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【世界大会優勝経験者の講習】製菓外来講習 M.Jérôme LANGILLIER (ジェローム・ランジリエ氏)

フランス校教壇から

2025.05.05

今回製菓外来講習にお越しいただいたのは、M.Jérôme LANGILLIER(ジェローム・ランジリエ氏)です。

2009年の「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーCoupe du Monde de la Pâtisserie」(お菓子の世界大会)のフランス代表チームの一員として、アメ細工とアントルメを担当し、見事優勝に導きました。白衣の襟に大会参加国の国旗が刺繍されている物は、優勝者の証でもあります。
1999年から2001年まではリヨンの高級トレトゥール「クロスタンClostant」のシェフ・パティシエを務め、他にもレストランやホテル、パティスリーでの勤務をされ、現在は講演や企業へのコンサルタントの仕事に取り組まれています。また現在はフランス校から車で30分程の所にあるジュネという街でラボ(工房)を持っており、webでのお菓子販売を行っています。

ホームページ→PATISS' CONNECT : chef pâtissier Lyon, maître pâtissier, champion du monde pâtisserie


ランジリエ氏は毎期講習に来ていただいているため、分かりやすいフランス語で指示を出し、積極的にアシスタントの研究生と作業を行います。

レモンの皮を切るだけでも、皮の面を上下どちらに置くかで作業性が違うという、細かいところまで指導していただきます。

凝固剤(ペクチンなど)を加えた後は、ダマになっていなくても必ず全てミキサーにかけて、確認を行います。
1つ1つ細かく丁寧な仕事ぶりから、お菓子へのこだわりが伝わってきますね。
こちらのケック生地にはたっぷりのレモンとライムの皮を使用しています。



焼成前に、綺麗に真ん中に割れ目が出るよう、端から端まで生地の上にバターを絞っています。
焼きあがった生地には温かいうちに、レモンとライムのキャラメルシロップを入れていきます。

その時に使用した器具はなんと注射器です!
研究生もここでこんな器具を使うのかと、驚きの声があがりました。等間隔で決まったグラムのシロップを中に注入していきます。焼成後表面に塗る作業はよく見かけますが、中に直接入れていくのは珍しい手法ですね!

最後にレモンのクリームと、レモンの皮で作ったコンフィ、ライムの皮を置いて完成。

『Cake Citron Citron vert』


Citronはレモン、Citron vertはライムという意味です。お菓子の名前の通り、どこを食べてもレモンとライムの爽やかな香りと、柑橘の苦みをほんのり感じるお菓子になっていますね!注射器で染み込ませたシロップが見た目でもわかるぐらいたっぷり入っており、しっとり感と香りをさらにアップさせています。

【研究生からコメント】

「初めてのアシスタントがクープ・デュ・モンドで優勝経験のあるシェフという事でとても緊張しましたが、レモンの皮の千切りは表面からではなく内側からの方が切りやすいことや、包丁の動かし方のコツなど、優しく教えていただきました!シェフの作業は丁寧ですがスピード感もありとても勉強になりました。」
「フランスに来て1カ月、初めてのアシスタントがM.LANGILLIERだったのでとても緊張しました。シェフは難しい作業も素早くきれいに仕上げているので、一見簡単そうに見えて難しいことが多かったです。シロップを注射器で入れるときも等間隔10回ずつ、量も決めていてすべてが同じ仕上がりになるように工夫されているのが伝わり、とても勉強になりました。私もシェフの様なアイディアを考えていけるよう頑張っていきます。」


Merci!M.LANGILLIER!!