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Patrick Agnellet (パトリック・アニェレ)

フランス校 食べ歩き日記

2022.10.10

今回紹介するお店は「Patrick Agnellet」です。お店はフランス東部に2店舗あり、今回はアヌシーにあるお店に伺いました。
アヌシーはオート=サヴォワ県に位置し、ヨーロッパで最も透明度が高いといわれるアヌシー湖があります。アヌシー湖を取り囲んでいるアルプスの山々も見ることができ、観光地として有名な街です。リヨンから2時間半ほどで行けるので、フランス校の研究生達も連休を使って遊びに行っているようです。

こちらのお店は観光の中心から少し外れた場所にありますが、湖畔から歩いて行くこともでき、周辺にはレストラン等もあります。地元の人で賑わっているような印象のある地域で、お店にも常にお客さんが入っていました。



お店のオーナーであるパトリック・アニェレ氏は2004年にアヌシーにお店を構え、2011年には世界中の著名なパティシエで組織された協会ルレ・デセールのメンバーにも選出されています。その後2012年に氏の故郷に2店舗目をオープンし、2017年には息子であるルイ・アニェレ氏と共に、フランスの大統領エマニュエル・マクロン氏のバースデーケーキも作成されたそうです。



店内にはアニェレ氏が得意とする、ボンボン・ショコラや、カカオ豆の原産地の特徴が良く出るように作成されたタブレット(板チョコ)などのチョコレートが多く並んでいます。その他にもコンフィズリー(糖菓)やアイスクリーム等の氷菓、マカロンもあります。



また、生菓子のショーケースも大きく、伺った日には約21種類の生菓子が並んでいました。生菓子はどれもアニュレ氏の個性的かつ豊かな発想で素材を組み合わされたものばかり。興味深いものがたくさんあり、選ぶのにとても悩みました。そんな中から選んだお菓子を紹介します。


左上から時計周りに

CALISSON カリソン

プロヴァンス地方特産の銘菓であるカリソンという糖菓を生菓子にアレンジしたもの。そのカリソンと同様にアーモンド、メロンのコンフィ、表面はグラス・ロワイヤルという糖衣で構成されていました。
初めて出会う生菓子のカリソン。メロンのコンフィが食感のアクセントになっていました。

VERRINE BOHNEUR ヴェリーヌ・ボヌール

底にキャラメル、ヴァニラが全体にぎっしり入ったフラン、生クリーム、アーモンドのサブレという構成で組まれています。全体が非常に滑らかで、スプーンを入れると崩れてしまうギリギリの柔らかに仕上げられていました。

PARADIS BLANC パラディ・ブラン

レモンの生地、ソース、クリーム、マスカルポーネと、ノワゼットのクルスティヤン、アーモンドの生地で構成されており、爽やかながら余韻のあるお菓子でした。それぞれのパーツの硬さも非常にバランスが良かったです。


奥から順に

GROSPIRON グロピロン

キャラメルの球体の中にはしっかりと空気を含んだ口どけの良いバナナとライムのパルフェが入っていて、お菓子をきった瞬間からその柔らかさに驚かせられました。その柔らかさと対象に、球体の下には食感のあるクランブルがありますが、どの素材もバランスよく主張していて食べやすいお菓子でした。

TARTELETTE FIGUE タルトレット・フィグ

取材した夏が旬であるイチジクのタルト。タルトの中にしっとりとしたアーモンドのクリーム、ラズベリーのジャムが入っており、その上にヴァニラのクリームとイチジクで構成されています。柔らかく薄いイチジクを綺麗に盛り付けられていてその手間が感じられるタルトでした。

OASIS オアシス

マンゴーとパッションという夏の定番の組み合わせのお菓子ですが、ライムのクリームが入っており、さっぱりと仕上げられていました。アーモンドのタルト生地の中にはココナッツのビスキュイが入っていてふんわり香ります。

NUAGE ニュアージュ

白いチョコレートで覆われたこのケーキは、フランス語で"雲"という名前。見た目もさることながら、使用されているクリームも生地も非常に軽かったです。ヴァニラとフランボワーズ、チョコレートというシンプルな組み合わせのお菓子でした。

CAKE PASSION CHOCOLAT ケック・パッション・ショコラ

中はマーブル状のパウンドケーキ、チョコレートとパッションフルーツが香ります。生地は柔らかくしっとりとしており、口どけもよかったです。

COFFRET CHOCOLATS コフレ・ショコラ

それぞれのチョコレートがアルファベット順に名前を付けられた遊び心のあるボンボン・ショコラ。26種類のチョコレートは表面の印にもそれぞれ遊び心が感じられ、一粒ずつ選びながら食べました。ミルクチョコレート、もしくはスイートチョコレートでコーティングされており、中にはガナッシュやプラリネ、マジパンなどが入っています。どれもシンプルな組み合わせでありながら、滑らかさや口溶けにこだわりを感じられました。

アヌシー湖を眺めながらケーキを頂くのは別格です。もちろんお土産にチョコレートも買ってみてください。お菓子を見るだけでも勉強になるパティスリーだと思います。是非、アヌシーまで足を延ばしてお店に伺ってみてはいかがでしょうか。

最後に、私がこのお店に興味を持った理由の一つにアニェレ氏が作成するチョコレートの作品があります。お店では、パック(公現祭)やクリスマスなどのイベント時期になると小さなチョコレートの作品が販売されています。繊細に丁寧に作られており、見るだけでワクワクする作品達に興味を持ちました。今回の訪問では紹介できず残念ですが、是非InstagramやFace bookで探してみてください。

Patrick Agnellet

住所:17Rue Centrale-Annecy-le-Vieux,74940 Annecy
電話番号:04.50.23.14.30
HP:https://www.patrickagnellet.com/
営業時間:月曜日~土曜日 8:30~19:00
日曜日 8:30~13:00
祝日 8:30~12:30