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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Didier GOIFFON(ディディエ・ゴワフォン氏) Restaurant LA HUCHETTE(レストラン ラ ユシェット)

フランス校教壇から

2022.12.13

今回の調理外来講習でお越しいただいたのは、レクレール校のあるボジョレー地方の北、Mâcon(マコン)というワインで有名な町の近くにある一つ星ホテルレストラン「La Huchette(ラ・ユシェット)」のオーナーシェフ、M.Didier GOIFFON (ディディエ・ゴワフォン氏)です。

ゴワフォン氏は以前、ブレス鶏の生産地として有名なブレス地方にあるLa Marelle(ラ・マレル)というお店のオーナーシェフをされており、こちらの店もミシュランで一つ星を獲得していましたが、新たな挑戦として2019年5月に現在のラ・ユシェットを開業されました。レストランの近くにあるKamakleという農場で育てられた和牛を使ったコースも提供されています。とてもパワフルで情熱的な方で、ブレス愛に満ちた話を熱く語っていただきました。

今回の講習ではゴワフォン氏の得意とするブレス鶏を胸肉ともも肉に分けて、2品作成していただきました。


  
 La cuisse farcie servie tiède le jaune pomade <condimenté>, céréales, jeunes pousses et blanc mousseux

もも肉は骨を取り除き、その際に出た端肉と火を通した肝臓、心臓を詰め物にして皮目の周りをちりめんキャベツと一緒にロール状に巻いて低温で加熱します。ヘーゼルナッツオイルをまぶし、白ごま、亜麻の実、ひまわりの種などの穀物で食感を加えます。チンゲンサイのピクルスで巻いたサラダほうれん草のブーケ、コールラビの薄切り、温泉卵の黄身の部分をピクルス液に短時間漬けてねっとりとした食感にしたもの、卵白のエスプーマソースを盛り付けています。

ブレス鶏の特徴は全体の羽が白く、足は青く、トサカは赤く、フランスの国旗と同じ色合いです。他にも生産方法などに規定があり、厳しいルールをクリアした鶏のみに「ブレス鶏」の称号が与えられます。



続いては胸肉を使った料理です。


  Le coffer rôti aux légumes racines

胸肉の部分は骨付きで真空袋に入れて58℃の湯煎で約1時間火を入れます。胸肉は皮目からゆっくりとカリッと香ばしく焼き、骨からとったソースをかけます。つけ合わせはさつまいも、西洋ごぼう、トピナンブール、エシャロット、カブをバター、オリーブオイルを塗った耐熱用硫酸紙に入れて密閉しオーブンで加熱します。野菜を紙で包むことにより味と香りが凝縮され、開封した際の野菜のいい香りが教室内に広がりました。ジロール茸とクコの実のピクルス、木苺のピクルスを盛り付けます。シェフの早いスピードに食らいついてブレス鶏を処理する研修生の様子です。少しずつですが、フランス語とアシスタントに慣れてきています。

研究生に感想を聞くと、「胸肉はパサついて、淡泊なイメージがありましたが、実際に試食してみて、しっとりとして旨味を感じることができて驚きました。食材を突き詰める探求心、組み合わせ方、料理の考え方などを教えて頂きました。実際にブレス鶏を調理してみたいと思いました。」とフランスを象徴する食材に目の前で見て、食べたことで今後につなげることができると感じたようでした。



最後にシェフとアシスタントを務めた研究生との記念写真です。