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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Julien THOMASSON(ジュリアン・トマソン氏)/Restaurant Table de La Mainaz(レストラン ターブル ドゥ ラ メナーズ)

フランス校教壇から

2022.11.29

今回の外来講習のシェフは Restaurant Table de La Mainaz(レストラン ターブル ドゥ ラ メナーズ)のM.Julien THOMASSON(ジュリアン・トマソン)氏にお越しいただきました。

レストランはリヨンから約150㎞離れた、スイスのジュネーブ国境付近でレマン湖、その奥にはモンブランの雄大な眺めを楽しめる標高1250メートルに位置した場所にあります。

トマソン氏の経歴はピエール・ガニェール、ジャン=ポール・ジュネ、パトリック・ジョフロワらの店で勤務したのち、2008年にSaint Chamond(サン・シャモン)にてLes Ambassadeur(レ・ザンバサドゥール)を開店しました。2010年にミシュランガイド「ビブ・グルマン」(従来の星付きの評価からは外れるものの、リーズナブルな価格でおすすめできる店舗に与えられる印)を獲得、翌年の2011年1ツ星を獲得しました。現在のレストランには2019年から勤務し、ここでも一つ星獲得に貢献しています。地元の伝統と食材を融合させ、繊細な香りや豊かな色彩、そして素材の選択はもちろんですが季節のリズムをとても大事にされています。また、食材だけでなくメニューも絶えず変化しており、料理に対するあくなき探求心を持ち続けているシェフです。

本日の1品目はこちらの料理です。

Le Céleri rave et Sarrasin en Raviole sans Pâte, lait de cuisson beurre Végétal à l'Absinthe

この料理のメインはセロリです。セロリと根セロリの2種類を使用し、色々な調理法と味付けでこの1皿を仕上げています。中央には根セロリを薄くスライスして塩茹でし、パスタの一種であるラヴィオリ見立てのようにしています。今回は野菜だけパスタ生地を使用しないで構成されています。中には角切りにした根セロリと玉ねぎ、白ワインを加えアルコールを飛ばし野菜の出汁を入れ、炒ったそばの実を加えています。緑のピューレはセロリ、白のピューレは根セロリを使っています。食材を生かすための工夫や考えを学生にお話ししていました。

シェフは常に研修生と一緒に作業をしていて研究生たちもその様子を真剣に見ていました。


続いて2品目はこちらの料理です。

La Cuisse de Volaille fermière « Très croustillante » Pressé de Pomme de terre croustillant
Betterave et Champignons sucs acidulé « Echalote/Estragon/Betterave ≫

この料理は地鶏をメインとして使用しています。メニュー名でも強調して書かれている« Très croustillante »(トレ クルスティヤン)とはパリっとさせるという意味で鶏の皮目をパリっと黄金色に仕上げて食感も見た目にもとても美味しそうです。
じゃがいものつけ合わせも同様に澄ましバターを使用し、パリっと仕上げるために低温からじっくり火入れをして香り高い仕上がりです。上には赤玉ねぎのピクルスとブラウンマッシュルームをのせています。
そしてお皿の見た目にも鮮やかなソースとピューレ、つけ合わせにはビーツを使用しています。オーブンで火を通したものを付け合わせとして串切りし、残りはミキサーにかけピューレにします。そのピューレをネル地で漉すとビーツのジュースとピューレに分かれます。そのジュースはソースに加え、ピューレは付け合わせとして使用しています。とても鮮やかで目を惹く印象ですね。

盛りつけ作業も研修生とコミュニケーションを取り一緒に料理を仕上げていました。

アシスタントの研究生にもシェフの作業を近くで見ながら出来るところは一緒に取り組んでいました。実際にやり方を見せてくれるシェフ、分かりやすく作業を教えてくれるのでとても勉強になったと思います。

最後は講習を終えたシェフとアシスタントを務めた研究生との記念写真です。