"グレーテル"のスタジオから【『パンどろぼう』のぼうしパン】
7月1日放送の「グレーテルのかまど」は、いかがでしたか。
今回の、グレーテルが残したメッセージは
「どろぼうがぼうしを狙ってやってくる」
今宵ひもとくのは、柴田ケイコさんの絵本『パンどろぼう』と「ぼうしパン」の秘密です。
パンをこよなく愛する大どろぼうを描いた絵本『パンどろぼう』は
2020年に第1作が出版され、現在シリーズ累計300万部を突破している人気の絵本です。
作者の柴田さんが生まれ育った高知県で、ご当地パンとして親しまれている「ぼうしパン」。
昭和30年頃に、メロンパンを作ろうとして材料を用意し忘れ、
ほかのもので代用したら、偶然、帽子の形になり生まれたという「ぼうしパン」。
形も味もよかったのですっかりご当地パンとして定着した「ぼうしパン」。
今回は、そんな不思議で可愛い「ぼうしパン」に挑戦します。
レシピ指導は、小野達也先生。
ぼうしパンは、中身になる生地と、帽子の表面やツバの部分になる生地の
2つのパートからできているんです。
まずは、中身になるイースト入りのパン生地を作ります。
強力粉、グラニュー糖、塩、脱脂粉乳、バター。そこにイーストと卵黄、水を混ぜます。
この生地、いつもより水分を多くしているんです。
ぼうしパンの、柔らかくてふんわりした感じを出すために。
生地の水分量を多くすると、気泡が大きくなって、
その分、焼き上がりがふんわり、しっとりするんだって。
生地がやわらかいので扱うのも大変。こねるときに手に生地がくっついてきます。
作業台のうえでのばして、こねて、丸めて、叩きつける。
これを何回も何回も繰り返していくうちに、生地がまとまってきます。
まとまったら、生地をひろげてバターを包んで
再び作業台に生地を擦りつけるようにして混ぜ合わせ、叩いてこねて。
生地が仕上がったら、かまどのアレンジで、柑橘の風味を加えることに。
柚子ピールと、柚子リキュールを混ぜ込むことで、
柑橘類の栽培がさかんな高知県のご当地パンをより強調します。
柚子ピールを細かく刻んで、柚子の香りたっぷりのリキュールを混ぜ込んだものを
生地に練り込んでいきます。
偏りなく生地全体に混ぜ込んでいくのが大事。
ぼうしの中身の生地が仕上がったら、室温で60分、発酵させます。
次は、いよいよ、帽子の表面とツバになる部分の生地作り。
この生地は、バター、グラニュー糖、薄力粉、卵を合わせますが、
卵の量をあえて少なめにして、柔らかい生地に仕上げます。
そうすることで、これを中身の生地の上にかけたとき、流れ落ちてツバの部分ができるんです。
発酵が終わった中身の生地を50gずつに切り分け、
その上に今作った生地をぐるぐる円を描くように絞り出していきます。
するとあ~ら不思議、
オーブンで焼いていると、ぐるぐる巻きにした生地がだらりと流れ出して、
ちょうど帽子(ハット)のツバのように360度全体に広がるのでした。
ここに卵白と粉砂糖で作ったアイシングでリボンを描くと、ますます帽子っぽくなりますね。
ゆずの香りが口中にひろがって、ツバの部分のサクッとほんのり甘い味わいと、
中身のパンのふんわりした食感のコントラストが素晴らしい、ユニークで可愛らしいぼうしパンでした。
パンどろぼうの「ぼうしパン」のレシピはこちら
月曜日の夜は、「グレーテルのかまど」をお楽しみに!
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「グレーテルのかまど」https://nhk.jp/kamado
毎週月曜日放送 22:00~22:25(NHK Eテレ)
【再放送】翌月曜11:05~11:30(NHK総合)、翌水曜15:10~15:35(NHK Eテレ)
★「グレーテルのかまど」過去放送分の裏側やレシピはこちら↓
https://www.tsuji.ac.jp/hotnews/cat621/cat709/index.html
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