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辻調グループ フランス校

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【偉大なレストランで活躍中の日本人シェフ】M. Kenji TAKENOSHITA (竹之下 賢児氏) / La Pyramide(ラ・ピラミッド)

フランス校教壇から

2026.01.12


今回の外来講習は、リヨンから南に30kmほど下りたところにある、ヴィエンヌという町のレストラン『ラ・ピラミッド』で勤務されている竹之下 賢児(たけのした けんじ)氏にお越しいただきました。竹之下氏は鹿児島県出身で、『城山観光ホテル』などの名店で経験を積み、2015年に渡仏。ヴァランスの『ラ・カシェット』などで勤務された後に、現在はフランス校ともゆかりのあるミシュランガイド2ツ星を獲得している老舗レストラン『ラ・ピラミッド』にて副料理長として勤務されています。また、2022年度の『パテ・アン・クルート世界大会』にも出場するなど、多岐にわたって活躍しています。

今回の講習では、肉料理を1品作っていただきました。

Rotî et tartare de chevreuil, déclinaison de salsifis, sauce grand veneur

この季節ならではの、鹿肉を使った料理です。
まずは鹿の背肉を骨から外します。次に骨とくず肉を使ってソースを作ります。鍋に油脂を熱して骨とくず肉を加えて色づけるように炒めます。きれいに色づいたら玉ねぎ、にんじん、エシャロット、にんにく、タイムを加えてなじませるように炒めます。トマトペーストを加えて軽く炒め、水を加えてゆっくりと煮詰めて味を引き出していきます。別の鍋で赤ワインとポルト酒を3 :1の割合で混ぜ合わせたものを、『ミロワール』と呼ばれるきれいなつやのある状態まで煮詰めます。そこに鹿肉の骨でとったソースベースを漉し入れてさらに煮詰め、濃度と味を整えてからすぐりのジャムを加えて仕上げます。



背肉はラップできれいに巻いて形を整えてからロースト用とタルタル用に切り分けます。ロースト用の方はひもで縛って形を整え、塩、こしょうをして澄ましバターで表面を焼き固めます。210℃のオーブンに入れて3分間火を通し、温かいところで休ませます。タルタルは表面をさっと焼いて消毒し、3mmの角切りにします。塩、こしょう、玉ねぎのみじん切り、ケイパー、ピクルスのみじん切り、シブレット、オリーブオイルと混ぜ合わせて味をなじませます。



次に鹿のタルタルを乗せる生地を準備します。日本でもおなじみの春巻きの皮に澄ましバターとメープルシロップを同分量で合わせたものを塗り、2枚重ねて型に合わせて丸く抜いて150℃のオーブンで15分間焼きます。焼き上がったら型から外して冷まします。

次につけ合わせです。つけ合わせはサルシフィという西洋ごぼうを使います。水に塩、オリーブオイル、レモン汁を加え、小麦粉を水で溶いたものを混ぜて沸かします。そこに皮をむいて切りそろえたサルシフィを入れてゆっくり加熱します。火が通ったらサルシフィをきれいな棒状になるようにくり抜き、ななめに切りそろえます。切りそろえたものは鹿肉のソースベースを加えてつや煮にし、余ったサルシフィはミキサーで回してなめらかなピュレにします。別でサルシフィを薄くスライスし、小麦粉を軽くまぶして低めの温度の油でカリっとするまで揚げてチップスを作ります。黒にんにくは裏漉してミキサーで回してなめらかなピュレにします最後にうずらの卵黄をポン酢に漬けて味を染み込ませておきます。




それぞれを盛りつけていきます。鹿肉のタルタルは春巻きの皮に盛りつけ、うずらの卵黄、サラダの葉を飾り、サルシフィのむいた皮をオーブンで乾燥させたものの上に乗せてプレゼンテーションします。器に鹿肉のロースト、サルシフィのつや煮、上に黒にんにくのピュレを絞り、サルシフィのピュレとフライ、アンディーブのサラダ、赤すぐりの実を飾り、ソースは別に添えます。2種類の調理法で調理した鹿肉と、様々な食感のサルシフィを力強いソースがまとめてくれる味わい深いひと皿となっていました。研究生にとっては、今後行われるムニュ・スペシオを考える上で、とても参考になったのではないでしょうか。

講習後も研究生たちからの様々な質問に答えていただき、とても有意義な講習でした。



最後に、アシスタントを務めてくれた研究生と記念撮影です!