「はじめての天ぷら実習 奥が深いわ!」日本料理だけを学ぶ辻調! 日本料理本科のブログ5

日本料理本科生にとって今日は初めての天ぷら実習です!
天ぷらを美味しく揚げるコツを学びながら天丼2種類を仕上げます。

まずは全員で海老の下準備からスタート!
背ワタを取ります!そして殻をむく作業です。


天ぷらの海老はまっすぐ揚げないとプロとは言えません!
先生!まっすぐに揚げるコツを教えてください。
専門用語で「筋切り」と言って海老の腹側から5カ所切り込みをいれ筋を切ります!

そして背中側から指で海老をつぶすように押さえます!
そのとき耳には聞こえないけど指には「ブチッ!ブチッ」と筋が切れる感覚が伝わってくるのです。

手前の1尾は筋切りしていない海老ね、比べると約1.5倍の長さになった!

筋切りがちゃんとできているかどうかは半分に折りたたみ、
背中と背中が完全にくっつくかどうかで見極めるといいぞ!これでOK

今日は海老のほか、かぼちゃと舞茸を揚げます。

次は食材の表面に小麦をつけます!
専門用語で「下粉を打つ」と言いますが食材に天ぷら衣をつけた際
衣が食材からはがれにくくするためのものです。

余分についた粉は刷毛で落として、食材の表面に薄く均一につくようにします。

次は天ぷら衣を合わせていきます!これも個人ごとに作りますよ。


天ぷら衣の作り方その1!
卵黄と水をあわせて!これを「卵水」といいます。
卵黄にはコクとうま味がたくさんあり、天ぷら衣を美味しくします!
また衣が卵黄の色の影響で美味しそうなクリーム色に仕上がりますよ。
先生!卵白は使わないのですか?
オッいい質問ですね。
全卵を使うお店もありますが辻調では使いません!
理由は卵白の混じった衣を揚げると油の中で衣が膨らみやすくなり、
油から引き上げるとすぐにしぼんでサクサク感の寿命が短くなりやすいからです。
そーなんや
、覚えとこ!

天ぷら衣に使う小麦粉は粘りの少ない「薄力粉」*普段使う小麦粉と同じやつです。
ポイントは使う寸前に振るいにかけます!
先生またまた質問です!
なぜふるいにかけるのですか?
天ぷら衣を作るときのコツは衣に粘りを出さないこと!
振るいにかける前の粉は湿気により水分を含んでいます!
振るいにかけると粉がザルから落ちるとき空気に触れながら落ちるため水分が飛び、湿気が少なくなるのです!
湿気が少ない粉で天ぷら衣を作ると、粘りの少ない状態になりますね。
了解です


卵水と振るった小麦粉を合わせて粘りがでないように混ぜていきます。
先生!なぜそんなに太い箸で混ぜるのですか?
普通の箸に比べて超ビッグ! ごはん、食べにくそう。
答えは衣を作る際、混ぜる回数を少なくするためです!回数が増えるほど粘りがでてきます*注意
今回先生は衣を合わす際、太い箸で52回混ぜていたぞ!
細い箸だと200回は混ぜないと同じような混ざり加減にはならないぞ!

食材、天ぷら衣の準備が完了!
これから油で揚げていきますよ!

天ぷらを上手く揚げるには油にもこだわりがあります!
通常サラダ油を使って料理を作りますが天ぷらの場合は「胡麻油」が最適です!
食用油は過熱することでどんどん酸化していきます✖✖
天ぷらを例にとれば揚げれば揚げるほど油が傷み天ぷらがカラッと揚がらなくなります✖✖
ベトベトした天ぷらをイメージしてください✖✖~まずそう
サラダ油の場合は酸化が早く長持ちしません✖✖
胡麻油は長時間揚げても酸化しにくいことに加えて
風味がよく天ぷらをより美味しくしてくれます
しかし値段は超高級、サラダ油の約10倍しますよ
「エッそんな高いんや!」学生もびっくり


では一人ずつ揚げていこか!
ジュワッ~と油の中で海老がまっすぐ揚がっていますよ!いいね

天ぷらって楽しい~といった表情で揚げています
海老もピーンとまっすぐ揚がっていますよ。

オッ!こちらの学生は温度計で油の温度を測っています!
「先生がお手本で揚げたように、きっちり180度で揚げてみます」

こちらの学生は天ぷら店に就職します!いつも以上に顔が真剣だ!

揚げ始めて約20分が経過、学生も油の適温の見極め方がわかってきた様子です。

衣のかたさ加減は微妙にむずかしい、これは衣が薄かったなぁ~残念

これは海老が丸まっています
筋切りが不十分です✖

これは美味しそうに揚がっていますよ!天丼用の天ぷらとしては衣の付き具合も
はじめての天ぷら実習!成果を動画で確認してね!


今日は天丼として盛り付けます。
豪華にたのむよ!

天丼には天つゆをかけますが
下記A、B、2種類作り、食べ比べしますよ。
A・だし4:みりん1:醤油1
B・だし2:みりん1:醤油1
「どちらも美味しいけど、僕はBの方が好きです」

それにしてもボリューム大の天丼です。全部食べられる?
「食べます!」 あっそう

一人ニヤニヤとしています。よほど天丼が好きなんやろうね

天丼の食べ方のお手本のような学生を発見
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次回の実習も天ぷらです!
今日以上の完成度を期待していますよ。
おつかれさまでした!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川健
香川県出身。
私は35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。


