【独創的な料理とお菓子を披露!】調理外来講習 M.Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏) / Maison DECORET (メゾン デコレ)
今回の外来講習は、リヨンから車で2時間ほどのVichy(ヴィシー)という町のミシュランガイド1ツ星レストランMaison DECORET(メゾン・デコレ)のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏にお越しいただきました。
デコレ氏は「La Côte Saint-Jacques ラ・コート・サン=ジャック」、「Troisgros トロワグロ」、「Arpège アルページュ」、「Régis Marcon レジス・マルコン」などの有名店で勤務、1996年にM.O.F.を受章。1998年にヴィシーにレストランを開業し、2000年にミシュラン1ツ星を獲得、2008年現店に移転されました。
今回は2品作っていただきました。
Foie gras de canard grillé/Betteraves 《égyptiennes》 et vinaigrette cacaotée
まずはビーツを皮つきのまま丸ごとアルミホイルで包んで160℃のオーブンでローストします。火が通ったら皮をむき、厚みを揃えてカットし、2種類の大きさの丸い型で抜きます。くるみ油で表面を焼き、鶏ガラでとったソースを加えて照り焼きのように仕上げます。 次に生のビーツを専用の器具を使ってせん切りにし、シブレットのみじん切りとすりおろしたレモンの皮を混ぜておきます。
3種類のソースを作ります。
1つ目は生のビーツのジュースを軽く煮詰め、コーンスターチで濃度をつけて塩、こしょう、シェリー酒酢で味を調えます。そこにくるみ油を少しずつ加えながら混ぜてドレッシングを作ります。
2つ目ははちみつ、カカオパウダー、シェリー酒酢、バルサミコ酢、塩、こしょうを混ぜたものに、ハンドミキサーを使ってゆっくりとピーナッツ油を混ぜていき、乳化したソースを作ります。
3つ目は一晩水切りしたヨーグルトに塩、砕いた黒粒こしょうを合わせて香りをなじませます。
フォワ・グラはグリル板で格子模様に焼き色をつけ、塩、こしょうをふって味を調えます。
ビーツの新芽を飾りに使い、盛りつけていきます。形を変えたビーツの鮮やかな色が印象的な仕上がりになっています。
Vaporeux et crème de pastille citron/Feuilles de Meringue, Glace yaourt Vichy
次はパスティーユ・ドゥ・ヴィシーを使ったレストランデザートです。パスティーユ・ドゥ・ヴィシーとは、優しい甘さとさわやかさが楽しめるミントタブレットです。スーパーでも簡単に手に入り、フランスでは人気のお菓子です。誕生してから今年でちょうど200年ということでヴィシーの街も盛り上がっていますが、レストランでもそれを記念したデザートを提供しています。
まずはパスティーユ・ドゥ・ヴィシー風味のクリームを作ります。卵黄にパウダー状にしたパスティーユ・ドゥ・ヴィシーとグラニュー糖を加えてすり混ぜ、そこに温めた牛乳と生クリームを加えてなじませます。鍋に戻してもう一度全体を温めていき、卵黄が固まらないように火を通します。ゼラチンを加えて裏濾ししたら、冷たいバターを加えてハンドミキサーで溶かしこんでいき、均一な状態になったら冷まします。
次にアーモンド風味のスポンジ生地を作ります。アーモンドパウダー、粉糖、卵黄、小麦粉を混ぜ合わせ、溶かしバターを加えます。そこに別に泡立てておいたメレンゲに、すりおろしたレモンの皮を加えたものを混ぜ合わせて生地を作り、1cm高さのオーブンプレートに流してオーブンで焼き上げます。
次にメレンゲのシートを作ります。卵白とグラニュー糖を泡立ててきめ細かいメレンゲを作り、2~3mmほどの厚さのシート状にのばし、低温のオーブンで乾燥させるように焼いていきます。
つけ合わせのいちごはサイコロの形にカットし、グラニュー糖とバルサミコ酢でソテーしたものと生のものを併せておきます。また、ヨーグルト、グラニュー糖、フロマージュブラン、生クリーム、牛乳を混ぜ合わせて冷やし固めたヨーグルトのアイスクリームを準備します。それぞれを組み立てて盛りつけをします。夏にぴったりのさわやかな味わいに加えて、メレンゲを崩しながら食べ進めていくドキドキ感もあり、レストランデザートならではの楽しみ方が出来る一皿です。
講習後は、現在お世話になっている研修生がお店の紹介や研究生からの色々な質問に答えてくれました!
最後に、アシスタントを務めてくれた研究生と記念撮影です!


