可愛い地方料理『Pézenas ぺズナス』
フランスの5月は連休が多く、プチ旅行に出かけるにはお勧めです。
気候も温かくなってきたので、今回の旅ではフランス南西部にあるAgde(アグド)という町に行ってきました。火山岩で作られた教会やビーチリゾートとして有名です。
過去に何回か訪れている場所なのですが、そういえばアグドを拠点にして近くの町など行っていないと思い、周りにはどんな町や村があるのだろうと地図を広げると、どこか聞き覚えのある名前が・・・。
それがPézenas(ぺズナス)という小さな町。確か地方料理を勉強している時に見たような記憶が?
さっそく調べてみると、やっぱりあのペズナス!日本ではメジャーではありませんが、Petit pâté de Pézenas(プティ・パテ・ド・ぺズナス)というボビン型をした小さなかわいい形が愛らしい小型のパテ。
どんなものか食べたくなり、アグドから車を走らせて30分。ペズナスに到着しました。
とても小さな町ですが、中世の街並みが美しい旧市街、アンティークショップが立ち並ぶ通り、中心にはお土産屋さんやセレクトショップがひしめき合う狭い路地が広がっており、とても素敵な街です。
ではプティ・パテ・ド・ペズナスとは・・・?
1766年、イギリス人のLoad CLIVE(ロード・クライヴ)というインド総督が病気療養のためにこの町で滞在した時のこと。同行していたインド人の料理人が香辛料と砂糖の入った羊肉のパテを作り、その後、ペズナスのパティスリーがこの地方全域に広めたとされています。周りの生地はラードやバターが練り込まれており、一般的なタルトの生地と比べるとコクのある味わい。詰め物は羊の肉やケンネ脂、カソナード(さとうきびから作る茶色い砂糖)、レモンの皮、香辛料を混ぜて作られています。インド料理のキーマやナン、イギリス料理のミンスパイから着想を得たそうです。甘じょっぱい味なのでアペリティフに最適、地元ではサラダを添えて食べる、とお店の店員さんから教えてもらいました。
今回はペズナスにある7件のお店に伺いました。並べてみるとお店によって形や大きさ、組み立て方など様々です。
①プティ・パテの元祖『Maison ALARY メゾン・アラリー』
プティ・パテ・ド・ペズナスの伝統を守り続ける、5世代続く家族経営のお店です。ひとつずつ手作業で作られており、トータルで1番気に入ったパテでした。
生地:ラードの風味が豊か。
中身:ミンチは粗挽きタイプで存在感がある。中からシロップがトロっと出てくる感じと、穏やかなレモンの風味。生地との一体感がある。
形:生地を棒の先端に押し当てて形を作り、中身を詰めてから上生地をかぶせて焼いた、通称『押し当て型』。
値段:1.30€/個
オーソドックスのプティ・パテの他、変わり種としてロックフォールチーズ、ブランダード(干し鱈のペースト)、地中海風(フェタチーズといちじく)、大地と海(タコとイカ、トマトとハーブ)、ピサラディエール(アンチョビと炒めた玉ねぎ)、ベジタリアン(なすと豆腐)などのバリエーションが豊かでした。
②歩行者天国にある専門店『Atelier GUY アトリエ・ギィ』
プティ・パテのみが販売されていますが、小さなもの以外にもタルト型に敷き込んで作られた大きいものもありました。
生地:薄い生地なのでカリッと焼けた食感が好きでした。
中身:ケンネ脂が多めに入っており、甜菜糖も使用しているため甘みが強く、佃煮のような感じ。カソナードのジャリジャリも感じる。
形:こちらも『押し当て型』で作っていますが、生地がだいぶ薄く、下膨れ型。脂が多いので焼くと抜けて、空洞が多い感じ。
値段:1.50€/個
③スーパーマーケットで発見『Le Petit Scapin de Pézenas ル・プティ・スカパン・ド・ペズナス』
夕ご飯を買おうかなとスーパーマーケットに寄ったら、偶然見つけました!調べてみると町の外れにある工場で生産されているようです。
生地:あまり特徴が無く、粉っぽさが残る。巻きつけて焼くから、のりしろ部分の焼きが浅め。
中身:ペーストに近い感じの中身で、羊の香りやレモン残りは穏やか。
形:帯状にした生地を棒に巻いてから下生地に乗せ、中身を詰めてから上生地をかぶせて焼く、通称『巻きつけ型』。 生地が固いため、形が崩れずきれいなストレート型。
値段:1.08€/個 販売されているのは4個入りで4.30€。
④4世代続くチョコレート屋さん『Maison Lallemand メゾン・ラルマン』
1937年創業、4世代に渡り愛され続けるチョコレート屋さん。たくさんのチョコレートの横に、プティ・パテや各種パンも売られています。
生地:生地が薄焼きで傘の部分のカリカリ感がよく、生地は一番美味しい。
中身:細かめの肉の食感。甘味も強めで、ナツメグやシナモンが程よく効いている。
形:『押し当て型』で作成。形よりも味で勝負!
値段:1.50€/個
⑤老舗パン屋さん『Boulangerie Pauline ブーランジュリー・ポリーヌ』
街の中心にあるレピュブリック広場の近くで見つけました。地元のお客様から長年愛され続けている感じのパン屋さん。地域色のあるパンや伝統的なデザートなども置いてあります。
生地:こちらも帯の部分の火通りが浅め。
中身:ペースト部分と食感のバランスがよく、肉をほぐした時の繊維を感じる。大きいからなのか、他のものと比べると甘みが少なく、レモンの風味が少ない。
形:『巻きつけ型』で作成しており、ずっしりと重たく、高さや横幅が一番大きい。
値段:2.00€/個
⑥人気のお菓子屋さん『Pâtisserie Percheron パティスリー・ペルシュロン』
旧市街の近くにあるパティスリー。ショーウィンドーに置かれているプティ・パテを見つけたので、さっそく店内へ。
生地:練り込んだブリゼ生地に近い食感。焼きが浅い分、粉の風味を感じる。
中身:粗めなので肉っぽさを感じる。レモンの皮の香りもしっかりと効いている。
形:『押しつけ型』、上部が丸い形をしており可愛い。
値段:1.30€/個
⑦街外れにあるパン屋さん『Le Fournil de Pézenas ル・フルニール・ド・ぺズナス』
こちらのお店はぺズナスからアグドに戻る途中の街道で見つけました。ごくごく一般的なパン屋さんのようですが、ショーケースの真ん中に鎮座するプティ・パテを発見!
生地:生地の厚さが均一で、焼き色がとてもきれい。
中身:食感はネチッとしているが、風味のバランスがよい。
形:『巻きつけ型』で、美しいストレートな円柱状。
値段:1.30€/個
いかがでしたでしょうか?今回訪れたペズナスですが、ワインの産地でもあります。プティ・パテを食べながら、よーく冷やした地元産の白ワインと合わせたらとてもよく合いました。フランスには文献でしか見たことのない地方料理やお菓子が、まだまだあります。『今度の休みにはどこに行こうかな?』と地図を広げてにらめっこをしています。
『Maison ALARY』
9 rue des chevaliers de Saint-Jean, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 67 98 13 12
HP:https://www.petitpatepezenas.com/
『Atelier GUY』
9 rue Alfred Sabatier, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 34 45 05 91
HP:https://www.facebook.com/profile.php/?id=61572159575521
『Le Petit Scapin de Pézenas』
15 Avenue Camille Guérin, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 67 98 92 47
HP:https://www.facebook.com/people/Le-Petit-Scapin/100066832868176/
『Maison Lallemand』
19 Rue Chevaliers Saint-Jean, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 67 98 81 98
HP:https://lallemand1937.com/
『Boulangerie Pauline』
23 place de la République, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 67 98 18 41
『Pâtisserie Percheron』
41 cours Jean Jaurès, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 67 98 13 32
HP:https://www.facebook.com/PatisseriePercheron/
『Le Fournil de Pézenas』
19 Avenue de Verdun, 34120 Pézenas
Tél:+33 (0) 4 67 98 95 09


