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辻調グループ フランス校

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【砂糖菓子いろいろ】製菓外来講習 M.Paul KLEIN(ポール・クライン氏) / Pâtisserie chocolaterie KLEIN (パティスリー・ショコラトリー・クライン)

フランス校教壇から

2025.12.05

今回製菓外来講習にお越しいただいたのは「パティスリー・ショコラトリー・クライン」からM.Paul KLEIN (ポール・クライン氏)です。

クライン氏のお店はフランス東部のベルフォールという街にあり、お父様のStéphane KLEIN(ステファン・クライン氏)と共に、プロ向けの研修(飴細工、チョコレート細工、コンフィズリー)も行なわれています。ステファン・クライン氏は飴細工の第一人者として有名で、数々の本も執筆されています。息子のポール氏も同様に飴細工を得意としており、2015年よりパティシエの国家資格教育機関でも教鞭をとられています。また、飴細工やアントルメを作成する世界大会のコンテストである『Charles Proust(シャルル・プルースト杯)』では、2012年21歳という若さで見事優勝され、卓越した技術と躍動感あふれる細工は世界でも高く評価されています。

今回の講習では、コンフィズリーを7品披露していただきました。コンフィズリーとは、キャンディやボンボン、キャラメルなど砂糖菓子の総称です。フランス各地にその土地ならではのコンフィズリーがあり、古くから人々に親しまれています。

① 『Caramel mou vanille』
さっそくキャラメルを作成していきます。クライン氏の配合はヴァニラとバターをたっぷり使用しており口溶け滑らかな柔らかい仕上がりです。

材料を煮詰めていきます。

適温になったら素早く型に流します。

しっかり固まれば1口サイズにカットし、フィルムに包みます。

② 『Nougat de Montélimar』
泡立てた卵白にシロップやラベンダーの蜂蜜を加え混ぜ、ナッツをたくさん加えた糖菓です。モンテリマールとはフランス南東部の街の名前で、ヌガーの生産地として有名です。ヌガー・ド・モンテリマールとは全体量に対し、アーモンド28%、ピスタチオ2%、はちみつ25%以上加えたもの、もしくはナッツ類が全体の30%以上加えられているものだけ名乗ることが出来ます。ふわっと泡立ったヌガーの食感は軽く、ラベンダーの香りとナッツの香ばしさが口いっぱいに広がります。

はじめは機械で混ぜていきます。

最後は手でまんべんなくナッツを混ぜます。

こちらも固まればカットし、フィルムに包みます。

③ 『Calisson d'Aix』
フランス南部エクス・アン・プロヴァンスの銘菓で、アーモンド、メロンコンフィ、砂糖が欠かせない材料とされています。今回はアーモンド、メロンコンフィ、オレンジコンフィに煮詰めたシロップを加えてペースト状にしたものを、専用の型に敷き詰め表面をグラス・ア・ロー(糖衣)で仕上げています。

まずは型に生地を詰めていきます。たくさんの数を仕上げていくので学生達も作業に参加。より近くでシェフの技術を見ることができました!

表面にグラス・ア・ロー(糖衣)を薄くのばしていきます。


最後に、下からもう一枚型をはめると、型から生地を綺麗に抜くことが出来ます。

④ 『Réglisse』

レグリスという甘草(かんぞう=薬草の一種) や、メラス・ノワールという甜菜やサトウキビから抽出される黒糖蜜を使用した、フランスでポピュラーなグミです。皆さんは食べた事がありますか?作成中に近くを通ると独特な甘い香りが漂ってきます。日本人にはなじみのない味ですが、ナレ先生はレグリスが大好きだそうです。


出来上がった生地を温かいうちに素早く絞り、冷めたら端から一つ一つ丁寧に巻いていくと完成です。

⑤ 『Berlingot menthe』


爽やかなミントの香りをつけたフランスの伝統的な飴菓子です。作成中は、ラボ全体が目が覚めるようなミントの香りに包まれていました。

出来上がった飴を機械に入れてぐるぐる回すと、横から成形された四面体の飴がでてきました。

あっという間に出来上がるキラキラと艶のある飴に研究生達からも「おー !!」という歓声があがりました。

⑥ 『Bonbon fourré framboise』

飴にパート・ド・フリュイ(ゼリーのようなもの)をのせてソーセージ状にします。

更にリボン状に引いた飴で包み、先ほど同様細い棒状にしていきます。


日本では棒状にしたお団子をまとめてカットし丸めることが出来る機械を、こちらではボンボンの成形に使用しました。体重をかけてしっかり押していきます。(押しすぎ注意!)

⑦ 『Bonbon rock』

濃いピンクの飴でなにやら形を作り、周りを白い飴で包んでいきます。これは何を作っているのでしょうか...

中心部分をよく見ると「KLEIN」の文字が!
K

日本でいう金太郎飴と同じで、どこを切り取っても同じ断面が出てきます。実際にこんな風に作っているのですね。

隣のテーブルでは、クライン氏の奥様がお菓子を飾るための飴細工を作成してくださっていました。そちらを使用し、いよいよ作ったものを全て飾っていきます!


どんどん出来上がっていくさまに、研究生達も真剣に見守ります。ディスプレイ用ですが、すべて砂糖で作成されているので食べることも出来ます。

毎期お店から持って来てくださったピエスモンテも組み込みながら飾ってくださいます。仕上がりは繊細でとても美しく圧巻です!

【研究生からコメント】
「初めてのアシスタントだったので緊張していましたがシェフがわかりやすく指示を出してくださり、様々な作業に関わらせていただくことできました。もっと積極的に自分からシェフにコミュニケーションをとった方が良かったという後悔もありますがシェフと一緒に作業をするというとても貴重な経験をすることが出来て良かったです。」
「今回初めてのアシスタントでしたが、コンフィズリーは作ることも習うこともほとんどなかったので今回初めて見るお菓子や器具が出てきてとても勉強になりました。フランス語があまり聞き取れず、次に何をしたらよいのかわからなかったのが心残りですが、次回アシスタントをする機会があれば今回の反省を生かしもっとコミュニケーションを取り、積極的に作業に参加できるようになりたいです。僕自身飴細工に興味があり、シェフの事は昔から知っていたので、今回アシスタントをすることが出来てとても嬉しかったです。」


Merci!M.KLEIN!!