OSAKA

辻調理師専門学校

ブログ

「お見事!鯛の姿造り」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ19~

日本料理クリエイティブ経営学科

2022.12.26

韓国語で読みたい方はこちら

昨年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。

今回は日本料理クリエイティブ経営学科2年生の授業科目「個人実習」で鯛の姿造りの実習風景を紹介するね!
手(パー)ハイ!先生質問です!
鯛の姿造りって、船型の器にピチピチと動く鯛の上にお刺身が盛っているやつですか?

う~ん、イメージはあっているけど今日は、ピチピチはしていないなぁ。


では写真を見てみようこんな感じです。
お~豪華ですね。私も作りたい!

では作り方を教えますね!


ひとり1尾、天然の鯛を使います!高いよ。


まずはウロコをしっかり取ります。


これまで学生は何十回と鯛を卸してきましたが、姿造りは卸し方が少し違います。
写真を見て!お腹の部分は卸さず残します。
なぜ?
・・・それは腹部分を卸してしまうと穴が開いてしまいます。
見た目を美しくするために腹部分は残します。


いつもは腹側から卸していくのですが姿造りの場合は背側から卸します。
骨に身を残さないように慎重に卸すよ!


はい!
表側はこのように卸します。腹側の身はしょぼくなりますがこれは仕方がない。


裏側は腹身も残さず卸します。しょぼくない。



今日は鯛の皮を引くか引かないかは学生に任せています。
この学生は皮側に熱湯をかけて皮だけに火を通します。これを専門用語で「皮霜造り」と言います。
熱湯をかければすぐにチャポンと氷水に落として急冷します。
こうすることで皮も柔らかくなり美味しく食べられるのですわーい(嬉しい顔)



鯛の準備と並行して大根の桂むき、この後、細い千切りにして「大根のけん」を作ります。



こちらの学生も桂むき、これは胡瓜です。
人参も同様に桂むきしたあと、斜めに線状に細く切ります。



これを箸にくるくると巻き付けると「より人参」となります。
バネのような形、面白い形ですね!胡瓜も同様に作りますよ。



野菜の付け合わせの準備もスムーズに進み、作業は終盤となります。
鯛の身を刺身に切っていきますよ。
まずは皮霜造りから皮部分に切込みを入れて食べやすくしてから1cm幅に切っていきます!
切込みが模様となりキレイですね。




こちらの学生は皮霜造りではなくすべての鯛の身の皮を引いていきます「スッー」
そして平造りとそぎ造りにしました。勿論これもありです。



後は盛り付けるだけ!鯛の姿造りは立体感が大事!
頭と尾の部分が「ピーン」と立つように竹串を大根に刺して写真のように組み立てます。


「では各自で盛り付けをしてください!盛り付け方は自由です。自分が良いと思うように盛り付けてください。」
よ~し、まずは大根のけんで、鯛の周囲を固めよう。



まず向こう側に「皮霜造り」を盛って立体感をつけてから手前に「そぎ造り」!
「先生!ボクの盛り付けどうですか!」
立体感もありいいバランスで盛り付けられていますよ。
あとはより人参、胡瓜を添えて彩りを明るくしましょうわーい(嬉しい顔) 
「了解です手(パー)



「私はすべて皮霜造りにしましたが狙いは皮の色と模様を生かすことです。」
天然の鯛は皮の色が鮮やかなためとても効果的ですね決定


色々な盛り付けで完成!学生それぞれの個性が表現できていいですね。
これもバランスいいですよ決定


これは胡瓜を「松」に見立てています。
もうすぐお正月ですね「松竹梅はめでたい!」


最後は試食です!
「オッ鯛と目が合った・・・食べにくい、どうしよう(-_-;)」


試食中は黙食がルール
「天然の鯛は余分な脂がなく美味しいです!」と心の中でつぶやいているのでしょう。しらんけど。

もうすぐ冬休みにクリスマス、お正月と続きますね。
楽しみがいっぱいです!本日もお疲れ様でした。
年内の授業もあと3日で終了!
最後まで気を抜かずがんばれよ。


~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。