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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Olivier MUGUET(オリヴィエ・ミュゲ氏)/La Poularde(ラ・プーラルド)

フランス校教壇から

2014.08.25

マコンMacon近くに位置するラ・シャペル=ド=ガンシェLa Chapelle-de-Guinchayにある、わずか20席ほどの小さな
1ツ星レストラン「ラ・プーラルド」から、シェフのオリヴィエ・ミュゲ氏と、研修生(当時)の野上隼人君が来校されました。


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ミュゲ氏は星付きレストランでの勤務経験がないにもかかわらず、2004年に同店をオープンして以来、わずか5年で
ミシュランガイドの1ツ星を獲得されました。素材にもこだわりを持ち、鶏や鳩、乳製品は全て原産地統制呼称(A.O.C.)を
持つものを使用しているそうです。現代アートにも造詣が深く、今回の講習のために斬新な器を持参してくださいました。

お店はミュゲ氏と野上君とフランス人の若手スタッフの3人で切り盛りしているそうです。価格設定もリーズナブルで、
コースメニューの最高価格が60ユーロほど。マコンはフランス校からも比較的近い場所にあるため、学生の食べ歩きにも
おすすめです。


Ris de veau croustillant, polenta aux agrumes confits et jus de rhubarbe
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中央に見えるのはリ・ド・ヴォ(子牛の胸腺)。下ゆでしたリ・ド・ヴォを香味野菜と鶏の出し汁とともに煮込み、薄切りにして
フライパンでこんがりと焼き、火を通したルバーブ(食用の大黄)とヘーゼルナッツのみじん切りを加えます。その下には
ポレンタという、とうもろこしの粉を水で柔らかくなるまでしばらく煮て、冷やし固めて丸く抜いたものが敷かれています
(レモンの皮、ライムの皮、オレンジの皮、しょうがのせん切りをシロップで煮たものが加えられています)。ソースは、
リュバーブのジュースとエシャロットをしっかりと煮詰め、赤ワインソースと混ぜ合わせたものです。
リ・ド・ヴォの上にのっているのは、バーブの束と食用花です。


Les grenouilles et les mousserons en fine raviole, crème mousseuse
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にんにく、パセリのみじん切りとともにムニエルにしたかえるのもも肉と、エシャロットのみじん切りと一緒にオリーブ油で
ソテしたムースロン(はらたけ科のきのこ)が、ゆでたラヴィオリ(ワンタンに似た生地)に覆われています。周囲の液体は
カエルの骨でとったクリームソースで、仕上げにハンドミキサーにかけて軽い感じになっています。仕上げに上から
ヘーゼルナッツオイルが数滴かかっています。


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講習後、研修生の野上君から在校生にメッセージがありました。

「フランスでは『常に仕事は早く終わらよう』とよく注意されます。シェフの料理の技術だけでなく、毎朝自分に気さくに
声を掛けてくださる優しい人柄もとても尊敬しています。フランス校在学中は、普段のシャトーでの生活態度も
研修先の選考の際に考慮されるので、きちんとしておいた方が良いと思います。
レシピは必ず全て訳しておかないと、3セリになるとただ授業に追われるだけの生活が続くだけになってしまうので、
きちんと勉強しておきましょう。ムニュ・スペシオで料理を考える際は、素材同士の相性の良い、確かな組み合わせを
考えることが大事だと思います」
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この講習でアシスタントを務めたのは、フランス料理研究課程の佐藤博基君(左)、木佐貫友紀さん(中央)、
田村祥都君(右から二番目)でした。
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