料理に必要な〇〇の話!
みなさんは、料理を作る時に必要なことは何だと思いますか?
調理技術、体力、表現力、経験、料理に対する熱い想い!・・・など色々あるかと思いますが、
料理を作る時に使用する「食品についての知識」を身に着けることも大切です。
料理には様々な食品が使われます。
また、同じ食品でも、いろんな種類があり、特徴も異なります。
料理をどのような見た目、味、食感などに仕上げたいかによって、
目的に合った食品を選び、その食品の特徴を理解して調理しないと、
折角の食品が台無しになってしまうこともあります。
調理師学科の1年生では、「食品と栄養」という授業があり、
食品の特徴を学び、それぞれに適した調理方法や料理を学んだり、
病気を予防・改善できる食事や子どもや高齢者など、年齢に適した食事などの理解を深めていきます。
今回は、「食品と栄養Ⅲ」で行った野菜の授業にお邪魔して、
学生のみんながどんなことを学んでいるのか、ご紹介していきます!
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「食品と栄養」の授業では、講師がスライド等を使用して、説明を行います。
みんなしっかり聞いていますね。
授業プリントがデジタル配布されるため、学生はノートパソコンで書き込みを行っています。
野菜の授業では、料理によく使用する野菜を中心に、
主な種類や栽培方法、見た目や香り、味などの特徴、
含まれている栄養素をはじめとする成分の特徴などを学習しています。
ちなみに、厚生労働省が推奨する1日に必要な野菜の量は、350g以上といわれています。
以下の写真が1日の野菜350gの例です。
「意外といけそう!」と思う学生もいれば、
「普段、自分はこんなに摂れていないなぁ・・・」と思う学生もいたり。
このように、授業では実物サンプルも回覧しているので、
学生は、それぞれ350gの見た目と重さを実感することができたようです。
さて、ただ野菜といっても、いろんな種類があります。
たとえば、かぼちゃ!
みなさんがよくスーパーで見かけるかぼちゃはどちらでしょうか。
左のかぼちゃの方がよく見かける、よく食べる、という人が多いかもしれません。
では、右のかぼちゃは?
左にくらべると小さくて、果肉の色も薄く、皮の溝の入り方も違います。![]()
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左は『西洋かぼちゃ』、右は『日本かぼちゃ』という種類です。
見た目だけでなく、含まれる成分の量の違いもあるので、料理に使用した時の仕上がりも異なります。
左の『西洋かぼちゃ』は、「でんぷん」という成分を多く含むため、加熱をすると甘味が強くなります。
また、食感はほくほくしています。
一方、右の『日本かぼちゃ』は、『西洋かぼちゃ』にくらべて「でんぷん」が少ないため、
加熱しても甘味が弱く、食感はほくほくしていません。
ということは・・・
甘~いかぼちゃのサラダを作りたい!という時は、『西洋かぼちゃ』。
煮崩れさせたくない、飾り切りをしたかぼちゃの煮物を作りたい!という時は、
『日本かぼちゃ』が適していますね。
特徴を理解し、料理に合わせた食品を選ぶ知識を持つということは大切ですね。
授業では、種類ごとの特徴も講師のスライドや実物サンプルなどで確認していきます。
回覧サンプルは、見た目だけでなく、触ってかたさを確認したり、
香りはどうか嗅いで確認している学生もいました。
続いて、トマトの授業。トマトは、大きさによって種類が分けられます。
先生が手に持っているのもトマトです。
「え、こんな小さなトマトもあるの⁉」と思った人も多いかもしれません。

回覧で回ってきたサンプルを見ると、大きさの違いもよくわかりますね。
トマトの回では、試食も行いました。
試食したのはこの2つのトマト。
まず、見た目にも大きさが違う!というのが分かると思いますが、元は同じ種類のトマトです。
左は一般的によく出回っている『桃太郎』というトマト。
右は栽培方法を工夫することで、甘味が強くなった『フルーツトマト』。
さて、右の『フルーツトマト』はどれくらい甘味が強いのでしょうか。
まず食べる前に、見た目や香りの違いはどうか確認。
続いて、口に入れた時の香りや味はどうか確認。
確認した結果は、専用のワークシートに記録していきます

2つを比較して試食することで、違いが良くわかりますね。
続いて、なすの授業では・・・この回覧サンプル!
え?これ全部なす?と思った人も多いかもしれません。全部なすです。
たとえば、一番長くて大きいなすは、『大長なす』。
一番小さいなすは、『小なす』。他のなすとくらべるととても小さいことがわかりますね。

なすは種類によって皮ごと食べられるものもあれば、
皮がかたいので皮をむいてから使用するものもあります。
また、果肉のやわらかさも種類によって異なります。
学生は、回覧で、少し指で押して、固さ具合をしっかり確認していました。
なすを使用した料理には、ラタトゥイユやグラタン、麻婆茄子、漬物、天ぷら...といろいろありますが、
なすの種類ごとの特徴を知っていると、どの種類を選んだらいいかがわかりますし、
どのように調理したらいいか注意点などもわかりますね。
野菜の授業の後は、果物についても学習する回もあります。
そして、学習した野菜や果物を使用して、パスタランチ(サラダ、パスタ、デザート)を考える
メニュー考案の授業もあります。
みんな真剣ですね

今までの授業プリントを見直しながら、なすはどの種類がいいかな~
パスタのトマトソースに向いているトマトの種類は何だったかな~と確認したり。

各自、いろいろ調べながら、今までの授業で学習した知識を活かして、
しっかりメニュー考案をすることができていました。
【メニュー考案例】
今回【食品と栄養】で学習した野菜と【調理理論西洋】で学習したパスタを使用して、
『ツナとフルーツトマト、水なす、ズッキーニの冷製スパゲッティ』。
↓↓ 
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食品と栄養の授業は、料理に欠かせない知識がいっぱいです。
しっかり学習することで、このようにメニュー考案として知識を形にすることができます。
後期には学内で「メニューコンテスト」があります。
さらに素敵なメニューを考えられるように、みなさん頑張ってくださいね!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
酒井芙弥子
担当授業 「食品と栄養」「栄養学」
日課は、家で育てているアボカドとコーヒーの木のお世話
実がなるにはまだかかりそうです...


