【環境に配慮+地産地消にこだわったレストラン】M. Alain PERRILLAT-MERCEROT (アラン・ペリヤ=メルスロー氏) / Restaurant Atmosphères (レストラン・アトモスフェール)
今回外来講習に来ていただいたシェフは、フランス東部、サヴォワ地方にある湖「Lac de Bourget」ブルジェ湖のそばの小高い山の上にある、「Atmosphères」アトモスフェールというレストランのAlain PERRILLAT MERCEROT(アラン・ペリヤ=メルスロー)氏です。
このレストランは2009年よりミシュランガイドで1ツ星を獲得されています。 そして2021年度版から新設されている「ミシュラングリーンスター」(環境保護や持続可能な食文化に取り組むレストランに贈られる特別な賞)も獲得されています。 また、ペリヤ氏は2009年に「世界のベストレストラン500」にも選出されました。さらに、フォワ・グラの名門ルジェ社より、最優秀若手料理人として表彰された経歴もあります。 出身地でもあるサヴォワ地方の湖の淡水魚であったり、サヴォワのチーズやワインを中心に使用し、地産地消にこだわりながら調理されています。
今回の講習では、アミューズと前菜をそれぞれ1品ずつ作っていただきました。
まずはアミューズからです。フライにしたセージの葉の上に、燻製にしたフムス(主に中東で食べられるゆでたひよこ豆にレモン汁や塩、こしょうで味をつけてペーストにしたもの)を絞り、その上にクルトン、レモンの皮のコンフィ、レモンの果肉の角切り、ケイパー、フレッシュのセージの葉、薄皮をむいたひよこ豆をオリーブオイルと塩、こしょうで調味したものを盛ります。最後に花びらを飾って完成です。こちらの盛りつけは現在お世話になっている研修生と研究生で全員の試食分も含めて手際よく仕上げてくれました。
次に前菜です。
こちらの料理は来週から始まる新メニューらしく、今回が初めて披露する機会になります。
まずは牛の肩肉に塩、こしょうで味をつけ、真空パックにいれて90℃のコンベクションオーブンで12時間火を通します。火通しが終わった後は完全に冷まし、2mmの厚さにスライスします。同じように豚の背脂の塩漬けも1.5mm厚にスライスします。
火通しした肩肉の余りの部分は身をほぐし、トランペット・ドゥ・ラ・モールという黒らっぱ茸と一緒に合わせて火を通し、仔牛の出し汁を加えて混ぜておきます。
準備が出来たらテリーヌ型を準備します。スライスした肩肉、背脂のスライス、ほぐした肉と黒らっぱ茸の順で断面が綺麗な層になるように組み上げていき、一晩冷蔵庫で冷やし固めます。仕上げに1cm厚にスライスし、提供前にオリーブオイルを熱したフライパンで香ばしく焼きます。
次につけ合わせを準備します。栗かぼちゃ、黒らっぱ茸、洋梨をそれぞれ5mm角の角切りにし、栗かぼちゃをバターで炒め、火が通ったら黒らっぱ茸を加えてさらに炒めます。仕上げに洋梨を加えて軽く温め、赤ワイン酢を加えて味を整えます。
次にソースです。エシャロットの薄切りをバターで炒め、モンドゥーズというサヴォワ地方の黒ぶどう品種から作られる赤ワインを加えて煮詰め、仔牛の出し汁を加えてさらに煮詰めていきます。
準備が出来たらそれぞれを盛りつけます。皿の中央につけ合わせを型に入れて盛り、その上にテリーヌを置いて周りにソースを流します。テリーヌの焼いた香ばしい風味とかぼちゃの甘味が随所に感じられる秋らしい一皿になっていました。
講習後は研修生からお店の紹介、仕事内容、研修を終えるまでに達成したい目標などを話してもらいました。
最後にアシスタントを務めてくれた研究生と記念撮影です!


