【学生ブログ】食と環境のつながりを考える
こんにちは。辻調理師専門学校 高度調理技術マネジメント学科3年の洋谷琉世です。
今回は、「食と環境ワークショップ」の授業で学んだ、
サラヤ株式会社の環境保全への取り組みについて紹介します。
私たちは普段、料理を作ったり食事をする中で、
食材そのものには意識を向けることが多いと思います。
しかし、その食材や食品に関わる原材料がどこで、
どのように作られているかまで考える機会は少ないのではないでしょうか。
私たちは今回の学びを通して、食や生活に関わる商品が、環境問題や野生動物の保護、
そして生産地で暮らす人々の生活とも繋がりがあるということを知りました。
サラヤ株式会社からお越し頂いた牧野さんの講義では
環境問題や持続可能なパーム油の利用など、
料理人にとして関わりがあるお話でとても良い経験になりました。
◆パーム油と環境問題について
サラヤ株式会社は、主に「ヤシノミ洗剤」などで知られる企業です。
昔、石油系洗剤による水質汚染があった時代がありました。
石油洗剤は泡が分解されないという特徴があり、川が泡だらけになってしまって社会問題となっていました。
その時代に植物原料を使用した洗剤「ヤシノミ洗剤」という商品を開発しました。
植物由来の原料と聞くと「環境にやさしい!」というイメージを持ちやすいですが、
今回の学びでは、そこにある課題についても考える必要があると感じました。
その一つがパーム油の問題です。
パーム油は食品や日用品など身近な物からありとあらゆるシーンで広く使われています。
しかし需要の増加によってアブラヤシ農園が拡大し、マレーシア・ボルネオ島などでは、
熱帯雨林の減少や野生動物の生活の分断といった問題が起きています。
「植物原料だから良い」と単純に考えるのでなく、
その原材料が作られる背景を知ることが大切だと感じました。
◆ボルネオの森と野生動物を守る取り組み
サラヤ株式会社では、ボルネオの自然を守るために、さまざまな環境保全活動を行っていました。
その一つが、「緑の回廊プロジェクト」です。
これは、アブラヤシ農園の拡大により分断されてしまった森をつなぎ、
野生動物が移動できる環境を取り戻すための取り組みです。
サラヤは、ボルネオ保全トラストを通じて土地の買い戻しを支援し、
「サラヤの森」として保全活動を進めています。
授業で行われたグループワークでは、パーム油の問題や野生動物の生息域の破壊などのテーマで
どのように解決するかなどの話し合いも行いました。
サラヤ株式会社はオランウータンのために「命の吊り橋」を設置する活動も行われています。
泳ぐことが苦手なオランウータンが、川で分断された森を移動できるように、
消防ホースを使った吊り橋を設置しているという内容がとても印象に残りました。
環境保全と聞くと、大きな森林を守る活動を想像していましたが、
動物が移動できる道をつくることも命を守る大切な取り組みなのだと知りました。
◆人と動物が共に生きるためには
ボルネオでは、森林伐採により森が減少することで、
ゾウやオランウータンなどの野生動物が生息地を失ってしまう問題があります。
サラヤは、傷ついたボルネオゾウやオランウータンを救出し、治療や移動を行う活動にも関わっています。
さらに、「フードコリドープロジェクト」では、ゾウが好む植物を川沿いに植えることで、
ゾウの移動ルートと食料を確保し、人の生活圏との衝突を減らす取り組みも行われています。
この話を聞いて、環境問題は自然だけの問題ではなく、人間の暮らしとも深く関係しているのだと感じました。動物を守ることは、同時に地域で暮らす人々の生活を守ることにもつながっているのだと思います。
◆持続可能なパーム油の利用
サラヤは、パーム油を使わないという選択ではなく、環境や生産者に配慮しながら、
持続可能な形で利用していくことを大切にしています。
その取り組みの一つとして、RSPO認証制度の普及や、小規模農家を支援する活動が行われています。
パーム油は食品にも多く使われており、私たちの食生活と切り離すことは難しい原料です。
だからこそ、ただ避けるのではなく、どのように作られ、
どのように使われているのかを知ることが大切だと感じました。
調理師を目指す立場として、食材を選ぶときには、味や価格だけでなく、
その背景にある環境や生産者のことにも目を向けていきたいです。
◆今回の学びを通して
今回の授業を通して、食と環境はとても深くつながっていることを学びました。
料理を作るとき、私たちは目の前の食材に意識を向けます。
しかし、その食材や原材料が生まれる場所では、森林の減少、野生動物の保護、
生産者の生活など、さまざまな問題が関係しています。
サラヤ株式会社の取り組みからは、企業が商品を作るだけでなく、
原料の産地や環境に責任を持ち、継続して支援していくことの大切さを学びました。
また、私たち消費者も、商品を選ぶことで環境保全に関わることができると感じました。
普段何気なく使っているものや食べているものにも、社会や自然とのつながりがあります。
今後は調理師として、ただおいしい料理を作るだけでなく、食材の背景や環境への影響にも関心を持ち、
持続可能な食のあり方について考えていきたいです。
そして、食を通じて人にも環境にもやさしい選択ができる料理人を目指していきたいと思います。
~プロフィール~
調理師専門学校 高度調理技術マネジメント学科3年
洋谷 琉世
日本料理を専攻しています。音楽を聴いたり散歩、体を動かす事が好きです。
先生方には迷惑をかける事が多いですが日々の学びを大切にし、
料理の背景も考えられる調理師を目指し頑張ります。


