【白ワインの産地、フュイッセのお店から】 M.Sébastien CHAMBRU (セバスチャン・シャンブリュ) / L'O des Vignes
今回外来講習に来ていただいたシェフは、ブルゴーニュ地方でも良質な白ワインを産出すことで知られるフュイッセという村にあるレストランのM.Sébastien CHAMBRU (セバスチャン・シャンブリュ)氏です。
シャンブリュ氏は、日本を含む海外のレストランや、南仏、リヨンの数々の名店でシェフを務めたキャリアの持ち主で、2007年にM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章した実力派です。2013年に「友人同士で集まることのできる田舎のビストロ」をイメージした現在のお店を開業しました。ミシュランガイド1ツ星を獲得しているガストロノミーの店舗のほかに、ワインを飲みながら地元に根付いた料理を楽しめるトラディショナルなワインバースタイルのビストロもあります。また、シャンブリュ氏の趣味である葉巻たばこを楽しめる喫煙所もあり、その隣には出版物などを購入できるブティックも併設されています。
今回はサルシフィという西洋ゴボウを使用した前菜と、子羊と牡蠣を合わせたメイン料理の2品を作っていただきました。
『Salsifi cuit au jus, fromage d'alpage et truffe noir』
まず前菜の料理ですが、サルシフィを軽くスポンジでこすり洗いし、皮をむき、フォン・ド・ヴォの中で蒸し煮にします。
サルシフィは皮をむくとすぐに変色してしまうのですぐに調理しなければいけません。ソースは焼いた牛肉とエシャロット、赤ワインを煮詰めてフォン・ド・ヴォを加え、さらに煮詰めた「牛肉の赤ワイン煮込み」の様な濃厚な赤ワインソースです。このソースに蒸し煮にしたサルシフィを絡めて仕上げます。その上にスライスしたトリュフ、スイスのモン・ヴュリーというハード系のチーズをエコノムで削ったものを並べてバーナーであぶり、香草のオイルを回しかけて完成です。野菜がメインの1品ですが、濃厚な赤ワインソースやチーズの動物性の旨味があるので満足できる1品です。
『côte d'agneau du Bourbonnais, jus iodé, betterave』
次に子羊と牡蠣を合わせたメイン料理です。山の食材と海の食材をあわせるという驚きの1品です。まず牡蠣から出るジュースで子羊のコートレットをマリネします。牡蠣に含まれる塩分で子羊に塩味をいれていくイメージです。
ソースは子羊の端肉や骨でジュ(ソース)をとります。ジュをとる際、香味野菜を入れることが多いですが、シェフは子羊(メインの素材)の味を強く感じさせたいので香味野菜は必要ないとおっしゃっていました。仕上げに細かく切った牡蠣を加えて完成になります。つけ合わせはビーツを皮つきでローストしてパン粉を付けて焼いたものと、角切りにしてマスタードで和えたものと、さっと焼いて火を通した牡蠣とマーシュです。
ソースの作り方が学校と違ったり、珍しい食材の組み合わせがあったりしてとても面白いなと感じました。
最後にアシスタントの研究生と研修生で記念撮影を行いました。


