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料理のチカラプロジェクト

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「地方・都市・世界を繋ぐガストロノミーと教育を考えるシンポジウム」開催報告

SDGs

2017.01.26

去る1月21日(土)に東京大学・中島董一郎記念ホールにて
「地方・都市・世界を繋ぐガストロノミーと教育を考えるシンポジウム」
開催いたしました。







2016年12月に内閣府知的財産戦略推進事務局が募集する「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」

に、株式会社辻料理教育研究所(辻調グループ)から申請したプロジェクトが採択され、
その一環としてシンポジウムを行いました。


辻調理師専門学校、エコール 辻 大阪、エコール 辻 東京が、
「食」「農」「観光」、そして「地方」「都市」「世界」の教育研究拠点と連携することで、
その拠点連携の在り方を検証しつつ、食分野における日本の国際発信力強化に取組むプロジェクト
となります。




辻調グループからは、辻静雄料理教育研究所所長 八木尚子先生が登壇しました。

当日は100名越える大勢のみなさまが来場され、改めて本シンポジウムのテーマへの
注目度の高さを実感いたしました。



第1部:基調講演
辻静雄料理教育研究所 八木尚子先生による、「Cool Japanとガストロノミーマニフェスト」について、
NPO法人日本ジビエ振興協議会理事長 藤木徳彦氏による、「ジビエによる食の原点回帰」について、
鹿児島県知事 三反園訓氏による「地域創生と地域教育」について講演が行われました。


▲藤木徳彦氏 (NPO法人日本ジビエ振興協議会理事長)





▲三反園訓氏(鹿児島県知事)





▲八木尚子(辻静雄料理教育研究所所長)




八木尚子先生の講演では、以下のような内容の話がありました。
一般的にガストロノミーとは、「美食学」「美食術」と訳されます。
社会の変化に応じて、ガストロノミーの意味も変化し、現在では、人によって、場面によって、
多様な使い方をされています。



1973年に発表された、「ヌーヴェル・キュイジーヌ・フランセーズ(新フランス料理)の10ヶ条」

2004年に発表された、「新北欧料理の10ヶ条」に触れながら、日本版の新たなガストロノミーマニフェスト
の策定についてお話しました。




第2部:パネルディスカッション
≪パネルディスカッション登壇者≫
藤木徳彦氏(NPO日本ジビエ振興協議会理事長)
亀岡孝治氏(三重大学大学院生物資源学研究科資源循環学専攻教授)
二宮正士氏(東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構副機構長)
八木尚子 (辻静雄料理教育研究所(辻調グループ)所長)
☆ファシリテータ 小林哲氏(大阪市立大学経営学研究科準教授)





パネルディスカッションでは、「地方、都市、世界を繋ぐガストロノミーと教育」

テーマに、5名のパネリストが、いかに豊かなガストロノミーを構築し、さらに持続可能な食へと展開するために
何が必要かについて討論を展開しました。



東京大学の二宮氏は、「持続的に力・エネルギー・水をいかに担保するか、
20世紀はいかに食料をたくさん作るかだったが、今後はどうやって作り出すか、バランスをとることが求められる。
例えば、牛肉を作るのに大量に穀物が必要など世界中の食が豊かになった、食べ物が変わった。
持続性を考えた食事が日本には必要である。」


▲二宮正士氏(東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構副機構長)





三重大学の亀岡氏は、「食、農、環境においていかにそれぞれがつながり、情報を共有し、
研究ネットワーク拠点と今後次のステージにいかに展開していくかが大事だ。


▲亀岡孝治氏(三重大学大学院生物資源学研究科資源循環学専攻教授)




NPO日本ジビエ振興協議会の藤木氏は、「ジビエを害獣から益獣へしていくにはどうすればいいのか。
いいところだけを使うのではなく、いかに様々なジビエを使うか、例えばジビエの品質が分かる指標などを設けてはどうか







辻静雄料理教育研究所の八木は、「食に関する研究視野を広げてすすめていき、情報のネットワーク化の推進を。」

とコメント。






その後の質疑応答でも、参加者からの活発な意見がありました。


▲小林哲氏(大阪市立大学経営学研究科準教授)




最後に大阪市立大学の小林氏より、

地方、都市、世界、そして食、農、環境の情報ネットワークのシステム化、そして
いかにそれらを教育に反映させるかが大事」とあり、今後の教育のさらなる可能性を提案する開催内容となりました。