「日本料理本科!授業一日目は包丁研ぎです!」日本料理だけを学ぶ辻調! 日本料理本科のブログ1
今日は日本料理本科学生の入学後、はじめての授業「日本料理実習」について投稿します!
日本料理をつくるには基本となる3本の包丁が必要です。
向かって左側から刺身包丁、出刃包丁、薄刃包丁ですがそれぞれ役割があります。
刺身包丁は刺身を引くほか出来上がった料理を切り分ける。
出刃包丁は主に魚介、獣肉・鶏肉類を卸したり骨を叩いたりするのに用います。
薄刃包丁は主に野菜を扱うためのもの。
今日、実習初日はこの薄刃包丁を研ぐことからスタートしますよ。
薄刃包丁の特徴は刃先のそりがなく、まな板に均等にあたるようになっていて、
しかも幅広なので野菜などを刻みやすいのです。
授業は当日だけではなく自宅などで事前学習を行います!
包丁研ぎ、切り方、魚の卸し方など学科オリジナル動画が約200本あります。
今回の事前学習はまず薄刃包丁の研ぎ方動画を視聴したあと
パソコン上で薄刃包丁を研ぐときのポイント(姿勢、包丁の動かし方など)を書き出します。
ポイントがわかっていれば授業当日はスムーズに包丁を研ぐことができるのです。
そして授業当日は1から学ぶのではなく、事前に学んだポイント箇所を実践する場となります。
授業は180分間、今日はこのスケジュールでやっていきますよ!
学生挨拶の後は授業担当、松島先生からひと言、ふた言!
「今日がはじめての実習ですが、さっそく包丁を扱います、ケガをしないよう気を付けましょう」
ハイ!
包丁を研ぐ前に「包丁の部位の名前を覚えましょう!」
松島先生、お得意のイラストで説明!
学生も真剣な表情で聞いています。
包丁の部位の名前は暗記しよう。他の包丁も同様ですよ!
包丁研ぎの前に事前学習でパソコンに各自が書き込んできた「ポイント箇所」をクラスメイトと確認します!
「目線は砥石の真ん中だよね?」
「そのとき腰をしっかり曲げてひじに余裕を持たせるだったよね」そうそう
「足の位置は肩幅に開き右足だけ1歩下げるだった?」
「半歩じゃなかった?」
先生に確認しよう。
ポイント箇所の確認が終わればテーブルには新品の薄刃包丁、砥石と準備完了!
まずは先生の指導なしで動画でのポイントを思い出しながら各自で研いでみよう!
自分で考える力を養おう!
はじめての包丁研ぎ、みんな不安そうに研ぎ始めてます

ここで松島先生からチエックが入ります!
「包丁の切っ先あたりを押さえる指がしっかりと握れていないね」
これくらいしっかり人差し指と中指も閉じよう。
そう!それくらいしっかり人差し指、中指を閉じて指を立てるようにすると
はい
先生!なぜ指はしっかりと閉じて立てるようにしないといけないのですか?
包丁を上下に動かすとき指が滑って刃先が指にあたり大けがをするからです これは痛いね
そうなんや、ケガを避けるためなのですね。了解!
こちらの学生も松島チェックが入ります!
「包丁が半分、砥石からはみだしてるで!」
「包丁は砥石の上を上下動かすときは、いつも刃先から刃元まで全部が砥石から、
はみ出さないように研がないと均一に切れ味の良い刃がつかないで!」✖✖
そうそう
その調子でお願いしますよ!
包丁を研ぐときの正しい姿勢、包丁の動かし方には理にかなった理由があります!
そして正しい姿勢は所作も美しく見えるのです。
最後は松島先生から今日みんなができていた点、できていなかった点を振り返ります!
「今日うまくできなかった人も大丈夫!まだまだ練習できますよ」
授業後半は大根を使って刻み方の初練習です。
包丁研ぎ同様に学生は事前学習してきました。動画で包丁の握り型、動かし方を予習済み!
そして全員がポイントと思うことをパソコン上で書き出しています。
まずはクラスメイトと意見を出し合います。
こちらのテーブルでは再度動画を見返します。
「足の位置は包丁研ぎと同じだったっけ?」
「私も忘れた!もう一度、確認、確認」
ところでみなさん薄刃包丁は「片刃」って知っていましたか?
先生!知りません!
詳しく教えてください。
包丁には片側だけに切刃がついた「片刃」と両側に切刃がついた「両刃」があります。
家庭用の包丁はほとんど両刃です!それを想像してみてください。
材料の形を揃えて細かく切ることや、切り口の美しさを尊ぶ日本料理の包丁は片刃のものが多いのです。
これは両刃より片刃の方が材料を薄く切ったりむいたりでき、切り口が鋭くきれいに仕上がるためです。
しかし片刃なので厚みのある材料を切る場合は、
刃先を少し外に向けるようにして切らないと、まっすぐに切ることができません。
なれるまで練習が必要ですよ。
学生が切るとこうなりました(笑)
全部斜めやん✖✖
しかし刃先を少し外に向けるようにして切れば、まっすぐ切れますよ
次は薄刃包丁の持ち方についてです!
基本「握り型」で持ちます。
まず親指と人差し指で持ちます。
次に中指、薬指、小指を添えると握り型になりますよ~簡単だ
そして野菜を切るときは「突き切り」と言って包丁の刃先が同時にまな板につくように動かします。
これが基本の切り方!覚えといてね!
ここで松島先生が突き切りのお手本を見せま~す。
では初めての「突き切り」まずはやってみましょうかね。
学生が初挑戦!こんな感じです

2人とも最初にしては


すぐに慣れてリズムよく切れるようになりますよ!
オッ気がつけばまもなく180分の授業が終了!
使い終わった包丁はサビないように磨きます!
学生が使う包丁は刃物鋼(はものはがね)を鉄に張り合わせたものです!
毎回磨き、水分をよくふき取らないとサビがでます✖✖
包丁を大切にすることも料理人にとって大事な仕事ですよ。
松島先生が包丁をさやにシャキンと収めたところで本日の授業は修了!
「次回は刺身包丁、出刃包丁を研ぐよ!動画しっかり観といて」
おつかれさまでした!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。