毎日新聞「美食地質学」第31講 3億年前の変動と丹波篠山 ―黒枝豆、栗、山芋、ゴボウ、米
2025年11月4日(火)刊行の『毎日新聞・夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。
第31講のテーマは「3億年前の変動と丹波篠山 黒枝豆、栗、山芋、ゴボウ、米」。
兵庫県丹波篠山の秋は、うまいものがてんこ盛りです! どうしてこんなに多く良質の食材がとれるのでしょう。その理由は、"3億年前の地球変動"にあるそう。実りの秋の絶品料理をいただきながら、地球規模の壮大な味の旅路に思いを馳せる回となりました。
>毎日新聞「美食地質学」第31講 3億年前の変動と丹波篠山 ―黒枝豆、栗、山芋、ゴボウ、米
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対談は、辻調理師専門学校の日本料理・湯川徳之先生が担当しました。

料理の担当は、松島愛先生です。前回(30講)に続き、普段は対談をおこなっている先生がチェンジして、料理の腕をふるう回でした。
松島先生はずいぶん前からウキウキしていましたよ笑
なんだか楽しそうな先生たち。それもそのはず。
丹波篠山の秋の食材づくし!
中央にある大粒の栗は、丹波栗の代名詞「銀寄」です。黒豆は、サヤ付きの黒枝豆まで。石のように見えるのが濃い味のつくね芋で、葉付きの立派なごぼうは「住山ごぼう」という名の地域ブランド品。米はコシヒカリ「丹波ささ山っ娘」です。他には篠山茶、黒豆こんにゃくなど。
こんなにもたくさん秋の味覚を揃えられたのは、丹波篠山のご協力があったためです。
「JA丹波ささやま」をはじめとする丹波篠山の職員のみなさま、生産者の皆様、本当にありがとうございました。
今回の対談に先駆けて、湯川先生と松島先生は、丹波篠山の現地を訪れたそう。ちょうど「丹波篠山 味まつり」の時です。
里山の魅力を伝えなくてはという使命感にかられ、産地の方からおすすめされた食材を「全部使いました!(松島先生)」とのこと。
料理はこちら!
手前にあるのが、「丹波篠山の恵み」と名付けられた八寸。
黒枝豆の白和え・銀寄の蜜煮・牛もも肉のやわらか煮・黒豆の醤油蜜煮・篠山茶きのこ浸し・つくね芋チップスというラインナップ。
次は田楽。黒豆こんにゃく、豆腐の田楽、つくね芋の香り揚げの三種類。田楽味噌には、丹波黒豆味噌が使われており、粒々した食感が面白い。香り揚げの蓑の部分は栗のシュレッドで、生地はシンプルにつくね芋をつぶしただけなんですって。ほくほく。
ご飯物は丹波黒枝豆ご飯。そして最後は甘味まで登場。
蒸して漉しただけなのにほのかに甘い栗粉と、きな粉と、丹波黒豆蜜煮をのせたわらび餅に、黒蜜をたっぷりかけていただく一品。

今回のバックヤードを少しだけご紹介します。
トレーニングをかねて、若いTA(ティーチング・アシスタント)が2人協力してくれたので、なんだかにぎやかでした笑
髙見瞬さん、平尾凛さん、ありがとうございました。

本物のいが栗にしか見えないけど、茶そうめんで作った「見立て」なんですって!
音部暖菜先生と、調理中の記念の一枚笑

左は料理、右は本当のいが栗。
模して作って季節を感じさせるのは、日本料理の遊びごころですね。
ちなみに今回のお酒は、兵庫県丹波市にある山名酒造株式会社が誇る看板ブランド「奥丹波 純米酒」を合わせました。
メイドイン丹波の逸品です。
今回の内容は、毎日新聞のデジタル版でもご覧いただけるので、ぜひお目通しください。
次回の『美食地質学』は、12月2日(火)の毎日新聞夕刊で掲載予定です。お楽しみに。


