【キノコを堪能 ミシュラン三ツ星レストラン】M.Jacques MARCON(ジャック・マルコン氏) / Les Maisons MARCON(レ・メゾン・マルコン)
今日の外来講習は「Les Maisons Marconレ・メゾン・マルコン」からジャック・マルコン氏にお越しいただきました。
リヨンから南西約75kmの場所にある、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏内、オート=ロワール県にある「サン=ボネ=ル=フロワ」という山間の小さな村にあるミシュラン3ツ星のレストランです。 1990年に1ツ星、1997年に2ツ星、2005年に3ツ星を獲得され、現在まで星を維持されています。 父レジス・マルコン氏と子息のジャック・マルコン氏の2代で経営を行われていましたが、昨年から弟ポール・マルコン氏がチームに加わったことでレストランの名前を「Régis et Jacques MARCON」から「Les Maisons MARCON」へ変更しています。 ポール氏は2025年に開催されたボキューズ・ドールのフランス代表に選ばれ、見事優勝に輝いています。山頂にあるレストランの店内は一面のガラス窓で、そこから見える景色には壮大な自然が映し出されます。お店のシンボルでもあるセップ茸やレストランの周り一帯で自然に育てられる香草など自然を満喫しながら味わえる料理と演出が魅力的なレストランです。また、ジャック・マルコン氏は1997年にレクレール校で研修をされていた過去があり、フランス校とは昔からかかわりの深いシェフになります。
今回は現在スタージュ中の研修生と共に、前菜と魚料理の2品を作成していただきました。
Ragoût de lentilles vertes aux truffes noires
前菜はレンズ豆を使った一品です。 まず、味付けで使用する"塩"を作ります。ミル・オドラントというアニスやセロリの様な香りがするハーブとゲランド産の塩をミキサーにかけ、爽やかな香りの塩を作り、この料理の味付けに使います。
マルコン氏のお店のある地域はレンズ豆が名産品です。そのレンズ豆をたまねぎ、にんじん、タイム、丁子、野菜のブイヨンでゆっくりと下ゆでします。別鍋でたまねぎのみじん切りと、レンズ豆と同じ大きさに切り揃えたにんじん、根セロリを炒めたところに、レンズ豆やそのゆで汁を加えて煮込みます。塩味は先ほどのミル・オドラントの塩でつけます。最後にバターを加えてリゾットのように仕上げて、トリュフのみじん切りをたっぷりと加えます。盛りつけは、お皿にレンズ豆を置き、その上には燻製にしたポーチドエッグを乗せて、トリュフのスライスを飾ります。
周りには、エシャロットのみじん切りとポルト酒をしっかりと煮詰め、鶏のジュを加えたソースを流して、土地の食材のレンズ豆を3つ星レストランの料理にアレンジされた前菜が完成しました。
Omble artichauts sureau
魚料理は、オンブルという淡水魚とアーティチョークを使った料理です。シュローは植物の名前で、「西洋ニワトコ」や「エルダーフワラー」とも呼ばれます。まずは、下処理をしたアーティチョークを白ワインや香味野菜、シュローのお花と一緒に「バリグール」という調理法で火を通します。
そのアーティチョークの中には、角切りにしたアーティチョーク、にんじん、たまねぎを炒め、エストラゴンのみじん切りやにんにくのコンフィを混ぜ込んだものを詰めます。ソースは、エシャロット、シュローの酢、しょうが、レモングラスをシロップ状になるまで煮詰めてバターを加え、爽やかな香りのバターソースを作ります。最後にパセリオイルを加えて軽く混ぜて、マーブル状のソースにします。オンブルは皮目のほうから焼いてから皮を外し、サラマンドル等でゆっくりと火を通します。魚の皮はフランス人にとってはあまり得意な食感ではないのですが、余すところなく使う為に、細く切ってフライにしたじゃがいもとにんにくのコンフィを皮で巻いて、カリカリの食感をプラスして添えます。
グリエにしたアーティチョーク、アーティチョークのピューレ、ジロールのソテーを添え、ケノポード・ボン・アンリという野生のほうれん草の上にオンブルを盛りつけて、パンプルネルという野草を飾って完成です。自家製の野菜やハーブを使った料理、素材の味を活かした料理を得意としたレストランの料理でした。多くの人が憧れるレストラン「レ・メゾン・マルコン」の料理とマルコン氏のお話はとても興味深かったのではないでしょうか。
最後に記念撮影を行いました!


