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毎日新聞「美食地質学」第41講 神仏融合と宇佐八幡

新聞
美食地質学入門

2026.10.07

2026年10月6日(火)刊行の『毎日新聞 夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわる料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。

第41講のテーマは「神仏融合と宇佐八幡」。
神々をまつる神祇(じんぎ)国家から、仏教の力によって国を守る鎮護国家へ。
その転換を進めた聖武天皇の政策のなかで、大きな役割を果たしたのが宇佐神宮(大分県宇佐市)の宇佐八幡でした。

なぜ、その舞台は宇佐だったのか。
大陸文化の影響を色濃く受けた地域の歴史に目を向けながら、宇佐名物のスッポンを味わい、その理由を探ります。

>毎日新聞「美食地質学」第41講 神仏融合と宇佐八幡 ― 大陸文化圏の「先行事例」
https://mainichi.jp/articles/20261006/dde/012/070/010000c(※閲覧には会員登録が必要です)

今回、料理と対談を担当したのは竹本正勝先生。

大分で古くから名物として名を馳せてきたのが、「安心院(あじむ)のスッポン」です。
天然物の時代から良質な産地として知られ、現在では養殖スッポンの一大産地として高い評価を受けています。

全国各地に養殖地があるなか、安心院産のスッポンを使用するのは今回が初めて。
竹本先生にとっても、非常に印象深い出会いとなったようです。

どんな料理になったのか、順にご紹介します。

一品目は「すっぽんの煮こごり」。

スッポン由来のコラーゲンでふるふるに固めたジュレに、エンペラと秋の根菜を閉じ込めた一皿です。
寄せ物にもゼリー掛けにも通じる仕立てで、スッポンのうま味が凝縮されています。

二品目は、「すっぽん仕立て 丸豆腐」。
スッポンのだしで仕立てた椀に、丸く仕上げたスッポン入りの卵豆腐を浮かべました。
独特の風味をもつ食材から丁寧にだしを取り、生姜や白ねぎなどの香味野菜で味をまとめる、王道ともいえる手法です。

スッポンの別名は「丸(まる)」。そして豆腐も丸い形に。
竹本先生によれば、「月とスッポンに見立てて」いるのだそうです。

続いては、揚げたてのスッポンのから揚げ。

大分県産のカボスを酸味に使った油淋ソースを合わせました。
柑橘にはスダチが使われることも多いですが、今回のスッポンにはカボスがよく合います。

煮物椀として登場したのが、「パンスープ煮」。
辻調理師専門学校の卒業生にはおなじみという、開校当初から受け継がれてきた伝統メニューです。

ポイントは、食パンを中心までじっくりと時間をかけて揚げ、「大きなクルトン」に仕上げること。

初めて名前を聞いたときは少し意外な料理に思えましたが、まさに温故知新。
揚げたパンにスッポンのスープがじゅわっと染み込み、何ともいえないおいしさでした。


〆は、すっぽん鶏卵うどんと、宇佐神宮の干しエビを使った「勝ち海老」ご飯。

料理に舌鼓を打ちながら、対談も大いに盛り上がりました。
巽先生もご満悦。話にも自然と力が入ります。

また、竹本先生はスッポンの各部位の特徴を人間に例えながらわかりやすく解説。
今回は髙木杏菜先生が助手を務めました。


お酒は、「いいちこ」で知られる三和酒類の「西の星」と、「和香牡丹 輪奏 純米スパークリング」を合わせました。
焼酎のイメージが強い同社ですが、日本酒やスパークリング清酒にも意欲的に取り組んでおり、その組み合わせにも驚かされました。

今回あらためて感じたのは、安心院のスッポンの質の高さでした。
上品で澄んだだしが取れ、身もやわらかい。それでいて味わいはしっかり。竹本先生も「料理の幅が広がりそう」と感じるほどだったとか。
名物と聞いてはいましたが、その評価に納得。安心院がスッポンの名産地として知られている理由を、料理を通して実感できた回でした。


今回の内容は、『毎日新聞』夕刊、あるいはデジタル版で掲載されています。ぜひご覧ください。


次回は、12月1日(火)の『毎日新聞』夕刊で掲載予定です。お楽しみに。