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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏)/Maison DECORET(メゾン・デコレ)

フランス校教壇から

2018.02.09

今回の講習はヴィシーVichyにある1ツ星レストラン「メゾン・デコレ」のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏です。
1996年にフランス最優秀職人章(M.O.F.)を受章。
毎期レクレール、エスコフィエ両校で講習を行ってくださり、また研修先として学生を受け入れていただいています。
1998年にご自身のお店をオープンしてから20年になるそうですが、料理を生み出す想像力がとても豊かで、味もさることながら盛り付けの美しさは見る人の心を引き付けます。


Poulette du Bourbonnais poêlée et pochée dans un lait parfumé de champicèpes
ブルボン産鶏のポワレとポシェ、セップ茸とマッシュルーム風味のミルクソース添え。
ヴィシーに近いブルボン産鶏の料理です。
胸肉は低温でしっとりと焼き、もも肉は骨を外しロールにして、蒸し煮で柔らかくなるまで火を通した後、それぞれ仕上げに皮をパリっと焼き上げます。
どちらの部位もそれぞれに合った美味しい火通しで食べてもらいたいという思いから、考えられた調理法です。
付け合わせはさっと火を通したものと生のもの2種類を楽しめるほうれん草。
ソースは土地の食材セップ茸に、その個性的な香りを和らげるためにマッシュルームをプラスして、セップ茸の戻し汁で煮込み、ピュレにした後、牛乳と泡立てた生クリームを加えた香り高いクリーミーなソースです。


Servie dans sa coquille, un trompe l'œil d'une Noix de Saint-Jacques
Jus de céleri beurré
帆立貝を小さな角切りにし、レモン風味のオリーブ油をベースにレモンの皮、セロリのジュース、を加えたソースで絡め、食感を良くするためにクルトンを加えます。
ヘーゼルナッツオイル風味の薄く切った根セロリをセルクルに貼り付け、詰め物を入れ、根セロリの薄切りで蓋をし、薄く焼いたレモンと唐辛子の風味のチュイルをのせます。
周りには酸味の効いたケイパーの酢漬けとそれをフライにしたものを添えています。
料理のタイトルに「トロンプ・ルイユtrompe l'œil」とあるのは「見た目をだます」という意味で、根セロリを巻いた詰め物を帆立貝の殻の上に盛り付けることにより、大きな帆立貝があるように見えるという、視覚から驚かせる1品です。

今日の講習はムニュ・スペシオ試作の時期ということもあり、学生にとっては一瞬たりとも目を離すことが出来ない内容でした。
「どのように料理をイメージされるか?」「料理を作ってきて、若い時と今では考え方に違いがありますか?」など学生からの沢山の質問に対し、デコレ氏は一つ一つ丁寧に答えてくださいました。
土地の材料、クラシックな料理、お客様の食べる姿を想像することを大切にされているそうです。また、現場ならではのテクニックを間近で見ることができ、学校できちんと勉強していくこと、その上でどうすれば最短で仕事をすることが出来るのかなどのご意見を頂き、とても有意義な時間になりました。

本日の在校生アシスタントは、
左から古川舞祐さん、KANG HOSEOK君、菊地康二朗君でした。