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『落語食堂 らくしょく』開店!(41日目)

新聞
落語食堂

2015.10.06

毎日新聞夕刊(関西版)10/6(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「三十石」。

京都から大阪へ帰る三十石船の道中で起こる
様々な出来事が描かれているお噺。

今回も想像力豊かにお噺の世界観を料理で表現したのは
日本料理の竹本正勝先生





京都は伏見から大阪への出発ということで
伏見の吟醸酒を燗にして。

竹本先生が最も落ち着くというカウンター越しの
割烹スタイルで、今回も取材がスタートしました。





1品目は、「牛蒡のすり流し仕立」





三十石船の道中でくらわんか船に出くわす。
「酒くらわんか~ 飯くらわんか~ ごんぼ汁くらわんか~」

ここでいう "ごんぼ汁" は、けんちん汁なのですが、
竹本先生は "ごぼう" で攻めます。

牛蒡を出汁で炊いてすり流した一品。
中にはうなぎの白焼きが入っており、
竹本先生が目の前で仕上げてくれます。








「粕汁かと思いました(笑)
香りは牛蒡だけど、口当たりが・・・」という吉坊さんに、

「牛蒡感を残すために、ざらざらな食感に仕上げました」と竹本先生。


続いて、「鶉挟み焼き」





松茸で鶉の肉をサンドして焼いているのですが、
この焼き方が面白い。




しっかり挟んで焼き上げるために串を打つのですが、
串を固定するために大根を使うんです。
日本料理のおもしろい技ですね。

では、吉坊さんの実食&レポートを!





「タレがかかっていても松茸の香りがするんですね。」

本当においしそうです。

ここで鶉の捌き方についてプチ情報が・・・
「フランスでは、首を絞めて窒息させて体中に血を巡らせることで、
敢えて野種の臭みを残すんです」と。

「そんな話を聞きながら食べるなんて...」と吉坊さん。

この鶉はそんな捌き方をしていませんのでご安心を。


最後に、「助六寿司」





三十石船のことを描いた「すし食いねえ」の浪曲に合わせて。
いなり寿司と太巻きの黄金コンビですね。

「伏見稲荷とかけたいなり寿司の中には、
食感で麻の実を入れています」と竹本先生。

すると吉坊さん、「おいなりさんって人気なのに
お寿司屋さんでは頼まないですよね。
おいなりさんってどこにあるんでしょう。」

確かに、そうですね!

そして、巻き寿司を食べるとき、
カメラマンの方から「笑顔でこちらを向いて・・・」と
たくさんの指示を受け、大爆笑のお二人。





「この三十石はものすごく長い噺ですが、
面白い噺は長く感じないんですよ。」と吉坊さんが解説する。

一時期、このネタは質屋に入れられていたこともあるという。

「朝靄の風景が一番きれいな情景なんです。
あれだけ口の悪い船頭が乗っている船ときれいな情景との
コントラストがいいんです。」

「この噺は大きな世界を描いているけど、
1シーン1シーン拡大すると、とても細かいところまで
描かれているんです」と。

竹本先生曰く、
「どんなにきれいに見える料理でも、
丁寧な仕事をしていないとすぐにバレますからね。料理も同じです。」

深イイ話です。





この三十石、近々、吉坊さんも披露してくださるとか...?
楽しみですね。



本日のレシピはこちら