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辻調グループ フランス校

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【フランスを代表するレストランから】M. Gilles REINHARDT(ジル・レナルト)氏 / RESTAURANT Paul BOCUSE(レストラン・ポール・ボキューズ)

フランス校教壇から

2026.02.10

今回外来講習に来ていただいたシェフは、リヨン近郊にあるレストラン、Paul BOCUSE(ポール・ボキューズ)より、シェフのジル・レナルト氏です。

レナルト氏はアルザス地方で生まれ、5歳の時には料理人になることを目指していたそうです。アルザス地方のストラスブールの調理師学校を1995年に卒業しました。そして、コルマールにあるレストランLe Fer Rouge(ル・フェール・ルージュ)で働いたのち、パリにて財務大臣の料理人としても働きました。その後レストランPaul BOCUSE(ポール・ボキューズ)やランスにあるChâteau Les Crayères (シャトー・レ・クレイエール)にてジェラール・ボワイエ氏の元で働きました。2000年から再びポール・ボキューズに戻り、現在に至ります。 2004年にはフランスの国家最優秀職人章(M.O.F.)を受章されました。2011年からポール・ボキューズのシェフをされています。 講習ではポール・ボキューズを代表する伝統的なスペシャリテを2品作っていただきました。

『Poularde de Bresse en vessie, Sauce fleurette aux morilles』

1品目はフランスを代表する食材、ブレス産の鶏を使った料理です。
鶏は丸ごと1羽を糸で縫って形を整え、鶏の出し汁でゆでて火を通します。沸騰直前の温度でゆっくりと時間をかけて加熱することで、しっとりとした仕上がりにすることが出来ます。


火が通ればvessie(ヴェッシー)と呼ばれる牛の膀胱に詰めて、さらに鶏の出し汁で加熱します。加熱することで風船のようにパンパンに膨らむので、お客様のテーブルで閉じ込められた香りがふわっと広がるような演出が出来ます。今回は鶏のサイズがとても大きく、詰めるのが大変だったのでナレ先生も手伝ってくれました!



次にソースです。鍋に鶏ガラ、エシャロット、シャンピニョン、エストラゴン、ヴェルモット酒、白ワインを入れて煮詰めます。鶏の出し汁を加えてさらに煮詰め、発酵クリームを加えて仕上げます。鶏の風味と発酵クリームの濃厚な味わいが特徴のリッチなソースです。そこにポルト酒の中で味を含ませるようにして火を通したモリーユ茸をあわせて完成です。つけ合わせはバターライス、ココットの形にむいて火を通したにんじん、ズッキーニ、かぶとさやいんげんをお皿に盛りつけ、ヴェッシーに包んだままのブレス鶏をのせて提供します。


『Loup en croûte, Sauce Choron』

2品目はスズキを丸1匹使い、パイ生地に包んで焼き上げた料理です。内臓やえらを取り除き、包丁を使って皮を剥がしていきます。身を傷つけずに皮だけを手早く取り除く包丁さばきには、研究生たちも驚いた様子でした。


スズキのお腹部分には、魚のムースを詰めます。ホタテ、白身魚、塩を計量し、ミキサーにかけて粘りをだし、全卵と卵白、発酵クリームとポマード状の柔らかいバターを加えることで濃厚でコクのある仕上がりになります。そして、スズキをパイで包みます。こちらも手早く魚の形に成形し、仕上げに模様をつけてオーブンで焼成します。




ソースは卵黄と水を泡立てながら加熱してサバイヨンを作ります。そこに澄ましバター、レデュクション(エシャロット、白ワイン、赤ワイン酢、黒こしょう、エストラゴンを煮詰めたもの)を加えます。仕上げにトマトの果肉を水分がなくなるまで煮詰めたものと、香りが良い香草でセルフィーユとエストラゴンを加えます。香り豊かなハーブとレデュクションの酸味、コクのある澄ましバターの味わいが一体となった仕上がりのソースです。



今回は作業の合間に研究生たちに向けて質問を投げかけたり、料理に対する自身の考えを伝えてくださったりと、クラシックな料理を今も変わらず作り続け、フランス料理界を牽引するポール・ボキューズのシェフの言葉を聞くことが出来て、とても有意義な講習となりました。

最後にアシスタントを務めてくれた研究生たちと記念撮影をしました!