゥー・ザルプ)へと向かいました。ここは標高がとても高い為、夏スキーも楽しめます。


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標高3600mのレ・ドゥー・ザルプ               壮大なアルプスの夕暮れ時

しかし!フランスのスキー場はただ滑って終わりではありません!

いたる所にスパが併設されている高級ホテルや星付きレストランがあり、スキー後はスパで体を癒し、
夜は豪華な食事を楽しむ。といったフランスならではのスキーリゾート地となっています。


さて、ここLes 2 Alpesにもミシュラン1つ星のレストランがあります。
雪山の中のレストランは山小屋やロッジのような作りのところが多く、暖かみが感じられ、
ほっと一息できるので僕は大好きです!
どんな雰囲気か覗いてみましょう!

Le P'tit Polyteはオテル・シャレ・ムニエールというホテルの中にあるレストランで2007年から現在まで1つ星を維持。
まずはサロンへ案内され、シャンパンを飲みながらゆっくりとメニューを決めます。とても優雅な気持ちになれますね。

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かわいらしい木造の外観                 入口にはしっかりとミシュラン1つ星のマーク

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サロン

メニューが決まればレストランへ。木のぬくもりとモダンがうまく融合されていて料理への期待が高まります。


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*まずはアミューズ(つきだし)とパン


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左の写真:(左)ベーコンの風味を付けたほんのり温かい牛乳 (右)ヤギのチーズのコロッケ


山岳地帯の特産物で、口の中を楽しませてくれます。パンと一緒にサヴォワ地方で作られているバター。
味が違うものを2種類と奥の黒いものは活性炭を混ぜ込んだ塩。お好みでパンに付けて食べます。


*続いて2皿目 ヴァン・ショーをシェフスタイルで。
*3皿目 タコのカルパッチョとコック(貝の種類)、パセリのスポンジケーキ仕立てとにんにくのクリーム。
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2皿目のヴァン・ショーとは香辛料や柑橘系の風味を利かせたホット・ワインの事で、
フランスでは冬の時期によく飲まれます。それをレストランスタイルにシェフがアレンジしています。

3皿目はさっと火を通したタコの薄切りと、コックと呼ばれる小さな貝。
パセリをスポンジケーキ仕立てにし、にんにくのクリームをアクセントに。

貝類とパセリとにんにくは相性がよく、それをモダンに再構築しており、楽しめるものとなっていました。


*4皿目 鴨の胸肉の燻製とフォワ・グラのムース、ヘーゼルナッツのアイス。
*5皿目 ホタテのポワレとイカ墨パスタ、ワサビのソース。
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左の写真:
中央のものがフォワ・グラのムースとヘーゼルナッツのアイス。右上が鴨の胸肉の燻製と彩りにミニニンジン
右の写真:
丸いディスク状のものはジャガイモのチップ。その下にホタテのポワレとイカ墨パスタが隠れています



4皿目はフォワ・グラのムースを冷たいヘーゼルナッツのアイスがまろやかにし、そこに燻製にされた
鴨が入ることでより複雑な味わいに。
5皿目は一見何が入っているか分からず、ジャガイモのディスクを割って中を見る驚きがあります。


*6皿目 マンゴーの風味を付けたオマールと黒米の巻き寿司風、生姜のソース
*7皿目 リ・ド・ヴォーのポワレ、ゴボウの照り煮、モワルのコロッケ
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左の写真:
オマールの左上の黄色いものはオマールのほぐした身を調味し、マンゴーのスライスで包んだもの
白いチップはタピオカを揚げたもの。
右の写真:中央がリ・ド・ヴォー。右下はセップ茸のソテー。細長いものがゴボウの照り煮


6皿目は寿司を意識した一皿。
日本人から見たら寿司とは少しかけ離れていますがやはりフランスでも日本料理は人気だな、と実感。
7皿目のリ・ド・ヴォーとは子牛の胸腺の事で、日本ではあまり馴染みがありませんが、フランス料理では
よく食べられます。
モワルとは牛の骨髄でこれも日本では見かけませんがフランスでは人気です。
トロッとした触感でコクがあり、フランスで是非食べたい食材です。

ここで既にお腹は一杯ですがチーズを勧められてつい。。。。

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山岳地帯のサヴォワ地方は乳製品が豊富な為、チーズもさかんに作られています。
サヴォワ地方以外のチーズも陳列されていますが、初めて見る人はこの種類に驚く事でしょう。
好きなものを選んで好きなだけ頂けるのですが、数が多すぎてはじめに説明してもらったチーズの名前を
忘れてしまうという事もしばしば。。。


さっ!いよいよデザートです!
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左の写真:ヴァシュランというフランス伝統菓子を一口サイズに再構築。
右の写真:チョコレートのムースとグレープフルーツの組み合わせ。非常に綺麗な仕上がりです。


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コーヒーと一緒に小菓子として左から、マシュマロ、アーモンド入りのチョコレート、ライムのマカロン


軽く仕上げてあるため、お腹一杯でも美味しく食べられてしまいます。
ウインタースポーツを思いっきり楽しんだ後に、素晴らしい料理!
フランスでしか味わうことのできないとても幸せなひと時でした!


また、高級レストラン以外にもサヴォワ地方には美味しい郷土料理や食材がたくさんありますので
僕のお気に入りをご紹介しましょう。



ラクレット
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これはお勧めです。大きなチーズを大胆に半分に切り、上から専用の機械を使って溶かしていきます。
それをジャガイモやピクルス、肉の加工品につけて食べます。
(お店により、チーズの大きさや提供の仕方は異なる場合があります。)



タルティフレット
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ジャガイモ、玉ねぎ、ベーコンとホブロションというサヴォワ地方のチーズでグラタンにしたもの。
ホブロションはコクがあり、とても味わい深いグラタンとなります。


肉の加工品
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昔、山岳地帯の厳しい冬を越すには保存食となるサラミなどの肉の加工品が重要な役割を果たしました。
その為現在でも肉の加工品は特産物となっており、専門店には非常にたくさんの種類が並んでいます。
ワインのおつまみにちょっと、というときにもピッタリです。


チーズ
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スキー場にあるチーズ屋さんではサヴォワ地方で作られたチーズがたくさん売っています。
大きいものは量り売りで買えるのですが、フランス人は大きい塊のまま買う人もよく見かけ、
チーズの消費量の高さがここでも伺えます。


壮大なアルプスでのウインタースポーツ、心も体も温まる美味しい料理の数々、
是非みなさんにも体験してほしいバカンスの過ごし方です。


Le p'tit polyte
<住所>2 rue de la chapell
<電話>04 76 80 56 90
www.chalet-mounier.com