【学生ブログ】ゴミとなるものを食の循環の中に戻すには
こんにちは。
辻調理師専門学校 高度調理技術マネジメント学科3年、吉田月です。
今回は、食と環境ワークショップの授業のゲストスピーカーとして、
一般社団法人フードサルベージの平井様、エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社の武野様より
お話をいただきました。
突然ですが、最近何か捨ててしまった食べ物はありますか?
私は最近、実習で使い切れなかったレモンをやむなく捨てました。
日々過ごしていく中で、どうしても使い切れなかった食材や、
食べきれず捨ててしまう料理が出てくるのではないでしょうか。
そういった、食品をただ捨ててしまうのではなく、どのように資源の循環に戻しているのか。
また、このロスをゴミにせず、どのように価値を見出すのかについて、今回は学ばせていただきました。
『ゴミと屑を区別する』
一般社団法人フードサルベージでは、「サルベージ・パーティー」と呼ばれる活動をされています。
家庭や事業所の冷蔵庫に眠っている食材や、規格外の野菜などを持ち寄り、
新しい一皿をその場で作り上げる活動です。
講義は、「食品ロス」というテーマを、商品を売る側、買う側といった経済的な視点の中で進んでいきました。
その中で出てきたお話が、ゴミと屑のお話です。
江戸時代にいた屑拾いは、屑が再利用できるものであることを知っていたため、それを集めて生業としていました。
しかし、現代では、あえてゴミと屑を区別し、屑を集めるよりも、捨てるほうがコストが安いといいます。
捨てるほうが安いというのは、個人的に非常に納得のいく理由だと感じました。
例えば、自分がお店を営業すると仮定したとき、
まだ使えるような屑を集め新たな料理にすることは、自然環境のことを考えればよいことです。
しかし、そこにはそれをどう使うか考える時間、
そういった屑を保存する場所などを考慮しなければなりません。
また、同じ規格のものをコンスタントに購入できる食材とは違い、
屑が一定量にならないということも留意する必要があります。
一つ一つの素材の価値の高さよりも、効率的であることの価値が高いと感じる現代で、
屑をどうすれば活用できるのか、自分たちができることを考えることが必要になると感じました。
『地域で密着することで』
また、エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社、武野様の講義では、
どう食と向き合っていくのかということについてお話をいただきました。
その活動である、「食とわ」について、ご紹介させていただきます。
この活動では、3つの軸、「わ」が存在します。
1.環 「食べ物が捨てずに活かされ、循環する」
2.輪 「作る人、届ける人、食べる人のつながり」
3.話 「暮らしやちょっと先の未来の語り合い」
これらを達成するために行われているコンポストチャレンジでは、実際に自分で堆肥を作り、
それを使用して作物を育てるという企画を行っています。
生産者と消費者が一緒になってできる活動を地域で行うことで、
消費者にとって自分のこととして考えやすい環境づくりが、非常に貴重なものだと感じました。
また、「森の循環促進プロジェクト」についてもお話しいただきました。
これだけ人が多く住む大阪府でも、森林面積が全体の30%を占めていることにまず驚きました。
その上で、管理が難しくなってきており、森からも食材をいただいていることを踏まえると、
まず知っていく必要があるということを強く感じました。
『サルベージ・パーティー』
講義の後半には、実際にサルベージ・パーティーを体験しました。
普段の実習で余ってしまった食材や、実際にそれぞれの家の冷蔵庫の余り物などを集め、
幾つかの班に分かれて料理を作りました。

実際に集まった食材の写真になります。
レトルトのカレー、乾パン、お菓子、野菜類まで様々なものが集まりました。
今回のために、期限の切れそうな食品を集めるよう呼びかけがあったので、
幅広い種類の食材が集まりましたが、家庭では特に缶詰のロスが多いと講義では話されていました。
今回の食材の中にも、おでんやシーチキンなどのツナ系の缶詰が見られました。

こちらは調理の様子を撮った写真です。
各班、おおよそ1時間という限られた時間の中で、話し合いを重ねながら進めていました。
続けて、実際に出来上がった料理の写真をご紹介します。

余った生春巻きの皮にレタス、ハム、にんじんを包み、ソースにはタコスの素でソースを作り、
食感のアクセントに乾パンをふりかけました。
レトルトカレーと乾パンを砕いた衣で野菜を揚げ野菜カレーに仕上げました。
乾燥パスタをアオサと干しエビを用いてソースを作り絡ませました。
乾パンを砕いてチョコレートを入れて乾パンチョコチャンククッキーを作りました。
韓国の味噌が余っていたので韓国味噌を用いて汁物を作り、実習で余っていた鯛を焼いて鯛茶漬け、
同じように余り物の鯵を乾パンの衣で揚げました。
鯖缶でバーニャカウダを作りました。イタリアでよく食べられる料理です。生野菜をディップして食べました。
リコッタチーズの中に香草、エシャロットなどを入れ混ぜ合わせ、
ビーツをバターと塩胡椒で味をつけアクセントにしました。
余ったクラッカーと共に食べました。
揚げ物から、パスタ、お茶漬けにクッキーといったデザートまで、さまざまな料理が完成しました。
調理を振り返ると、集まった食材が自分たちの知っているレパートリーの中で、
どの食材を代用できるのかを特に考えていたように思います。
こういった活動を通し、食材の活用先について多くの選択肢を持つのは、
食品ロスを解決する一つの良い方法になると感じました。
家庭や、実習といった普段の生活の中でも考えられるよう意識していきたいです。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 高度調理技術マネジメント学科3年
吉田 月
北海道出身、中国料理専攻


