【フォワ・グラを扱ってみましょう】M.Olivier BONI(オリヴィエ・ボニ氏) / ROUGIÉ(ルージエ社)
今回の外来授業は、フランス国内でのフォワ・グラのトップメーカーであるROUGIÉルージエ社からM.Olivier BONIオリヴィエ・ボニ氏を講師としてお招きし、1日を通してフォワ・グラについて詳しく説明していただきました。
ルージエ社はワインで有名なボルドーやトリュフで有名なペリゴールに近いDordogne(ドルドーニュ)県にあるフォワ・グラを専門に扱う会社で、「Ecole du Foie Gras(エコール・デュ・フォワ・グラ)」というフォワ・グラについて学ぶ研修・研究施設を開校しています。辻調の東京校、大阪校はもちろん、日本のレストランでも幅広く使用されています。
午前中の講習ではまずフォワ・グラについてとルージエ社の歴史についての講義を行っていただきました。 フォア・グラを作るための鴨やガチョウの育て方であったり、取り出してから3時間以内に中心温度を-18℃まで一気に下げるなど品質を守るために行われていることを学びました。
そのあと実際にフォワ・グラの下処理とテリーヌを2種類作成していただきました。
・Terrine de foie gras au café
このテリーヌは、ルージエ社の「Pépites de foie gras ペピート・ド・フォワ・グラ」という商品を使用しました。
Pépitesはフォワ・グラを2~3cmほどの角切りにした商品です。 今回はこの商品をエスプレッソ、ヴァローナ社の「Xocopili ショコピリ」というスパイス風味のチョコレート製品で風味をつけ、塩、こしょうで味付けをし、真空パックに入れて火を通します。最後に型に詰めて冷やしたら完成です。
・Terrine de foie gras tout feux tout flamme et magret fumé
このテリーヌはフォワ・グラをバーナーであぶって火を通しました。
そうすることで表面に焼き色がつき、ノワゼットのような香ばしい香りが出てきます。火が通ればフォワ・グラの血管を外し、塩、こしょうで味付けをします。 次に型を準備して鴨の燻製肉のスライスを敷き詰めていき、その中にフォワ・グラを入れ、鴨の燻製肉で覆って重しをして完成です。
次にフォワ・グラの基本の下処理を行い、ballotineバロティーヌを作ります。 フォワ・グラは血管が葉脈状に広がっているので、それに沿って小さいスプーンやナイフを使い、血管を外します。
下処理をする前に常温に1時間ほど出して柔らかくしておくこと、血管に沿って大きく動かし、フォワ・グラが溶け出さないように素早く行うことが大切だとおっしゃっていました。下処理が終われば、コニャック、ポルト酒、塩、こしょうでマリネし、筒状に成型して火を通します。
講習の最後にはルージエ社のフォワ・グラのテリーヌ5種類の食べ比べを行いました。鴨とガチョウの違いや火通しの違いなど普段できない食べ比べに研究生は興味津々でした。
午後はシェフと一緒にフォワ・グラの下処理と料理を3品作成しました。
まずはフォワ・グラの下処理です。 ほとんどの研究生が初めてフォワ・グラを処理しますが、血管の位置をしっかりと理解し、手際よく下処理を行っていました。
下処理が終われば筒状に成形して真空パックに入れて、さらに一度お湯に落とし、しっかりと密着させます。
そのあと蒸して火を通して完成となります。 テリーヌは作成してから1週間ほど経過してから食べる方が味がなじんで美味しいとおっしゃっていました。
次に各班に分かれて料理を3品作成しました。
・Noix de st-jacques en habit de poitrine fumé escalope de foie gras poêlé, jeunes carotte
この料理はホタテ貝と姫人参を合わせた、1皿に海のものと山のものを合わせた料理です。 ホタテにはベーコンを巻きフライパンで焼きます。 ソースは鴨の出し汁を煮詰めて凝縮させた鴨のソースです。
お皿の中央に焼いたフォワ・グラを置き、周りにホタテ貝と姫人参を盛りつけ、ソースを注ぎます。 最後に乾燥焼きしたベーコンとフライにした姫人参の葉を盛りつけて完成です。
・Œuf poche et son escalope de foie gras à la bourguignonne
bourguignonneとはブルゴーニュ風のことで、主に赤ワインや小玉ねぎ、ベーコン、シャンピニョンを使用した料理につけられることが多いです。 今回はフォワ・グラを作るために肥大した鴨の胸肉である「マグレ」をラルドンに見立てて、赤ワインのソースと合わせました。 つけ合わせにポーチドエッグ、ほうれん草のソテー、クルトンを添えて完成です。 クルトンはフォワ・グラを焼いた後の脂を使用しているので風味豊かに仕上がっています。
・Parmentier de canard aux morilles et sa pépite de foie gras
Parmentierとはじゃがいもをたっぷりと使用した料理の表現です。 今回じゃがいもはピューレにし、フランスの伝統料理である「アッシ・パルマンティエ」と同じように、身をほぐした鴨のコンフィの上に組み立てます。じゃがいもの上にはポワレしたペピート・ド・フォワ・グラを置き、フォン・ド・キャナール、モリーユ茸の戻し汁、生クリームで火を通したモリーユ茸のソースを添えます。飾りにはポロねぎのフライとパセリのみじん切りを飾って完成となります。
フランス料理にとって切っても切り離せない食材であるフォワ・グラの歴史、下処理の仕方、調理法など 様々なことが学べた1日だったと思います。この経験を今後の実習やムニュ・スペシオ(卒業制作)などに生かしてくれると思います。
最後にシェフを囲んで記念撮影を行いました。


