【ボジョレのオーベルジュレストランから】調理外来講習 M.Romain BARTHE(ロマン・バルト)氏 / Auberge de Clochemerle(オーベルジュ・ド・クロシュメルル)
今回の外来講習に来ていただいたシェフは、フランス校から車で30分ほどのボジョレ北部の街モルゴンの丘のふもとにある、Auberge de Clochemerle(オーベルジュ・ド・クロシュメルル)というオーベルジュ・レストランのM.Romain BARTHE(ロマン・バルト)氏です。
バルト氏は「トロワグロ TOROISGROS」、「レ・クレイエール Les Crayères」などの名店で働かれたのち独立。2025年度に一度失ったミシュランガイド1ツ星を再び獲得しました。レストランではいくつかのコースメニューがあり、その日の仕入れの状況で料理内容が少し変化することもあるそうです。
また、バルト氏はリヨンを中心とした料理人のサークル「レ・トック・ブランシュ・リヨネーズ Les Toques Blanches Lyonnaises」の会員であり、多くのシェフと親交があります。
今回の講習では2皿作成していただきました。
1皿目はうさぎを使用した料理です。
うさぎはフランスやイタリアではよく食べられるお肉です。今回はうさぎのもも肉のリエットを使用したオードブルを作っていただきました。リエットとはラードなどの油脂で身が簡単にほぐれるくらい煮込み、ほぐした肉と煮込んだ油脂を混ぜたものです。リエットにマスタード風味のクレーム・パティシエールを混ぜ合わせ、マスタードの香りと酸味を加えて盛りつけました。うさぎと相性の良いヘーゼルナッツも添えます。次に、うさぎのもも肉の煮汁といちごのお酢、ヘーゼルナッツ油などでソースを作り、旬のアスパラガスやグリンピース、そら豆に和えて盛りつけました。最後に様々な香草や花を飾り、最後にシェフのオリジナルの混合香辛料を振りかけて完成となります。
2皿目はオンブルという川魚を使用した料理です。
オンブルとは日本ではイワナを指します。身は非常に柔らかく、上品な味わいです。今回はキビ、ラディッシュ、そして玉ねぎなどと合わせました。
まずキビでリゾットを作ります。オリーブ油でエシャロットとキビを炒め、フォン・ド・ヴォライユと水を加えて、20~30分程火を通します。仕上げにチミチュリ(アルゼンチン発祥のステーキに添えられる定番ソース)とラディッシュの葉の油を加えます。つけ合わせのラディッシュと玉ねぎはそれぞれくし切りにし、塩ゆでにしました。玉ねぎにはウコンを加えて、黄色く染めました。最後に香ばしい香りをつけるためにバーナーで表面をあぶります。メインであるオンブルは身の方から焼き、皮目は少しだけ焼いて皮を剥いでおきます。白醤油とはちみつを煮詰めたソースを皮目に塗り、上からザタール(タイム、ナツメッグ、メース、ごまなどが入った中東の定番スパイス)を振りかけました。ソースはヴェルジュと呼ばれる酸味の効いたぶどうの果汁とヴェルヴェンヌのリキュールをキャラメル状に煮詰めたソースです。お皿の中央にリゾットを盛りつけ、周りにヴェルジュのソースを回しかけます。オンブル、つけ合わせのラディッシュと玉ねぎをリゾットの上に盛りつけ、最後に香草や花を飾りつけ、完成となります。
こちらの盛りつけはシェフと研修生が一緒に行ってくれました。
フランス国外の様々な香辛料や調味料などを使用していて、珍しい組み合わせばかりでおもしろいなと感じました。
最後に研修生とアシスタントの研究生たちで記念撮影をしました。


