英語を使った接客を体験しよう!
Hi, everyone! How are you?
みなさん、こんにちは。ご機嫌いかがですか。
今回のブログでは、調理技術マネジメント学科2年生のうち、日本料理を専攻する学生が受講する
「料理のための外国語(英語)」で行われた「パフォーマンス発表」について紹介します。
まず、本題に入る前に...
旅行などで日本を訪れる外国人の数は、コロナ禍で大幅に減少した年もありましたが、
年々増加の一途をたどっています。
日本政府観光局の発表によれば、2025年上半期(1月~6月)の訪日外国人数は21,518,100人で、
6ケ月で2,000万人を突破したのは過去最速なのだそうです。
また、ある調査によれば、世界の英語話者数はネイティブスピーカー(母語話者)、
第二外国語として話す人々を含めて約15億人おり、これは全言語の中でトップにあたる数字だとのこと。
つまり、英語は世界で最も広く使われている言語ということになります。
そう考えると、英語を使って飲食店で訪日外国人に接客し、
料理を通して日本の魅力を伝えることができれば素晴らしいですよね!
日本料理の魅力を伝えられるように、そして、飲食店で外国人に接客できるようになることを目的に、
本校では英語の授業が行われています。
さて、前置きが長くなりましたが、これより「パフォーマンス発表」について紹介していきます。
パフォーマンス発表とは、英語を話す外国人が飲食店を訪れたことを想定し、
英語を話す客に対して店員も英語を使って接客するロールプレイング形式の発表です。
日本の飲食店を訪れる訪日外国人の数も増加し、外国人のお客さんに対して
世界規模で使用される英語を使って接客する技術が必要とされるようになりました。
その技術獲得に向けて実施されている取り組みがパフォーマンス発表なのです。
学生たちは2人1組のグループとなって「お客様役」と「店員役」に分かれ、
「出迎え・座席誘導→飲み物の注文・提供→料理の注文・提供→会計→見送り」という
一連の流れの英語の台詞(原稿)を作成、披露します。
ではここで、あるクラスの原稿作成作業の様子を覗いてみましょう!



原稿は全てパソコンを活用してデータで作成します。
原稿データはグループ内で共有できるようになっていますので、役割分担して作業を進めることができます。
最終的に2人でロールプレイをする訳ですから、準備時のチームワークも大切にしなければいけませんね。
原稿が完成したら、リハーサル(動作確認)を挟んでパフォーマンス発表本番を迎えます。
それでは、パフォーマンス発表の様子を写真と共にお伝えしていきます!
こちらはお客様役の出迎え場面です(左側が店員役、右側がお客様役)。

一通り確認が済んで、お客様役を座席に案内しています。
ジェスチャーもしっかり取り入れられていますね!Great!

こちらは小物提供(おしぼり、水、メニュー)と飲み物の注文の場面です。
店員:Ill be back with your drink.
(アイル ビー バック ウィズ ユア ドゥリンク <訳>すぐにお持ちいたします)
「(飲み物を)すぐにお持ちいたします」を伝えるには、
I'll be back with your drink.
(アイル ビー バック ウィズ ユア ドゥリンク)と言えばいいんです。
某ハリウッド映画でおなじみの台詞にそっくりですね(笑)
こちらは店員が生ビールを客に届けた後の様子です(机上の奥側左手に見える湯吞みが生ビールの代わりです)。
店員:Thank you for waiting.
(センキュー フォー ウェイティング <訳>お待たせしました)
Here's your draft beer.
(ヒアーズ ユア ドゥラフトゥ ビアー <訳>こちらが生ビールです)
「お待たせいたしました」は
Thank you for waiting.
(センキュー フォー ウェイティング)
というたったの4語で伝わります。覚えておくと便利ですね。
飲み物の注文が終わった後は、おすすめ料理の紹介から始まります。
料理の名前を伝えるだけでなく、その料理の簡単な特徴(作り方、見た目など)も伝えることになっています。
やや専門的な内容を扱うことになりますが、
こちらの班の店員役(右側)はしっかりと英語で伝えることができていました。Well done!
そして、お客様役は店員役が紹介した料理を注文。その料理を店員役が運んできます。
店員役はただ料理を運ぶだけでなく、その料理をよりおいしく食べる方法も紹介します。
こうしたサービスも大切ですよね。

さて、いよいよ終盤、会計場面に移ります。
ここでは店員が客に支払い方法(現金またはクレジットカード)を確認しています。

クレジットカードで支払うお客様役には店員役が署名の記入を求めます。
実際に署名している訳ではありませんが、持ち前の(?)演技力を発揮して
署名しているように見せかけています。
Nice performance!

会計処理が済んだらクレジットカードやレシート、(現金払いの場合)お釣りをお客様役に返します。

こちらも同じような場面です。
2人ともいい笑顔でパフォーマンスをしています!
Beautiful smile!
英語の台詞を覚え、その上動作を交えて話すというのは、決して楽なことではありませんが、
このように楽しみながら取り組むことができるといいですよね。
因みに、見学者たちは評価シートにパフォーマンスの評価を記入しました。
他者のパフォーマンスを観察、評価することも大切です。
以上、パフォーマン発表の様子を紹介いたしました。
パフォーマンス発表に参加した皆さん、お疲れ様でした。
これまで皆さんが受けてきた英語の授業の中で、英語を話すだけならともかく、
英語を話しながら何らかの動作をする、
それも、飲食店という設定でお客様役と店員役を英語で演じるという機会はほとんどなかったことでしょう。
「英語でパフォーマンスとか絶対無理やし...」
「(本番時に)絶対台詞飛ぶわ」
パフォーマンス発表実施にあたり、そんな声もちらほら聞こえてきました。
勿論、上手くパフォーマンスができた人とそうでない人がいたのは事実です。
しかし、後日実施したアンケートで
「実際の現場で使えると思う」、「予約の確認や提供の仕方が分かるようになった」、
「ペアの人と楽しくできてよかった」といった声が聞こえ、運営面で苦労する部分がたくさんあったものの、
パフォーマンス発表を実施してよかったと思えました。
本番時の出来・不出来に関係なく、パフォーマンス発表は皆さんにとって貴重な体験となり、
能力の向上に繋がったのではないかと考えています。
もし今後、飲食店で接客中に外国人が来店した時は、
今回のパフォーマンス発表を是非思い出してください。
「あの場面ではあんな台詞があったな」
そう感じて上手く対応できれば、また一歩成長することができるでしょう。
パフォーマンス発表だけに限らず、今後の授業でも外国人への接客に役立つ英語表現はたくさん出てきます。
毎回毎回の英語授業を大切にして、是非外国人に英語で接客する力を身につけてください。
これからの日本の食を担う皆さんの力に期待しています!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
多田羅 平(たたら たいら)
担当科目:料理のための外国語(英語)、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ
みかんで有名な愛媛県出身。
日本料理の中で特に好きなのは握り寿司と刺身です!
日本料理は今や「ユネスコ無形文化遺産」に登録されている日本の宝です。
そんな日本料理について学生たちが英語で伝えられるようになるにはどうすればいいのか、
日々奮闘しています。


