【フランスならではの旬の素材を使って】製菓外来講習 M.Tony FERNANDES(トニー・フェルナンデス氏) / Maison Pignol Lyon(メゾン・ピニョル・リヨン)
今期初の外来講習にお越しいただいたのはトニー・フェルナンデス氏です。
トニー・フェルナンデス氏はリヨンにあるメゾン・ピニョルのシェフパティシエを務められています。メゾン・ピニョルは1954年創業の父から息子へと受け継がれる家族経営で、父のJean Paul PIGNOL(ジャン・ポール・ピニョル氏)はM.O.Fを取得されています。
ベルクール広場のすぐ隣にある店舗が1号店で、お店はとても広く、お惣菜なども扱っており2階席ではブランチをいただくこともできます。
前期よりフランス校の講習に来てくださっています。よろしければ前回のブログもご覧ください。
https://www.tsuji.ac.jp/college/france/blog/seikatu/_mtony_fernandes_maison_pignol_lyon.html
Granola Rhubarbe
ナッツ類、オートミール等を混ぜ合わせて土台にした自家製グラノーラにフロマージュ・ブランとマスカルポーネを加えたクリーム、ルバーブのジャム、火を通したルバーブを乗せ最後にローストしたアーモンドを飾ったケーキです。
皆さん、今回のメイン食材となる"ルバーブ"をご存知でしょうか。
Rhubarbe(ルバーブ)とは、部類分けすると果物ではなく野菜です。生で食べるとかなり酸味が強いのが特徴ですが、砂糖と一緒に火を入れると一気に美味しくなります。日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパでは昔からジャムやゼリーなどにしてよく食べられています。食べる部位は茎で、葉の部分にはアクの素といわれるシュウ酸を多く含むため食べません。ルバーブの旬はちょうど今くらいの時期、5月~7月で、フランスでは特に苺と組み合わせたケーキをよく見かけます。
まずはこのルバーブを使ってジャムを作ります。ルバーブは食物繊維がたっぷりなので火を入れても、繊維が残るため、ルバーブの食感をしっかり感じることができます。今回使用したルバーブはまだ若く、緑色でしたが成長が進むとピンク色が増えていくよと教えていただきました!
飾り用のルバーブはシロップで荷崩れしないように火を通していきます。
土台となったのは自家製グラノーラです。アーモンド、ペカンナッツ、ノワゼットにオートミール、ヒマワリの種やカボチャの種、そばの種、亜麻仁種を混ぜ、砂糖類と少量の卵白を加え、形を作っていきます。最後にオーブンで数分焼成しました。一般的なケーキには必ずと言っていいほど小麦粉が使われていますが、今回は身体にも良い食材を使い、さらにグルテンフリーにしていると仰っていました。混ぜるだけで美味しく簡単に作ることができるレシピを知ることができ、"こんな簡単にできるんだ!"と研究生もとても驚いていました。
アシスタントを務めた2人の研究生もシェフに丁寧に教えてもらいながら一緒にパーツの作成と仕上げを行っていきます!
"リヨンでおすすめのケーキ屋さんはどこですか?"
"休日は何をされていますか?"
"何歳ですか?"
他の研究生もフランス語で一生懸命質問をして、和気あいあいと講習が行われていました。
シェフは、なんと・・・32歳!32歳という若さで既にリヨンの伝統的なパティスリーのシェフをされているのは本当にすごいですね!
最後に生クリームにフロマージュ・ブラン、マスカルポーネを混ぜ、レモンの皮を入れたさっぱりとしたクリームを絞り、ルバーブを飾れば完成です。いろいろなナッツのザクザクとした食感に、ルバーブの酸味がアクセントになり爽やかな春を感じられるケーキです。
研究生からコメント
『リヨンで長く続くお店のシェフが来られると聞き緊張しましたが、フランス語でコミュニケーションを取る良い機会になりました。シェフの作業は素早く丁寧だったのに対し、自分でやってみると思い通りにいかず、良く観察することが大事だと感じました。また、日本では馴染みの少ないルバーブやグラノーラを固めたものをお菓子の土台に使用することが新鮮でした。貴重な機会をいただけたので今後の実習に生かしていきたいです。』
『初めての外来講習でアシスタントを務め、緊張しながらも丁寧に作業することを意識して取り組みました。シェフの流れるような作業を見て、普段先生に言われている「丁寧さと速さの両立」の大切さを感じました。秋からのスタージュを想像すると緊張しますが、フランス語や段取りを考える力を伸ばし、今日の学びを無駄にしないようにしたいです。』
Merci ! M.FERNANDES !