【ブレス鶏コンクール優勝者来校!】M. Alexandre VUILLIN(アレクサンドル・ヴュイラン氏) / Restaurant La Pyramide(レストラン ラ・ピラミッド)
今期最後の調理外来講習は、リヨンから南に30kmほど下りたところにある、ヴィエンヌという町のレストラン『ラ・ピラミッド』でスー・シェフを勤めているアレクサンドル・ヴュイラン氏にお越しいただきました。ヴュイラン氏は今年の4月に行われた『ブレス鶏のクリームソース世界選手権』で見事優勝された実力者です。今回の講習では、その大会で提供された世界一のメニューを作っていただきました。
POULARDE CRÈME
POULARDE(プーラルド)とは、通常より長く特別に肥育されたメスの肥育鶏です。プーレ(若鶏)と比べると、大きさは1.5倍ほども大きく、そのため肉付きや脂の乗りの良さが特徴です。
ブレス鶏についての詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
【世界に誇るフランスの鶏】M. Cyril DEGLUAIRE(シリル・デギュルエール氏) Mlle. Victoria De CARVALHO(ヴィクトリア・デ・カルヴァロ氏) Comité Interprofessionel de la volaille de Bresse (コミテ・アンテルプロフェッショネル・ドゥ・ラ・ヴォライユ・ド・ブレス) ブレス鶏生産者組合│フランス校ブログ│辻調グループ フランス校 - 食のプロを育てる学校
まずは鶏の下処理からです。頭、首づる、足先を落とし、内臓をまとめて引き抜きます。次に全身を覆っている皮を、首からもも肉にかけてきれいに1枚になるように取り除きます。取り除いた皮は、千枚通しのような包丁を使って表面を細かく突き刺し、鉄板で挟んで170℃のオーブンでパリっとなるまで焼きます。もも肉はそれぞれ切り落とし、胸肉はコッフルという形にします。
鶏ガラを使ってソースを作ります。鍋に鶏ガラを入れて色よく焼き、シャトー・シャロンと呼ばれるジュラ地方特産の黄色いワイン、クレーム・エペスを加えて煮込んでいき、味と濃度を調えて漉します。
次につけ合わせです。根セロリは木の葉型に抜いて鶏の出し汁とバターでグラッセというつや煮にします。
次にポロねぎのカネロニを作ります。ポロねぎの外側の部分を鶏の出し汁の中で火を通し、ラップの上にきれいに並べます。そこに薄切りにして柔らかくなるまで火を通した玉ねぎとポロねぎに、香草のみじん切りを混ぜたものを置いてラップで巻きます。1人前に切り分けたら軽くゆでたシブレットでポロねぎを縛って形を整えます。
次に、もも肉をにんにくとタイム、ゆずの皮で香りをつけてコンフィにし、1cm角に切りそろえたものと、みじん切りにした玉ねぎの炒めたもの、レモンの皮とジュース、にんにくのみじん切り、シブレット、鶏の心臓とレバーを角切りにしたものを混ぜ合わせて味を調え、パート・ブリックで巻いてフライパンで焼きます。
最後はうずらの卵を使ったつけ合わせです。うずらの卵の卵黄をポン酢に漬け込みます。焼きあがった鶏の皮を丸くくり抜き、上にすりおろしたコンテチーズを乗せ、さらにその上に味が染み込んだ卵黄を乗せ、チーズをおろしかけます。
メインの胸肉は、塩、こしょうで味付けし、バターで表面全体を焼き固めた後にオーブンで軽く火を通し、オーブンから取り出した後は胸肉を切り離してソースの中で煮込みます。ちょうど良い火通しになったら胸肉を3等分に切り分け、器に盛りつけていきます。
今回のコンクールは制限時間以内に、6皿分の仕込み、調理、盛りつけをしていかなければなりません。もちろん洗い物や周りの整理も含みます。コンクールを勝ち上がっていくためには調理技術だけでなく、分刻みでの時間の組み立てや作業の順番も重要です。日々のレストラン営業をこなしながら、コンクールのための準備をしてきた出場者の皆さんの料理は、どれも素晴らしいものばかりでした。その中で優勝されたVOUILLIN氏に、改めて敬意を表したいと思います。本当におめでとうございます!
最後は、アシスタントを務めてくれた研究生と記念撮影です!


