【学生ブログ】一杯に込められた想い 〜秋鹿酒造と日本酒の魅力〜
こんにちは。辻調理師専門学校 高度調理技術マネジメント学科3年生の澤 敦大と、勝又 一颯です。
今回私たちのクラスは、『食と環境ワークショップ』という授業のゲストスピーカーとして、
1限目に「秋鹿酒造」次期7代目の奥 航太朗さん、
2限目に「PONFEshu」代表/唎酒師の岩船 翼さんにお越しいただき講義を受けました。
1限目の講義では、秋鹿酒造さんの農醸一貫という考え方について学びました。
秋鹿酒造さんは「一粒の米から一杯の日本酒へ」という理念に基づき、お米を育てるところから酒造りまで
全て自社で管理し、品質を追求していることが大きな特徴です。
まず印象的だったのは、日本酒の質は田んぼで決まるという点です。
秋鹿酒造さんでは・コシヒカリ・山田錦・雄町を栽培していて、
「それぞれの特徴を活かした酒造りを目指している」と、奥さんは仰っていました。
お米の種類でも、山田錦は粒が大きく、精米しても中心が残りやすいので酒造りに適した米であると学びました。
苗づくりではポット苗箱を用いて成苗まで育てておられ、そうすることによって、除草剤を使わずに、
田んぼに草が多く生える環境でもその草に負けない強い苗にすることができるのだと教えていただきました。
また、秋鹿酒造さんの自社田は大阪府の能勢町にあり、
昼は暖かく夜は寒い気候が、露地栽培の自然な環境でのお米作りに適しています。
さらに、無農薬循環農法も重要な柱であると感じました。
米ぬかや酒粕、籾殻、さらには雑草を田んぼに戻し、自然な肥料として活用します。
この取り組みに対し奥さんが仰っていた
「効率の面では課題も多く商業的な難しさも伴うが、
それでもこの方法で作られたものを必要とする人がいる以上、続けていく価値がある」
という姿勢に、私は感銘を受けました。
お米作りにおいて、窒素は肥料としてよく使われます。しかし、窒素を多く与えると収量は増えるものの、米が割れやすくなるというデメリットがあります。さらに、窒素が多いとアミノ酸が増えて旨味が強くなる反面、それが苦味やえぐみとなって現れ、結果として重たいお酒になってしまいます。
そこで、秋鹿酒造さんでは窒素の量を抑えて米を育てています。
そして、この「窒素を抑えたお米作り」があるからこそ、麹造りにおいても秋鹿酒造さんならではの独自の工夫が可能になります。
一般的な酒造りでは、種麹の量を少なくして糖化をゆっくり進めることが多いですが、秋鹿酒造さんでは種麹を多く用いることで強い麹をつくります。
これは、窒素を抑えたお米だからこそ活きる技法です。麹をたくさん使うことで力強い糖化を可能にし、甘みと風味の豊かなお酒が生み出されます。
このように秋鹿酒造さんでは、農業から酒造りまですべての工程がつながり、
一杯の酒へと結実していると教えていただきました。
奥さんは、講師としてお話してくださる時やお米のお話をしてくださる時も、
明るく親しみやすい話し方をされていました。
しかし、お米の作り方に対する姿勢や、そこから出てくる言葉にはお米への愛を感じて
私自身も楽しく講義を受けることができ、農業に対して以前より興味を持つことができたと感じています。
2限目の講義では、日本酒イベントを企画・運営している「PONFEshu」代表/唎酒師の岩船翼さんから、
日本酒の魅力や料理とのペアリングについて学びました。
「PONFEshu」ポン酒の宴は、「日本酒文化・産業を盛り上げたい」という想いのもと、
関西を中心にイベントを開催し、若い世代にも日本酒の魅力を伝える活動を行っている団体です。
生産者と消費者をつなぎ、日本酒の新しい楽しみ方を発信していることが印象に残りました。
授業の中で特に印象に残ったのは、
「日本酒は量より質を大切にし、大切な人と過ごす特別な時間に楽しんでほしい。」という岩船さんの言葉です。
お酒をたくさん飲むことではなく、料理や一緒に過ごす人との時間を楽しむことが、
日本酒の魅力なのだと感じました。
続いて、日本酒の「香味特性4分類」について学び、実際に4種類の日本酒の香りを比べました。
◆薫酒(くんしゅ)は
純米大吟醸に多く、フルーティーで甘い果実のような香りが特徴で、初心者でも飲みやすいと感じました。
◆爽酒(そうしゅ)は
淡麗辛口で軽快な味わいが特徴で、シンプルな香りとアルコール本来の香りを感じました。
◆醇酒(じゅんしゅ)は
純米酒に多く、お米の旨味やコクが強く、炊き立てのご飯を思わせる香りが印象的でした。
◆熟酒(じゅくしゅ)は
熟成による濃厚な香りが特徴で、醤油や干ししいたけのような香りを感じました。
最後に、それぞれの日本酒に合う料理や飲むシチュエーションについてグループで考えました。
日本酒は種類によって香りや味わいが大きく異なるため、
料理との組み合わせを考えることで、さらに美味しく楽しめることを学びました。
また、日本酒の瓶の色にも品質を守るための意味や季節に合わせた工夫があることを知り、
日本酒には多くのこだわりがあることを理解できました。
今回の授業を通して、日本酒の奥深さや料理とのペアリングの重要性を学ぶことができ、
とても有意義な時間になりました。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 高度調理技術マネジメント学科3年
澤 敦大
〈趣味〉音楽鑑賞、ギター
勝又 一颯
〈趣味〉音楽鑑賞、アルバイト


