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辻調理師専門学校 (調理)

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「2年生の実習!切る!むく!基本技術のレベルアップを目指します」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ3~

日本料理クリエイティブ経営学科

2022.05.17

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昨年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。


みなさんこの包丁をご存じでしょうか?
先端が「かま」のように曲がっていることから「鎌型包丁」
日本料理の包丁の中では刃先が薄いため「薄刃包丁」とも呼ばれています。
この包丁は野菜の皮をむく、切るなど野菜専用の包丁です。
この包丁で魚を卸したり、肉を切ることは絶対にありえません。××

今日の個人実習内容は鎌型包丁を使った基本技術「きざみ葱」「子芋の六方むき」です!
1年生の時はまず正確に薄く葱が刻める、時間がかかっても子芋が綺麗にむけることを目標に練習してきました。
2年生に進級した彼らには昨年以上に正確さは勿論のことスピードも身につけてもらいます!


9時10分授業スタート!
手に取る葱は全体が緑色(料理の世界では緑色の野菜は青い野菜と呼びます)をしていることから「青葱」と呼びます。
葱にも地域性がありこの葱は主に関西から九州へと南の地域でよく食されます。
東京をはじめ関東から北の地域では葱といえば白葱を指す場合が多いようです。
関西では特に「青葱が薄くキレイに切れるようになれば何でも切れる!」と言われるほど
高度な包丁技術と言われています。


次回の個人実習時に「テスト」を行います。採点表には出来上がりの状態は勿論の事!
包丁の持ち方、刻み方、その他モロモロ評価されるのです。
制限時間は3分間で30gの葱を刻みます。相当、早くやらないと間に合いませんよ。


次回の本番に備えてしっかり練習します。本番を想定して30gを3分間で切ってみよう。


葱を刻むなど野菜を切るときは鎌型包丁の先の方から「大きく前に突く!」
イメージで包丁を動かします。

では動画でどのような動きをするのか観てもらいましょう!




葱を薄く刻むには包丁の切れ味が大事です。
切れ味の悪い包丁で刻むと葱の繊維をつぶすこととなり
目が痛いもうやだ〜(悲しい顔)×、葱がつながる×、分厚い×など、これでは商品になりませんよ。
「オッ目が痛い!犯人は誰だ」


葱の品種、季節により、刻んだ葱は切り口からネバネバの液体のようなヌメリがでる場合があります。
*葱臭い~と言われる正体です。
それを取り除くために葱を布巾に包み水の中で洗うのです。では洗うよ~



布巾の上からモミモミしながら優しく洗うとネバネバが取れて嫌な臭いもなくなります。


はい!こんな感じになります。刻み葱を洗うことで「洗い葱」と呼ばれます。
これ料理用語だから覚えておいて(笑)勿論、本番でもこの程度時間内にできれば合格ですよ!


授業後半は子芋の六方むきです。「キレイにむいてくれよ!」と子芋が言っています(笑)


子芋5個を15分以内でむきます。手順はまず子芋の上下を包丁でへぎます。スーっ!
 

5個とも平行に同じ高さにへぐことが重要。私はこの写真がとても気にいっています。
フォトコンテストに応募しようかな。作品名「見つめられる子芋」(笑)


写真を見てもわかるように鎌型包丁の使い方として野菜の皮をむくなど「むく作業」は刃元部分を使います。
皮を一気にスーッとむくと表面がつるりとキレイになりますが最初は一気にはむけず表面がガタガタとなります。

包丁の動かし方は動画で観てね!一気にむけていますよ。




御覧の通りきれいな丸みがあり表面がつるりとなめらかで同じ大きさにむけています。


先生質問です!子芋の六方むきで一番難しいことはなんですか?
それはキレイで統一された丸みをつけることです。
写真の子芋の中央にある頂点(一番背の高い所だよ)を見て!
頂点から左右対称にカーブが描かれているのがわかるかな。
こうなるように子芋の表面を6面ともむくことです。
でもこれは簡単そうでなかなか難しいことなのです。


次はブチャイクな子芋の六方むきを紹介します(笑)
まず頂点が真ん中から大きくずれています。
そのため左右対称にカーブが描かれず向かって左側の面が長い!これではプロの六方むきとは言えません××


六方むきは難しい!2年生になった彼らにもそれぞれ課題が残っています。
ポイントをしっかり理解したうえで練習~練習~


子芋の表面を1面むくたびに確認します。その気持ちわかります。しっかり見つめろ(笑)


「お~キレイ!表面もツルツルやし、完璧やん」褒められて伸びる!いい光景です(笑)


子芋タワー5階建てです(笑)横に並べて比較するより積み上げると完成度がより確認できます。
ズバリ!この学生は上手です。大きさ、形とも均一にむけています。表面もキレイ!


形がフットボールのように少し長いかな。背を低くすればバランスはよくなります。
表面はつるりとキレイですが大きさ、形に統一感が欲しいですね。次回がんばれ!


おしい~形は揃っているけど大きさが 揃っていませんね。あと一歩です。



子芋の六方むきも次回の個人実習時「テスト」を行います。評価条件はかなり厳しいですもうやだ〜(悲しい顔)
「エッ5分間で子芋5個とも同じ大きさにむけって!ヤバくねぇ~」
「採点表、誰が作ったん?」「絶対!松島先生やわ」
学生の代わりに私が代表で松島先生に伝えておきましょう「鬼!悪魔!松島先生~」(笑)


は~い!こちらが松島先生です。
授業では得意とする自筆のイラストを自由自在にあやつります(笑) 
個人実習お疲れ様でした。次回のテストがんばれ~


~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。