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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Benjamin PATISSIER(バンジャマン・パティシエ氏)/La Pyramide (ラ ピラミッド)

フランス校教壇から

2018.06.20

今回の講習は、リヨンから南に30km下ったヴィエンヌという街にある老舗レストランLa Pyramide「ラ・ピラミッド」のセカンド・シェフ、Benjamin PATISSIER(バンジャマン・パティシエ)氏にお越しいただきました。

レストランの名前の由来は、ヴィエンヌが古代ローマ時代に栄えた町で、町中にローマ時代の遺跡が多く、そのうちの一つ「ピラミッド」が店のすぐ側にあり、レストランの庭からも眺めることができたことからついたと言われています。フェルナン・ポワンによって買い取られ、フランスでも指折りのレストランとして世界に知られるようになり、ポール・ボキューズ氏、トロワグロ兄弟、アラン・シャペル氏など多くの料理人が修行をしたレストランとしても有名です。

フェルナン・ポワンの死後、マダム・ポワンにより長年にわたり、『ミシュランガイド』の3つ星を維持して来ましたが、彼女の死とともに、人手に渡ることになりました。1989年にポワンの弟子であったボキューズやトロワグロの推薦を受けて当時30歳を過ぎて間もないパトリック・アンリルーによってレストランを再スタート。

1990年に1つ星、1992年に2つ星に昇格。今日まで維持し続けています。現在のメニューは、ポワン時代の面影はなく、アンリールー氏の独創的な料理で構成されて、M.O.F受章(フランス国家最優秀職人章)されたエグゼクティブ・シェフのネ氏、セカンド・シェフのパティシエ氏により料理の層が厚いことでも知られています。
パティシエ氏は2015年にM.O.Fを受章。
今回もとても丁寧に、研修生の有坂隆一さんと一緒に2品作っていただきました。

Tomate ancienne confite aux aromates vinaigre balsamique Mousseux à la rigotte fraiche de Condrieu
焼き色を付けたポレンタ(とうもろこし粉を鶏の出し汁と牛乳で炊いたもの)。Cœur de bœuf (クー・ド・ブフ)「牛の心臓」という名の種類の大きなトマトを厚めに切ったロースト。
上には山羊のミルクから出来たリゴット・フレッシュ・ド・コンドリューのチーズをベースにした、エスプーマのソース。色とりどりの花、オリーブのキャラメリゼ、お米のフライを散りばめています。

Eryngii
お店ではエリンギをグリエにしているそうですが、今回はジロール茸、プルロット茸をソテー。モリーユ茸と、マッシュルームのピュレに七面鳥のソリレス(腿のつけ根、背中側にある臀部の上肉)のコンフィの角切りとエストラゴンを混ぜたもの。Obsibleuオブシィブルーという海老のソテーと醤油と柚子ジュース、生姜、シトロネルを加えた甲殻類のソース。上からはヘーゼルナッツのキャラメリゼ、へーゼルナッツオイル、エストラゴンのパウダーをかけ、ナスタチウムの葉を飾っています。

アシスタントを担当したのは
左から中村吉輝さん、金井巧真さん、高橋和大さんでした。