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辻調グループ フランス校

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【魅せるサービスの技術】M.Louis MORIN(ルイ・モラン氏) et M.Thibaud CURIOZ (チボー・キュリオズ氏) / Restaurant Paul Bosuce (ポール・ボキューズ)

フランス校教壇から

2025.07.09

今回の外来講師は伝説のレストラン、Restaurant Paul BocuseのMaître d'hôtelメートル・ドテル (給仕長) である、M.Louis MORIN(ルイ・モラン)氏と、シェフ・ソムリエのM.Thibaud CURIOZ (ティボー・キュリオズ) 氏においでいただきました。

モラン氏は、フランスのミシュランガイド1ツ星レストランMaison DECORET、スイスのミシュランガイド2ツ星レストランMaison Wengerで修行をされた後、2023年にサービス部門のM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章、ボルドーのLa Grand'Vigneでディレクターに就任し、現在はPaul Bocuseで働かれています。今回はサービスについての講習になり、調理と製菓の研究生が合同で行いました。

まずは、モラン氏による鴨のデクパージュです。

デクパージュとは、"切り分ける"事を意味し、お客様の目の前で丸ごと火を通した家禽や魚を、サーバーと包丁のみを使い捌く方法です。サービスマンの技術と知識が問われるので、研究生も写真を撮りながら注目しています。

お客様が注文した料理なので、直接食材に触れる事ができないので、鴨の関節にフォークを刺しながらもも肉、胸肉と切り分けていきます。
研究生を代表して1名、モラン氏に教えていただきながら挑戦しました。

そして、胸肉はより香りを高める為に、コニャックを使いフランベをします。フランベとは、食材にアルコール度数の高いお酒をかけて火を付け、一気にアルコールを飛ばして食材によい香りを付けることで、フランベをすることを"フランバージュ"といいます。

フランべは、高いパフォーマンスの効果があります。研究生たちもカメラを構えて、しっかりとその様子を目に焼き付けていました。

今回は分かりやすく、解説をしながらゆっくりと見せていただきましたが、レストランでは、料理が冷めないように手早くやらなければなりません。

続いては、キュリオズ氏によるデザートのフランベです。こちらは、りんごとパイナップルを使った、キュリオズ氏のオリジナルレシピです。フライパンで砂糖、バター、レモン汁を使ってキャラメルを作ります。りんごジュースを加えてソースを作り、りんごとパイナップルを加えて、ソースを染み込ませながら加熱します。

デザートを勉強している製菓研究生たちも、サービスマンの作るデザートを見る機会は少ないので、興味深々です。

盛りつけは、もちろんデザートもサーバー(スプーンとフォーク)を使って盛りつけます。りんごとパイナップルを積み上げ、間にはスダチのゼリーをシート状にしたものを挟み、ソースを周りにかけて完成です。

調理場で料理人が捌き、盛りつけて提供しても構いませんし、パティシエが綺麗な皿盛りデザートを提供しても構いません。しかし、サービスマンがお客様の目の前で切り分けたり、仕上げるパフォーマンスをする事で付加価値が高まり、お客様に特別な体験をしてもらうことが出来ます。

サービスの授業はあっても、なかなかデクパージュやフランバージュを見る機会はないので、研究生にとってとてもいい機会になりました。

最後に、全員で記念写真を撮りました。