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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏)/Maison Decoret(メゾン・デコレ)

フランス校教壇から

2014.08.27

ジャック・デコレ氏はオーヴェルニュAuvergne地方にある、温泉保養地として有名な町、ヴィシーVichyの
1ツ星レストラン「メゾン・デコレ」のオーナーシェフです。


「ラ・コート・サン=ジャックLa Côte Saint-Jacques」、「トロワグロTroisgros」、「アルページュArpège」、
「レジス・マルコンRégis Marcons」などの有名店で勤務されたことがあり、M.O.F.の受章者(1996年)でもあります。


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デコレ氏は非常に優れた発想と感性の持ち主で、素材の選び方、テクニック、食材の組み合わせ方、どれを取っても
興味深く、数多くのお客を魅了してきました。
特に、素材の持ち味を最大限に引き出すことを重んじ、料理に必要ないと考えたものは一切使用されないそうです。
それは、出し汁、ワイン、香味野菜なども同様で、今回の授業でも、コンソメにはベースとして出し汁を使用するものですが、
水のみで煮出していました。お店でも、様々な用途のある「鶏の出し汁」は仕込んではいるものの、より味のしっかりした
ブイヨンや子牛の出し汁などは全く使用しないとおっしゃっていました。


デコレ氏の基礎となるテクニックはぶれず、基本に常に忠実であるため、氏の作る料理はプロからも注目されています。


Le foie gras de canard et l'avocat mur
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フライパンで焼き上げたフォワ・グラの上に、いか墨と合わせた乾燥パン粉、黒こしょうを細かく砕いたものがのっています。
アボカドはくし形に切り、すりおろしたレモンの皮、レモン風味のオリーブ油で味を調えています。ひいかの胴とゲソは、
充分に熱したオリーブ油でさっと火を通した状態になっています。いかのコンソメを別に添えています。いかと砂糖、
水のみでとったコンソメで、砂糖をカラメル状になるまで焦がしたもので色を付けています。


Mousseline de chou fleur et semoule de blé pour une daurade royale sauvage cuite à l'étouffée
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主材料はたいの上身。低温のオーブンで芯温が47度になるまで加熱したあと、油を使わずに高温に熱したフライパンで
皮目をこんがりと焼き上げます。上にはクスクスと生のまますりおろしたカリフラワーを混ぜて、さっと水分を飛ばすように
アルガンオイルで炒めたものと、生のまますりおろしたロマネスコがのっています。たいのまわりにあるのはカリフラワーの
ピュレ。スパイス各種(パプリカ、クミン、ジンジャー、ターメリック、パセリ、にんにく、エシャロット、レモンの皮、水、
オリーブ油、砂糖)をハンドミキサーで混ぜ合わせ、ソースとしています。