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毎日新聞「美食地質学」第37講 三輪山と王権祭祀

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美食地質学入門

2026.06.04

2026年6月3日(火)刊行の『毎日新聞 夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。

第37講のテーマは「三輪山と王権祭祀 歴史と気候変動、つなぐ糸」です。
奈良盆地でうまれたヤマト王権は、三輪山をあがめ、国家祭祀をおこなうようになりました。その背景には疫病の大流行があったと古書には記されています。それを巽先生が科学的に解き明かす回です。

毎日新聞「美食地質学」第37講 三輪山と王権祭祀 歴史と気候変動、つなぐ糸
https://mainichi.jp/articles/20260602/dde/012/070/003000c(※閲覧には会員登録が必要です)

対談と料理を担当したのは、辻調理師専門学校 日本料理の竹本正勝先生。
先生が手にしているのは、奈良県桜井市にある奈良食品株式会社さんの「戎はるさめ」です。国内で唯一、天日干し製法で作られているそう。

今回の料理は、『古事記』に記された活玉依姫と大物主大神の説話に着想を得たもの。活玉依姫のもとを毎夜訪れる若者の正体を探るため、姫の両親が衣の裾に麻糸を付けさせ、その糸をたどると三輪山に至ったという物語です。糸巻きが三巻き(三勾)残っていたことから、この地を「三輪(美和)」と呼ぶようになったとも伝えられています。

竹本先生はこの「糸」の説話にちなみ、太くもちもちとした戎はるさめを用いた冷製の苧環蒸し(おだまきむし)を考案しました。本来はうどんを使う料理ですが、春雨ならではの食感と、意外なことに香りがあるのも新鮮で、冷たく仕立てた卵生地も初夏にぴったりの味わいです。

今回の料理の全体像はこちら。

続いて登場したのは、鮎の変わり塩焼き。鮎を山椒の香りをまとわせたコンフィにしてから香ばしく焼き上げた一品です。
添えられたのは、竹本先生オリジナルの「紅たで酢」。すり潰した紅たでに酒と酢を合わせたもので、酢には奈良県橿原市にあるミヅホ株式会社さんの純米酢を使用しました。吉野杉の大桶で三か月以上かけて静置発酵させた酢は、芳醇な香りをもち、料理に奥行きを与えています。


川魚独特の盛り方、クラシックですね。

3品目は「美酒鍋風塩すき焼き」。竹本先生の出身地の名物である美酒鍋から着想を得た料理です。美酒鍋は日本酒と塩、胡椒で具を炒め煮にする料理ですが、今回は味の濃い大和地鶏を用い、たっぷりの酒にみりんや砂糖などの甘みを加えて仕立てました。醤油を使わずとも、どこかすき焼きを思わせる味わいに。仕上げに挽きたての胡椒を添えて。後味は軽やかで、箸が進みます。

具には大和真菜やきのこ類を使用。
大和真菜は、奥野ファーム大和さんにご手配いただきました。

良く煮込まれた玉ねぎからも、自然な甘みが出るのかも!
鍋から立ちのぼる湯気は迫力満点。

お酒は奈良の酒蔵・長龍酒造さんの純米酒です。
フルーティーな香りが心地よく、料理との相性も抜群です。

助手は、堀井翔先生と髙木杏菜先生が担当してくれました。

今回の対談では、疫病や社会不安をはじめとする歴史上の出来事と気候変動との関わりについて、考古学と地球科学の両面から迫りました。巽先生が提唱してきた仮説を裏づける証拠が示されると、思わず「なるほど」と声が漏れ、一同が膝を打つ場面もありました。

今回の内容は、『毎日新聞』夕刊、あるいはデジタル版で掲載されています。ぜひご覧ください。


次回は、7月7日(火)の『毎日新聞』夕刊で掲載予定です。お楽しみに。