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【リヨン近郊の新店舗から】製菓外来講習M.Yoann LAVAL(ヨアン・ラヴァル氏) / Chocolaterie Nuances (ショコラトリー・ニュアンス)

フランス校教壇から

2025.11.06

今回、外来講習にお越しいただいたのはヨアン・ラヴァル氏です。

ラヴァル氏はルレ・ベルナール、レ・テラス・ドゥ・リヨンなどのレストランで経験を積まれた後、リヨンにあるショコラトリー・デリス・デ・サンスでシェフ・パティシエを務められていました。2025年にご自身のお店をシャンパーニュ・オ・モンドールにオープンされました。
また、2015年に行われたシャランジュ・デセール・ア・ラシャットやトロフェ・パスカル・カフェというコンクールで優勝され、2018年にはワールド・チョコレート・マスターズのフランス代表として準優勝されています。


OREA
しっとり焼き上げたビスキュイショコラ生地に、食感のアクセントとしてノワゼットのプラリネ、チョコレート、クッキー生地を合わせたものを塗り、クレーム・ブリュレ、最後にキャラメルの生クリームとキャラメルソースで仕上げたお菓子です。

まずはバニラたっぷりのクレーム・ブリュレを作成し、次にシュトロイゼルと呼ばれる、ほろほろのクッキーを作ります。

一般的な配合と比べてバターが少ないので生地のつながりが弱く、よりほろほろとした食感を得ることができます。

次にビスキュイ生地を作成していきます。

メレンゲを入れふんわりとさせ、できるだけ短時間で焼くことでしっとりとした生地になります。

アシスタントを務めた研究生と一緒に作業していきます。生地を伸ばす作業は簡単に見えて難しい・・・!

生地の焼き上がりです。作ったシュトロイゼルが焼きあがればチョコレート、バター、ヘーゼルナッツのペースト、パイ生地を薄く伸ばして砕いたフィアンティーヌと混ぜ合わせていきます。温かいシュトロイゼルを入れて混ぜることでチョコレートを溶かすひと手間を省くことができます。

ビスキュイと同じサイズに伸ばし、焼きあがったビスキュイと接着します。冷やし固めたクレーム・ブリュレを置き、仕上げにはキャラメルのチョコレートで作ったシャンティを絞ります。バニラのさやをオーブンで1時間ほどパリパリになるまで乾燥させ、フードプロセッサーで粉砕したバニラを使います。より香り高く、またさやごと全て使うことができるのでコスト削減にもつながります。


シェフが持ってきてくださった自動の回転台を使って絞っていきます。口金の向き、当てる角度、距離を安定させなければいけず、すごく難しいですが、さすがシェフです!!

すごいスピードでどんどん仕上げられていきます。また、ハロウィンが近いということもあり、コウモリの形のチョコレートで可愛い仕上げを見せてくださいました!


あらかじめコウモリの形にカットしたフィルムの上にチョコレートを素早く薄く広げカーブしている型に置いていきます。



ナパージュを吹きかけ、最後に乾燥させたバニラのパウダー振り、キャラメルソースを絞れば完成です。ハロウィンらしいデザインで研究生たちからも歓声があがりました。

沢山質問もあり、シェフからは『常に良いアイデアを考えながら動き、先延ばしにしないこと。たくさん経験を積み、働くことが大事だよ』とアドバイスをいただきました。


研究生からコメント
『実際にシェフの隣で作業を見てみると、スピードの速さと正確さに圧倒されました。その中で、次の作業を先読みして準備し、段取りよく動くことの大切さを強く感じました。改めて普段の実習からも段取りを意識して行動しようと思います。また、フランスでのプロの現場のテンポを間近に感じられたのはとても貴重な経験でした。「若いパティシエへのアドバイス」を伺った際、シェフは「とにかくたくさん働くことが大切」と話してくださいました。実は、前回の外来講習でも別のシェフから同じ言葉を聞いており、改めてその言葉の重みを感じました。体調管理をしっかりして、毎日元気に働ける自分でいることを心がけながらたくさん経験を積んで学び続けたいです。』
『今回、外来講習のアシスタントを務めて、技術だけでなく、作業を美しく見せる意識も大切だと学びました。手際や材料の扱い方、作業の一つ一つに無駄がなく、綺麗で丁寧だったことが印象的でした。使っていた器具や機械も学校では見たことのないものばかりで、プロの現場との違いを強く感じました。この経験を自分の糧として積み重ねていきたいです。次回はシェフの動きと作業をよく観察し、流れを見越して動けるように努力します。』


Merci ! M.LAVAL!