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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第24講「マグロ」

新聞
美食地質学入門

2020.03.04

3月3日(火)の毎日新聞(夕刊)に「美食地質学入門」が掲載されました。

テーマ食材はマグロ

持続可能な漁業の必要性が叫ばれる昨今。
そんな中、延縄(はえなわ)漁船のみを受け入れている和歌山県の紀州勝浦漁港は、生マグロの水揚げ高日本一。
延縄船の船上ですばやく活け締めされ冷水保存(氷温)することで、鮮度を保ったまま港に運ばれる。
ブランド名を『紀州勝浦産生まぐろ』といいます。

熊野の山から流れ込んだ栄養豊な水は黒潮とぶつかり、そこで発生した植物性プランクトンを食べに集まった小魚を求めてマグロがやってくる様を、漁師さんは鮪が水を飲みに来ると表現しました。

この優良な漁場を抱える自然環境が紀州勝浦漁港のマグロの高評価を支えています。

ところで延縄漁業とは、大雑把に言うと船で海に長~いロープ(縄)を張って、そのロープに釣り針をたくさん吊り下げたもので魚を釣る方法。
そのロープは長いものだと100kmとか200km、釣り針の間隔も50mとか100mということで気が遠くなる位の大きなスケールの漁業です。

一網打尽に獲ってしまう網での漁に比べると、対象の魚種を絞ることができるため、比較的水産資源に対して優しい漁業という評価があります。

太平洋クロマグロは、その資源保護の必要性が叫ばれる中、世界レベルで漁獲量が厳しく管理されています。
日本でも年間の総漁獲量を決め、都道府県にも割り当てて規制を行っています。(TAC)

今回は和歌山県のご紹介で、「株式会社ヤマサ口水産」様より、「クロマグロ赤身」、「クロマグロ中トロ」、「メバチマグロ赤身」をご提供いただき、対談に臨みました。

紀州勝浦漁産のマグロの中でもとりわけ品質にこだわり、社長はじめ従業員のみなさんの優れた目利きで選び抜かれたマグロは、さすがの品質でした。

また、資源保護の観点から海のエコラベル(MSC)の取得に取り組んでいる最中で、衛生面でもHACCP認証を、世界対応のためにハラール認証も取得しているそうです。



さて、「鮪が水を飲みに来る」漁場は熊野の地質とどう関わっているのか。

巽先生の出番です。



料理担当は、日本料理・若林聡子先生。

メニューは、
・ねぎま鍋
・造り 鮪平造り 焙りで角造り
・ちらし寿司




▲ねぎま鍋(中トロ)


▲造り 鮪平造り(手前) 焙りで角造り(奥)


▲ちらし寿司

お酒は株式会社吉村秀雄商店から「車坂29BY山廃純米吟醸火入れ」をご提供いただき、マグロと。
杜氏は第18講の「岩ガキ」の回に登場した酒造りの神様・農口尚彦杜氏の弟子、藤田杜氏による「山廃」。


温めるとより旨味と香りが開くということで、途中から燗で。

巽先生も大満足で、説明にも力が・・・。
対談の詳しい内容は、新聞紙上及び毎日新聞ホームページをご確認ください。

(余談)
対談に先立って「株式会社ヤマサ脇口水産」を訪問しお話を伺った際、試食させていただいた「にぎり」で「へえ~~~!」

▲上段(左)メバチの中トロ、(右)メバチの赤身
 中段(左)メカジキ、(右)ビンチョウマグロ
 下段 マカジキ

味はもちろんですが、中でもビンチョウマグロの色のきれいなこと。
ホンマグロだけじゃなく、他の魚たちに対して良い意味で再認識!


次回は3年目に突入です。テーマは「シジミ」。

どうぞお楽しみに。