FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

調理外来講習 M. Patrick HENRIROUX(パトリック・アンリルー氏)/Restaurant La Pyramide(レストラン・ラ・ピラミッド)

フランス校教壇から

2015.12.29

今回の外来講師は、レストラン「レストラン・ラ・ピラミッド」(『ミシュランガイド フランス』2015年版で2つ星)のシェフ、パトリック・アンリルー氏です。

このお店は、リヨンから南に70kmほど下ったところにあるヴィエンヌVienneという街にあり、「フランス料理を勉強している人なら誰でも知っている」といっても過言ではないくらい有名な老舗レストランです。フランス料理の巨匠フェルナン・ポワン氏がかつて腕を振るい、氏が亡くなった後もマダム・ポワンが店の看板を守り続けました。アンリルー氏が「ピラミッド」のシェフになったのは1989年(若干31歳!)。天才料理人と評判のアンリルー氏は今もフランス料理のメソッドを大切にしつつ、マダム・ポワンから引き継いだという「レストランの現代風改革」の姿勢を守り続けています。

今日はデザートを含む2品を披露してくださいました。

学生たちには、料理についての考え方などいろいろなことを伝えてくださいましたが、その中でも一番大切なのは、「料理からサーヴィスまで、すべてがお客様に喜んでもらうためにある、ということ」とおっしゃっていました。学生たちは熱く語るシェフの言葉に熱心に耳を傾けていました。

1品目、
Noix de coquille Saint-Jacques, Endive Mikado et Mousseux au Pain d'Epices

ホタテ貝のポワレ。そのヒモを使ったソースは、パン・デピス(香辛料と蜂蜜がたっぷり入ったパン)を合わせてサイフォンに入れ、軽いムース仕立てにしています。アクセントとして、アンディーヴという少し苦みのある野菜のソテーとオレンジを合わせています。

2品目、
Ananas <Victoria> rôti en croûte d'argil à la vanille et épices du monde, gelée Pina-colada

「ヴィクトリア」という甘みの強いパイナップルにヴァニラを刺してバターとカソナードでローストしたものを、何とバナナの皮と粘土で包み焼きにし、お客様の前で切り分けて提供するデザート。一緒にピナコラーダ(ココナッツとパイナップルジュース、ラム酒を混ぜたカクテル)のジュレを添えて。

授業の最後には、研修生の中西龍之介君が、今シャトーで頑張っている学生にメッセージをくれました。「仕事で大切な事は正確さとスピードです」。

講習のアシスタントを務めたのは、フランス料理研究課程の類家弘匡君(左端)、山田裕士君(シェフ右)、保坂英斗君(右から二番目)、佐藤真紀さん(右端)でした。お疲れさまでした。