【プロのスピードってすごい!】製菓外来講習 M.Bruno SALADINO (ブリュノ・サラディノ氏) / Chocolaterie Bruno Saladino (ショコラトゥリー・ブリュノ・サラディノ)
今回の外来講習はM.Bruno Saladino(ブリュノ・サラディノ)にお越しいただきました。
フランス校から近い街ヴィルフランシュとリヨンの旧市街にお店を構えています。サラディノ氏はリヨンのCroix Rousse(クロワ・ルス)にある「パティスリー・ロランシーPâtisserie ROLANCY」で14年間シェフを務め、その間多くのコンクールに出場し常に上位の成績を収めました。またM.O.F.(国家最優秀職人章)の最終選考に3度も残った経験をお持ちです。サラディノ氏は毎期フランス校に講習をしに来てくださっています!
今回も5種類のお菓子を作成してくださりました。
まずは、Guimauve citron(ギモーヴ・シトロン)
一般的なギモーブは卵白にシロップ、ゼラチンを加え泡立てたメレンゲを使用しますが、サラディノ氏は卵白を使用せず、代わりにトリモリン(転化糖)を使用します。実際に試食させていただくと、口溶けが良く、さらにミントの香りを加えることによってより爽やかな仕上がりになっていました!
次は、Caramel mou chocolat(キャラメル・ムウ・ショコラ)
一般的には砂糖でキャラメルを作っていき、生クリームを加え煮詰めていくことが多いですが、最初から生クリームと砂糖を一緒に火にかけていくところが驚きでした。カカオ64%のショコラと食感のアクセントとしてカカオニブ(カカオ豆をローストし砕いたもの)が入っています。
次に、Pâte de fruits framboise rose(パート・ドゥ・フリュイ・フランボワーズ・ロゼ)フランボワーズにバラのエッセンスを加えることで長く香りが続きます。少量で作る際の注意点や、材料を入れ忘れない工夫なども教えていただき、普段の実習で作っているからこそ分かりやすかったです。
Berlingot menthe(ベルランゴ・マント)
ストライプの四面体の飴のことをベルランゴと言います。南仏のカルパントラという街の発祥です。フリュイ・コンフィに使ったシロップを再利用して作られたと言われています。砂糖と水を約162℃まで煮詰め、2色の飴を作り、satiner(サティネ)という作業をしていきます。サティネとは、温度が下がってきた飴を引いていき、空気が入り光沢のある飴にすることを言います。この作業を行うことで食べた時の食感が軽くなります。
リボン状にし、飴を包んだら棒状にして手でカットしていきます。見ていると簡単そうですが、冷えていくとカットできずに割れてしまうところが飴の難しい所です。
研究生も真似をして一生懸命形を作っていきますが本当に難しい!シェフのすごさが改めてわかりました!
最後に、Modelage pâte d'amande(モデラージュ・パート・ダマンド)
マジパン細工のことです。
まずは身体と耳などを作っていきます。10分もかからないうちにねずみ、いのしし、かめを作られたのには研究生もびっくりです!とっても愛らしい顔ですね
その上から色素を吹いて、最後に目を絞れば完成です。
1時間半という短い時間で作成から仕上げまで行われたサラディノ氏。コンフィズリーは煮詰める作業が多いので、普段からどの順番で作業をすると効率が良いかを考えられているそうです。
研究生からコメント
『今回助手を務めて一番印象に残っていることは、シェフの作業が素早く、無駄のない動きをされていたことです。それが美味しいお菓子に繋がっていることを改めて感じました。ベルランゴの飴の成型をさせていただきましたが冷えるまでに作業することはすごく難しかったです。また、コンフィズリーは砂糖の煮詰める温度で状態が変わるので重要になりますが、何度も温度を測るのではなく、目視で状態を確認することの重要性に気づくことができ、とても良い経験になりました。』
『初めてのアシスタントで緊張もありましたが、とても楽しく、良い経験になりました。シェフの丁寧で素早い作業、特にマジパンの技術には驚きました。一方で、フランス語でのコミュニケーションに課題を感じ、思うようにサポートできなかったので次回に向けて少しでも多く聞き取れるよう努力していきたいです。』
Merci ! M.SALADINO !


