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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Gilles REINHARDT (ジル・レナルト氏)/Paul BOCUSE(ポール・ボキューズ)

フランス校教壇から

2019.02.28

今回の講習は、リヨンの3つ星レストラン「ポール・ボキューズ」から、ジル・レナルト氏にお越しいただきました。昨年のポール・ボキューズ氏逝去後も、レナルト氏に2人のM.O.F(フランス最優秀職人章)をもつミュレール氏とオリヴィエ氏、そしてスタッフ全員がチーム・ボキューズとして力を合わせ、2019年度のミシュランガイドブックで3つ星を獲得しました。1965年から54年続く偉業です。
レナルト氏は2004年にM.O.F.を受章。その年からレクレール、エスコフィエ両校にボキューズ氏のアシスタントとして来校していただいており、現在はボキューズ氏を引継ぎ、講師として来ていただいています。

「ポール・ボキューズ」はフランス校の研修先でもあり、3月から研修を予定している
金本真治さんが助手を務めました。

今回もお店で長年提供されているスペシャルメニュー2品を作っていただきました。

LOUP EN CROUTE, SAUCE CHORON
すずきのパイ包み焼き。舌平目や帆立、生クリームを使った贅沢なムースをすずきの腹に絞り入れ、パイ生地で包み焼きした料理です。ソースは卵黄に香草と白ワイン酢を煮詰めたものを加え、澄ましバターで繋いだベアルネーズ・ソースにトマトを足した「ソース・ショロン」を添えます。

研究生は既に日本の講習でこの料理を学習済みですが、本家本元のみごとな作業を目の当たりにしてノートを取るのも忘れて見入っていました。レナルト氏はムースやソースの基本の話をしながら、手早く作り上げていきました。

POULARDE DE BRESSE EN VESSIE, SAUCE FLEURETTE AUX MORILLES
ブレス鶏のヴェッシー包み。
多くの高級レストランで提供される料理。ローヌ・アルプ地方特産であるブレス鶏の胸肉の皮の間に、トリュフのスライスをはさみ、ヴェッシーという牛の膀胱の中に入れ、ブイヨンの中でゆっくりと火を通した料理です。

鶏のだし汁に、白ワイン、ヴェルモット酒、生クリームを加えたクラシックなソースにアミガサ茸のポルト酒煮を添えています。

講習中、レナルト氏は何度も料理は味付けと味見が大事だと強調されていました。

最後に未来のシェフ達へ次のようなメッセージをいただきました。
「もうすぐみなさんは研修に出ますが、フランスでの経験がみなさんの料理の基礎となりますように、いい経験をしてください。料理人は大変だけど、人に喜びを与えられる素晴らしい職業です。諦めないで頑張ってください。」

講習後にはプレゼントしていただいたレストランのメニューを持ってみんなで記念写真。
まだ伺った事のない学生も行きたいと口々に言っていました。

講習のアシスタントを務めたのは、左から3月から研修予定の金本真治さん、松村仁嗣さん、中北若葉さんでした。