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毎日新聞「美食地質学」第23講 ヨーロッパと日本の水 西洋料理

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美食地質学入門

2025.02.04

2月4日(火)刊行の『毎日新聞・夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。

「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。

第23講のテーマは「ヨーロッパと日本の水」。
水の違いについては、これまでにだしや酒を題材に探究してきました。
今回の記事では、硬水を日常的に使うヨーロッパの料理を食べながら、「なぜ日本は軟水で、欧州は硬水なのか」を解き明かすという試みです。
実際に、硬度が大きく違う水を用いて料理を作り、食味実験をおこないました。

>毎日新聞「美食地質学」第23講 ヨーロッパと日本の水
https://mainichi.jp/articles/20250204/dde/012/070/003000c(閲覧には会員登録が必要です)

対談は、辻調理師専門学校の日本料理・松島愛先生が担当しました。
松島先生は、イタリアやスペインなどで日本料理を作る業務に携わったことがあります。
その時の経験と苦労・工夫を語るところから対談はスタートしました。

巽先生(右)と松島先生(左)

最初に先生たちの目の前に運んでこられたのが、製法は同じで、それぞれ硬度違いの3種類の水で作ったバゲット。
水は、①超軟水(硬度≒0の純水)、②軟水(硬度40程度の水道水)、③超硬水(コントレックス)です。

今回の美食地質学は実験DAY!

製パンの梶原慶春先生が実際にバゲットを作り、その違いについて解説しました。

パンの説明をする梶原先生。初めての内容にみんな興味津々。

実は対談の前に、焼きたてバゲットのクラック音が聴けるチャンスがあり、あわてて移動してパンの教室にお邪魔した巽先生ご一行。
動画を回したので、ここでおすそ分けをします。
焼きたてバゲットのクラック音.mp4

次は、西洋料理の片山祐子先生が、硬度違いの水2種類を用いてフォン・ド・ヴォライユ(鶏のだし汁)を引きました。
他にも、パスタを茹でてその違いを確認してみることに。

左が超硬水、右が軟水で引いた鶏のだし汁。
見た目からして明らかに違うのはわかりますね。
もちろん味わいも異なります。これだけ大きく違いが出ると、料理への影響も大きそう。

実験ばかり?料理ももちろん用意しています!
片山先生が作った料理に、梶原先生が作ったバゲットを合わせました。

前菜は、サーモンのブルスケッタ、帆立にバゲットで作ったパン粉をまぶしつけたブラックオリーブ焼き、そしてパンツァネッラ(パンのサラダ)です。とことんパン尽くし。

そして、野菜とお肉がゴロゴロ入ったポトフ!

ポトフはフランスの家庭料理。
日本で言えばおでんになるでしょうか。寒い季節だからこそうれしい料理ですね。

「この料理にはサクッとしたバゲットが合う」や、「いやいやモッチリが合う」やら、料理に合わせるパンの嗜好で盛り上がる先生たち。

ビールのひとつが変わり種だったので、片山先生は急遽「裏メニュー」のフレンチトーストを用意してくれました。

パン作りは、製パンの中村紘尉先生が助手としてサポートしてくれました!


梶原先生と中村先生

ちなみに今回の飲み物はビール各種でした。ベルギーのデュベルとキリンのラガーです。
ほかには、京都醸造株式会社のエール(週休6日、冬の気まぐれ、一昼夜メキシカンコーヒースタウト編)、ラガー(新天地 フェストビア編、新天地 ライスラガー編、いただきます)です。

こちらの内容は、毎日新聞のデジタル版でもご覧いただけるので、ぜひお目通しください。

次回の『美食地質学』は、3月4日(火)の毎日新聞夕刊で掲載予定です。お楽しみに!