TOKYO

エコール 辻 東京

ブログ

日本ならではの楽しみ 四季と器

在校生ブログ
辻日本料理マスターカレッジ

2014.06.04

日本には四季があります。
春夏秋冬。

 

大雑把に言うと、世界の半分の国には四季がなく、
もっと言うと、春と秋が存在する日本ほど、四季が明確な国は稀有なようです。

 

5月28日、日本食文化概論の講義に、東京「大文字」の内木孝一先生が来て下さいました。

 

短時間でとても濃厚なお話をして下さいました。
特に興味を引いたのが、海外と日本の器の違いです。

 

私はイギリスに住んでいたのですが、

近くにストークオントレントいう器を作る工場がたくさんある地域があり、よく行っていました。

 

ロイヤルドルトン、ウェッジウッドなど、名だたる老舗の工場があり、現地の人もよく行く場所です。

私も幾つか購入したのですが、

その時には、洋食器と和食器の違いなど考えず、ただ気にいったのを購入していました。

 

器の中でも主役級の白のオーバル(円型)のウェッジウッドですが、

それで盛付けられない料理があります。


寿司と刺身です。

 

20140602images.jpg 

写真は、マンチェスターの友人がパリで食べた寿司です。

日本ではまず見られない盛付けだと思います。

おそらく、前菜として寿司を供したのだと思います。

 

この写真を見て、ネイティブの英国人は「Classic!」とコメントしました。

私は「Original!」とコメントしました。

 

日本人の私には斬新に見えましたが、英国人には古風と見えたのです。

 

洋食器の多くは基本の色が白であるのに比べ、

和食器は、形、色が様々。

加えて、そこに描かれる絵が四季に合わせて多様というのが、

大きな相違点だと教えて頂きました。

 

20140602image_1s.jpg

写真は普段実習で使用しているものです。

右下の麦藁手飯茶碗は稲穂を表現したもので、特にお気に入りです。

 

20140602image_2.jpg

そして吸物椀日月です。

魯山人は「じつげつ」と呼んだそうですが、辻では「にちげつ」と呼んでいます。


通常、太陽を表した金を正面にお出ししますが、

月が綺麗な時は、月を表現した銀の方を正面にします。


季節とその日の食材に合わせて選択する器は、料理人のセンスだというお話と、

普段の実習に使っている器のよさ、幅の広さを知り、学校の器のことをもっと知りたくなりました。


【プロフィール】
辻日本料理マスターカレッジの、マンボウです( ´ ▽ ` )ノ
京都から上京してきました。
日本の伝統文化が好きで、歌舞伎、落語、文楽、能楽を鑑賞したり、
ミニチュアの着物を自作してます。
海外で日本料理、寿司の紹介をひっそりしていましたが、
もっと、本格的にしたくなりました。