未来のパティシエが提案!ワクワクする"理想の製菓店"づくり
みなさん、こんにちは。
気が付けばもう2月。卒業・進級・就職と、心が少しそわそわする季節になりました。
この時期は、お世話になった人へお菓子を渡す機会も増えますよね。
美味しくて、安心して食べられるお菓子やパンをつくる土台は、
「つくる人が健康であること」だと私は考えています。
どれだけ技術があっても、つくり手が疲れ切っていたり、
ケガのリスクが高い環境では、本当に良いものは生まれませんよね。
卒業後も、学生たちが元気に、長く活躍できるように・・・
本校の公衆衛生学では、"つくり手の健康を守る"という視点を取り入れた授業も行っています。
働く環境や心身の健康まで視野に入れた学びは、未来のパティシエとして大きな力になります。
☆ 授業の様子
製菓の現場には、オーブンやミキサーなどの大きな機械、熱い天板、滑りやすい床など、
ちょっとした不注意がケガにつながる場面があります。
さらに、長時間の立ち仕事や繁忙期の疲れなど、働く人の体に大きな負担がかかることもあります。
こうした状態を「当たり前」にしてしまえば、現場の負担は増えるばかり。
おいしいお菓子を生み出しているのは機械ではなく、そこで働く人の健康な体と集中力です。
だからこそ、働き手を守る工夫や環境づくりが欠かせません。
授業を通して学生たちは、
• ケガや病気を防ぐためにどんな職場づくりができるか
• 毎日気持ちよく働けるようにどんな工夫があると良いか
など、実習やアルバイト先での経験、企業の取り組みも参考にしながら、
自分たちなりの考えをまとめています。
本校では、知識を覚えるだけでなく、
学んだ内容を"現場でどう活かすか"まで考える学びを大切にしています。
(グループワーク)
教室のあちこちで真剣な話し合いが始まりました。
来週は「従業員が健康的に働ける製菓店」をテーマにしたグループ発表が控えています。
働く人の"心"に寄り添うアイデアを丁寧にまとめるグループ、
アルバイト先の経験をヒントに休憩室の工夫を考えるグループなど、視点はさまざま。
「職場が快適に越したことはないけれど、実際の現場はこんなに甘くない...」
そんな現実とのギャップに悩む学生もいました。
多様な視点が集まることで学びが深まり、発表当日の豊かな内容につながっていきます。
☆ 学生たちが生み出した「労働者が健康的に働ける製菓店」のアイデア
発表当日。
どの班も、現場のリアルを踏まえた魅力的な提案を発表してくれました。
1. 安全に働ける環境づくり
厨房では転倒、火傷だけでなく、腱鞘炎や腰痛といった病気のリスクもあります。
学生たちはこれらを未然に防ぐために、「危険が起こりにくい環境」や
「誰もが安全な行動ができるしくみ」についての提案をしていました。

提案の中には、安全な環境を"見える化"したり、点検や教育の徹底など、
継続できる仕組みまで考えられていました。
「安全は個人の注意ではなく、仕組みで守る」という視点が育っています。
2. 働く人の心と体を支える仕組み
学生たちは、安全だけでなく、心身ともに無理なく働き続けられる快適職場づくりにも目を向けていました。
「快適性」と聞くと"居心地の良さ"を想像しがちですが、
快適職場づくりが目指すのは、疲労やストレスを減らし、働きやすさを高める環境です。

学生たちは、心のケア・休息の質・働き方のバランスなど、
授業を通して大切だと感じたポイントを丁寧に取り入れていました。
☆ 気づき
今回の発表を通して、これらの取り組みがケガや病気の予防だけでなく、
持続可能な製菓店の経営にとっても重要であることに気づいた学生が多くいました。
"寄り添うこと=甘やかすこと"ではなく、"お店の力を引き出す土台づくり"である
という視点に気づけたのは、大きな成果です。
☆ 最後に
学生たちの発表からは、「働く人を大切にするお店をつくりたい」という前向きな姿勢が強く感じられました。
理想と現実の間で悩みながらも、どうすれば無理なく働き続けられるのか、
どうすればおいしいお菓子を安心して届けられるのか。
一つひとつの提案に、未来のパティシエとしての視点がしっかり育っていることが伝わってきます。
今回の発表は、単に"良いアイデアを出す"だけでなく、
現場で働く人の姿を想像し、自分たちの学びをどう活かすかを考える時間でもありました。
こうした経験が、卒業後の現場での判断力や気づきにつながっていくはずです。
これから社会に羽ばたく学生たちが、自分自身の健康を大切にしながら、
周りの人にも優しい職場づくりができるパティシエへと成長していくことを願っています。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 食生活と健康・公衆衛生学 担当
藤垣 絵美
子どもの影響で電車の魅力にすっかりはまっています。
家族の誕生日には、みんなで電車旅を楽しむのがわが家の恒例です


