FRANCE

辻調グループ フランス校

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沼田 恵梨子さん  研修先: 「La Table Saint Crescent」

研修生レポート

2012.12.03

沼田 恵梨子さん
NUMATA Eriko
兵庫・神戸松蔭女子学院大学 卒業
辻調理師専門学校 調理師本科 卒業
2012年春コース エスコフィエ校 フランス料理研究課程
研修先:「La Table Saint Crescent」

今回の研修生レポートはフランス南西部、バルセロナに向かう途中の主要都市であるナルボンヌから。
ローマ時代の面影を色濃く残す中世の町にあるレストラン
「ラ・ターブル・サン・クレッソンLa Table Saint Crescent」は
8世紀の古い修道院を改装したすばらしい雰囲気のお店。
地元の食材をつかったクリエイティブな料理が評判です。
200名の団体客も収容可能な大規模なレストランで結婚式の企画なども人気を呼んでいます。
そんな店で研修中の沼田さんから、約1ヵ月半が過ぎた現在の状況をレポートしてもらいました。

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(左)いつも元気いっぱい!がんばってます!
(右)古い修道院を改装した雰囲気のあるレストラン内観

「辻調からの初研修生。よしやってやろう!!」
私は辻調グループフランス校の学生として、はじめてこのお店で研修することになりました。
着いた日、そのまままず厨房に連れていかれました。
チラチラ見られてる中、皆さんに向かって叫んでみました。

「Bonjour!Je m'appelle Eriko NUMATA!Appelez moi Eri!」
(ボンジュール!私の名前は沼田恵理子です!えりって呼んでください!)
「Je suis stagiaire japonaise!」(日本人の研修生です!)

私よりたぶんお店の皆さんの方がはじめ気まずいですから、
私から行くかないと!と思ってたのでTGVでイメトレしてました。
あと2~3フレーズくらい考えてたのに、その時は出てきませんでした!

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(左)同僚のジュリアンがいろいろ教えてくれます。
(右)厨房はこんな感じです。通路が狭い!!

「自分で環境をつくる」
研修の最初からシェフはとても私の事を気にかけてくださっていて、
部署担当のジュリアンに、いつも「えりこに次の仕事を!」と言ってくれていました。
当然ですがお店の人は始めは私がどこまで料理を知ってるか、出来るのかを知らないので、
小さい事から全て説明をされていました。
なので、任された仕事毎に、「ちゃんと切れますよ、私!」「その処理知ってますよ、私!」 と
任された仕事毎にアピールしてました。(笑)

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(左)休憩時間はみんなでくつろいでお話したりすることも。
(右)でも、仕事中はみんな真剣そのもの!シェフからたくさんのことを学びます。

お客様が入り営業が始まると、盛り付けやパーツの材料を見て、聞いて、ノートに書いて覚えました。
そうすることで自分が何のための食材を切っていて、
これがどんな味になるのかを知ることができましたし、盛り付けも手伝えました!
今思うと、そこから仕事が楽しくなり、やっと私のなかで「私の仕事」がスタートした気がします。
私はとにかくパーツを全部味見しまくります。美味しいというのもありますが(笑)
味を覚えておくと、味付けまで任された時にいつもの味にできるからです。
日本にはフランスの食材は持ち帰れないので、舌で覚えてテイストを持ち帰ろうと思います!

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(左右とも)シェフの料理は独創的で盛り付けも本当にキレイ!勉強になります!

「どのポジションでも、やるべきことをやる!」
いまはアペリティフは私一人でやらせて頂いてます、
あとはガルドマンジェ(前菜担当)で4品のパーツの仕込みをして、
ジュリアンと一緒に最後の仕上げをしてます!
でも、来週からはViande(肉)になります!
火通しが命のメイン料理を担当させてもらえるなんて、ビックリです!(笑)
「もう今のポジションは全部覚えてるから移動だよ!」って、言われました。嬉しいですね!
ポジションが変わっても、やるべき事は同じ!頑張りますよ!

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(左)仕事中のシェフ。ガルドマンジェはパスの横なのでシェフの仕事を常に間近で見られます!
(右)ポワソン(魚)担当のニコ。このお店には白衣と黒いユニフォームがあります。

1日の仕事の流れとしては、まず担当のアペリティフとアミューズの仕込みをします。
前日の残りを確認してなにをするか決まります。
今はあれを仕込まないと足りないなど、そういうことが分かってきたので
自主的に少し早く職場に行き行っています。
作り置き分のピュレなどがなくなると+αやる事がドカっと増えるので時間との戦い!
ペルソネル(まかない)を食べれない時もあります(笑)。

これが「飲食の仕事」。研修のおかげでイメージがつかめました!
研修に出て約1ヶ月半ですが、シャトーにいるときには「研修」というものが未知すぎて、
イメージすら出来なかったので、研修先で自分がどうしようかしか考えてなかったです(笑)。
それに私は今までちゃんとレストランで働いた事がなかったので、
研修にきてなにより "飲食の仕事"のイメージがつかめたのが良かったです!
本当に体力のいる仕事ですね!

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(左)お城に出張してのパーティの仕事もありました。すべていい経験になります!
(右)こんなすてきなチェアを発見!ちょっと休憩です(笑)。

終わる時間が真夜中を過ぎる事が多いですし、お皿や鍋も沢山運びます。
けっこう重いものばかりですし、とにかく立ちっぱなしは足にきます。
なので圧迫ソックスを履いて(オススメ!)、ビタミン剤を飲んだりして仕事してます(笑)。
あと筋トレ始めました!効果テキメンです!

「1人暮らしも快適。休日はしっかり身体と心をリフレッシュ!」
休日は必ず外に出ます!カフェでお茶したり、レストランで昼をとったりしてます。
雑誌をそこで読んだり、スケッチしたりしてます。
南仏、日差しがたまりません!毎回外で焼いてます(笑)。
私は出かけると身体も心もリフレッシュされるんです!
最近はTGVで1時間位のトゥールーズToulouseの街に休みの月曜に行ったりもしてます。
あ、あとコインランドリーには行かなければなりません!!白衣の洗濯の山です!

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(左)ナルボンヌの街のとある散歩道。とても綺麗です!
(右)市庁舎前では色々な催しが。これは"Octobre rose"というイベント。ピンクの風船が放たれました!

食事に関しては、平日は休みの月曜日以外はペルソネル(まかない)が昼夜でます。
土曜は夜営業のみ、日曜は昼営業のみなので、土日は自炊することが多いです。
あと朝ご飯は各自でとります。私は果物を食べながら歩いて出勤してます(笑)。
生活面は、初めにまとめて買ったものがなくなれば買う位なのでそんなに使いません。
アパートが中心街の中なので、なんでも買えます!服買えますよ!ナルボンヌ!

住居は初めは仕事場の同僚のニコラ家に同居だったんですが、なにかと不都合なことも多く、
先生とシェフに相談したところ、今はとても素敵なアパートに一人暮らし中です!
本当に相談して良かった!(笑) フランスでは何事も待っていたらダメですね。
言いたいことはしっかり伝えるようにしています!
職場まで歩いて15分です!朝ウォーキングできて良いです!

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「こうして好きなことができるのも家族のおかげです」
寒くなり始めた11月初め、母が1人で南仏の果てのこのレストランに来てくれました!!
母は厨房にも入ってきて見学させてもらったんですが、
私がこれまでに見たこともない真剣な顔をしていたので トラブルが起きているかと思ったそうです。
ただ真剣だっただけですから(笑)。
母が帰国する際、"こんな旅ができるなんて、考えてもみなかったわ、ありがとう!"と言われました。
でも、私がこんな体験ができてるのはあなたのおかげです!ありがとう!

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お母さん、ありがとう!